第77話 盗賊団、捕らわれの女性たち
バンダナを巻いた男に盗賊団のアジトを案内してもらうことになった
キャンプ地から500mほど西に離れた石でできた長屋のような家
ここが彼らのアジトだそうだ
「案内ありがとう」
と言いながら、僕は男を眠らす
ここで魔力探知
家の中には30人ぐらいいる
どんな魔法を使ってくるかわからないからまずは身体強化
いざ、中へ突入!
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リーヴェルがアジトに突入する1分前
「今頃、野宿してるやつら襲われてんだろうな」
「おいおい、油断は禁物だぜぃ。俺やんが見たところ騎士っぽい連中もいたしよぉどっかの貴族ってことには間違いねえぜぃ。リーダーはどう思いますかい?」
スキンヘッドで左目に刀傷を負った隻眼の男
盗賊団のリーダー マイント・レブガイエ
斥候役の質問に
「貴族ということは、カモになる女もいる確率が高い。捕まえれば、ワシの女になるってことよ」
「リーダー性欲強いですねぃ」
「ここにつかまってる女もすべてワシの女。絶対に逃げられないように調教してあるからな」
「さすがです!」
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突入する前にやつらの会話を聞いていた
何人もの女性がつかまっていることは明らか
まず、盗賊団を全員倒す
ただし、殺さない程度にする
次に捕らえられた女性たちを救出
男たちにまた襲われないように魔法で捕縛しておく
以上の作戦で開始
さて、ドアを打ち破りますか
ドン
「な、敵襲か!?」
「馬鹿な!?」
「まさか、失敗したのか!?」
動揺する連中
「うろたえるな!」
マイントが彼らを落ち着かせる
「お邪魔しますよっと」
「お、女・・・?」
ちょっとピキッときた
「リーダー、女が自ら乗り込んできましたぜ」
「ほほう、ワシ好みの女だ」
「お嬢さん・・・ヘブッ!?」
近づいてきた男に一発殴る
「なっ!?女ぁ、ワシらをなめんじゃねぇぞ!!」
マイントが怒る
やっちまえ!
の合図で戦闘開始
とはいっても
男たちの動き遅すぎる
本気で来てるのか?
全員殴るのはアホらしくなった
パンチやキックをよけながら、仲間同士で倒れてもらいつつ
ちょっとした魔法も仕掛ける
僕が指を鳴らした瞬間
彼らの足が燃える
「ギャアアア!?」
「痛えええええ!!」
「あ、足があぁああああ!」
火属性魔法 バーニング(火炎放射)を発動
さすがに全身ではまずいから
足だけで済ます
残るはリーダーのマイント
「クックック。女、やるじゃねえか。気に入ったぜ。どうだ、ワシの仲間にならんか?」
取引を持ち出してくるとはね
まだ、僕が男で、リーヴェル・ジェスナーとは気づいていないようだ
「僕がそんなに女に見えるってのか?かえって、反吐が出るよ」
「ん?お前、女じゃねえのか!?」
「見た目はそう見えるけどね、中身は正真正銘の男だよ」
「てめえ、ワシらを嵌めやがったな!」
「嵌めるも何も、僕はただあんたらを捕まえに来たんだよ!」
僕が一歩近づくと
「待て、降参だ」
「嘘つきだね、ハゲおやじ」
「は、ハゲ・・・だと・・・!?」
「ああ、クソをつけるの忘れてたね、クソハゲおやじ」
「ふふふ、もう・・・許さん!!ぶっ殺してやる!!」
腰に付けてたナイフを取り出し
襲いかかる
でも、僕に触れる1m先で
ハゲおやじの両手が吹っ飛ぶ
「う、ウギャアアアアアアアアア!!!??」
噴水のごとく血があふれ出す
死なれるとまずいので
眠らせてから
治癒魔法で止血
あとは、彼らを土魔法 サンドロープでぎっちりと縛り付ける
会話で聞いてた女性たちを探す
奥の部屋に数人の魔力を感じる
ドアを開けた瞬間
「イヤアアアアアア!!?」
「こ、来ないでえええええ!!」
「も、もういやあああああ!!」
悲鳴を上げる女性たち
中は暗く、顔が見えない
松明を明かりに
部屋に入る
「お、お願い・・・、もう・・・許してください・・・」
酷く怯えている
「落ち着いてください。僕は盗賊団の仲間じゃありません。皆さんを助けに来ました」
もう少し火を強くして
明るくする
女性たちの体は傷だらけ
マイントたちにやりたい放題されたんだと分かる
「酷い・・・。ここまでするとは、外道め!」
一人の女性に近づき
「もう、大丈夫です」
「・・・そういって、あなたもあいつらと同じように犯すんでしょ・・・?」
「そんなつもりは毛頭ありません。僕はただ、皆さんを助けに来ただけなんです」
「その人の言っていることは本当よ・・・」
その奥にいた女性がポツリ
「大丈夫よ、その人を信じてあげて」
「・・・」
しばらく考えて
「分かったわ」
「ありがとうございます」
『シュルスター、シーナさん、聞こえる?』
無属性魔法 念話でパーティーメンバーに話しかける
『おう、聞こえるぞ』
『ばっちりよ、ベル君。それで、どうしたの?』
『盗賊団を捕まえて、捕えられていた女性たちも助け出したから、人手が欲しいんだ』
『了解、団長と陛下に伝えるよ』
『ベル君、どのあたりにいるの?』
『魔力探知で探せるよね?』
質問を質問で返す
『あ、500mほど西にいるのね?」
『正解だ』
『分かったわ、私たちも今そこに向かうから』
数分して、パーティーメンバー、騎士団、陛下馬に乗って駆けつけた
「よくやった、リーヴェル」
「さすがだな」
「素敵です、リーヴェルさん」
助け出した女性たちからも
「ありがとう」
感謝の言葉をもらう
しかし
「あれ?あの人、動こうとしない?」
最後に残ったフードを被った女性だけ座ったまま微動だにしない
僕が近づいても何の反応もない
まさか!
女性の手首の脈をとる
まだ生きているが、明らかに衰弱している
このままでは死んでしまう
治癒魔法をかける
改善はしたものの、まだ危険な状態だ
「どうすればいい?」
「ヘリッツ子爵を呼ぶにしても距離があるし、アースラー王国の王都までもまだ時間がかかるわね」
「クソッ、こんな時に限って!」
メンバーたちはどうにもできたい状態に悔いるだけだった
『ねえ、念話を掛けたお兄さ~ん』
そんな時、聞き覚えの無い声が頭の中で聞こえた
『だ、誰!?』
『私は、森にいる植物なの~』
『は?っていうか、何で僕が念話を掛けたって分かるんだ?』
『だってあなた、とてもきれいな魔力を持っているんだもの~』
確か、初めてエフィリアに会った時もあいつはそんな事言ってたような
『お兄さん、今困っている様子じゃない~?だったら、森に来て~』
『いやいや、ちょっと待って!今行くにしても真っ暗だし、どこにいるかも分からないじゃないか』
『大丈夫だよ~!魔力探知で探せば、ひときわ目立つ魔力を感じるはずだよ~』
どんどん突っ走る謎の植物
時間もないし、範囲を広げての魔力探知をする
森の奥に強力な魔力を感じる
『感じたようだね~。とりあえずあなたがいる家の前の森の入口まで一人で来て~』
と、ここで念話が切れた
何なんだ一体?
しかし、植物の正体が気になる
というか、植物が人語を話すなんてありえないだろ!
いや、ここは異世界なんだから
あり得るって事だろうな
メンバーに話しかける
「ちょっと、森に行ってくる」
「え!?こんな真夜中に!?一体、どうしたの?」
さっきの念話の事を話すと
「人語を話す植物がいるなんて聞いたことがないわ」
「俺も初耳だぜ。しかも、念話もできるほどだからかなりの魔力の持ち主だろうな」
「一人で来てって言ってたんだよね?」
「うん」
「何か、約束破ると怖い感じがするわ」
「同感」
「とにかく、時間がないから行ってくる」
「気を付けてね」
「用心しろよ」
人生初の真夜中の森の散策となった
どうも、茂美坂 時治です
今回はちょっと暗い感じになりました




