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第57話 新しいギルドマスター

「早いお別れになってしもうた。本当に申し訳ない」


今日の授業を終えて、学校を去る前に校長先生が深々と頭を下げる

「そんな、校長先生のせいではないですよ。急だったものですから、仕方ない事です。だから、頭を上げてください」


「お主は優しいの。その優しさ、大事にしなさい」

「はい」


「リーヴェル先生、またお会いしましょう」

「うん、君の卒業後に」

「そんなに長く待てませんよ」

「どうだかな」


一息ついて

「短い間でしたが、お世話になりました」

一礼して、フィリオル魔法学校を去る



「何だか…変なの」

自分が教師をしていたなんて、夢にも思わなかったからな


そんなことはさておき

まずは、王宮で国王陛下に報告しないと



「すまない、リーヴェル」

出会って早々、国王陛下が頭を下げる

「ちょっと、一国の王が頭を下げないでください!」


「半年の期間だというのに、僅か3日で終わってしまうとは思わなかった。まして、私が直々にお前に依頼したというのに…」

陛下は自分を悔やんでいる


その気持ちは分からないでもない


「半年で満了になったら、報酬を払うつもりだったが、あまりにも早すぎたため、報酬はゼロになるが構わないか?」

「異論ありません」

「それを聞けて安心した。お前は金にうるさいとは思ってないからな」


失礼ですね、僕は結構お金にはうるさい方ですよ?


「さて、一応依頼完了とさせてもらうが、また他の依頼があるかもしれん。その時も受けてくれるか?」

「勿論です、それが冒険者としての定めだと思ってます」

「そうか。あ、今日は新しいギルドマスターが着任するんだ。ギルドに行って、顔を出してこい」

「どんな人ですか?」

「それはお前が会ってみるほかないだろ」

ごもっともです


王宮庭園を歩いている途中、姫様に会った


「あ、ベル君。お父様に会ってたの?」

「うん、まさかこんな事になるなんて」

「私はベル君が教師をするだなんて思ってもみなかったから。で、やってみてどうだった?」

「一言で言えば、楽しかった」

「そう。お父様から聞いた話だけど、その学園に先の襲撃事件の張本人が来たって聞いたのだけど、本当?」

「耳が早いな」

「本当みたいね。まさか、ベル君に復讐するために?」

ジュリーは少し怒った顔をする


「違うよ、僕のパーティーに入ることになったんだ」

「な、何ですって!?」

そりゃ驚くわな

「ベル君、それでいいの?シーナにも話してるの?」

「勿論、最初は反対してたけど、ムーリット公爵の説得もあって、何とか受け入れてくれた」

「本当、ベル君はお人好しなんだから」



「じゃあ、私はこれから公務があるから先に失礼するわね」

「うん、また」


王宮を後にして、ギルドに向かう


ドアを開けてすぐに


パン

パン

パン


と、クラッカーがなる音が響く


「な、何事!?」

「「「「「リーヴェル、SSSランクの正式認定、おめでとう!!」」」」」


は?

正式認定?


「えっと…、状況があまり飲み込めないのですが…」

「あれ?ヴェルちゃん、何も聞いてないの?」

受付嬢 メリダさんはきょとんとしている

「聞いてないも何も、SSSランクの昇格試験とか受けてないんですけど…」


「あちゃー、これはまた陛下が…」


え?

これって、陛下がらみなの?


「拙者が説明してしんぜよう」

父さんと同年代の男の人が僕の前に来る


「まずは、自己紹介をしよう。拙者、この度ギルドマスターに着任したチェント・パルセウスで御座る」

何、この人!?

拙者とか御座るって、何で侍言葉を使うんだ?


「リーヴェル殿は、国王陛下から聞いておらなんだか?」

「はい、先ほど陛下にお会いしましたが、そんな話は一度も…」

「そうで御座ったか。あの方は、どこか大事なことを忘れているというか、抜けているというか、ちょっといい加減な方で御座るからな。リーヴェル殿も気付いていたはずで御座る」

仰る通りです


しかし、この人、何だろう?

異世界で侍言葉って違和感があるのに、不思議と違和感が感じられない


もしかして、先祖も僕みたいに転生した人なのかな?


「と、話がそれてしまったで御座る。正式認定は、国王陛下がリーヴェル殿のSSSランクの昇格をお認めになったということで御座る。2週間前の魔物の大群を一匹残らず殲滅させたことが、認定の最大の要因で御座る。それだけでなく、ヘリッツ子爵の周辺関係の問題を解決したことも大きいで御座ろう」


陛下、僕に知らせずにそんなことをするなんて

ある意味、卑怯だ

それなら、叙勲式でしてもよかったんじゃないのか?


「リーヴェル殿、ギルドカードは持っているで御座るか?」

「はい、ありますけど」

「一度、拙者にあずからせてほしいで御座る」

「と、言いますと?」

「Sランク以上になると、ギルドマスターが該当する冒険者のカードを預かり、カードを作成している王宮機関に持って行って、このランクになったという証をカードに施すことになっているので御座る。ただ、SSSランクの冒険者はリーヴェル殿が初めてで御座るから、どんな施しになるかは拙者にも分からないので御座る」

「それはつまり、国王陛下もご存じないと?」

「左様で御座る」


なるほど、誰も知らないギルドカードになるのか

一体、どんな施しをするんだろう?


「話はこれくらいにして、折角来てくれたんだから、祝いをせねばならぬで御座る」

「あ…」


そういえば、クラッカーの紙が頭についたままだった


「では、改めて、リーヴェル殿、SSSランクの昇格、おめでとう!」

「「「「「おめでとう!!!」」」」」


マスターだけでなく、他の冒険者からも祝ってくれた

「皆さん、ありがとうございます!」


この宴は夜中まで続いた

どうも、茂美坂 時治です

また新たな人が登場しました

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