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第40.5話 母と娘

ジュリアナ姫の視点です

私は、お父様の言ってることに納得がいきません


朝食の時、お父様がリーヴェルさんに「結婚しなさい」と言っていたのは正直驚きました

リーヴェルさんは反対とは言ってませんでしたが、いきなり言われてすぐにはいとは言えないとも

つまり、私との結婚はあり得るのだと


すこし嬉しい気持ちにもなりましたが、お父様は何故そこまで結婚にこだわるのか私にはわかりません


お礼のキスがまさか結婚を約束すると勘違いされるなんて思いもしませんでした

それなのに、お父様は一方的に結婚しろと促すばかり


私は我慢できずに

「お父様はこの国が滅んでもいいんですね」と

怒鳴って部屋を飛び出しました


男の人って、皆婚約の事になるとムキになるんでしょうか?


私は自分の部屋で寝転んでいます

少し言い過ぎたと反省しています


ですが、今は結婚する気持ちはありません


コンコン

部屋のノックが鳴り

「ジュリアナ、入ってもいい?」

声の主は、お母様


私は素直にお母様を部屋に通しました


「ジュリアナ、少しは落ち着いた?」

「ありがとう、お母様。もう大丈夫です」

「そう」


少し呼吸を置いて

「お母様、どうしてお父様はあんなに結婚、結婚と促すんですか?私にはお父様の気持ちが分かりません」

「そうね、私でもあの人の考えは分からないわ」

「・・・」

「でもね、結婚して長い付き合いになると少しわかるようになったの。さっきの会話もね」

「・・・」

「あの人は、多分焦ってるんだと思うわ」

「焦る・・・?」

「ヘラルドさんが魔族に殺されたと聞いた時から、あの人はあなたの事をすごく心配したの。あなたたちは元々許嫁同士だったから結婚する予定でいたんだけど、予想外の事が起きてそれどころじゃなくなった。だから、あの人は次の婚約者をリーヴェルさんにしようとすぐに思ったんじゃないかしら?」

「それって、あの時のキスが原因」

「そう考えるべきでしょうね。わたくしだって、本当にびっくりしちゃったわ。あまり積極的な行動をしないあなたがあんな大胆な行動をするんですもの」

「・・・うぅ、今それを思い出させないでください」

私は少し顔が赤くなり、手のひらで頬を押さえます



「あなたはどうなの、彼の事?」

「どうって・・・」


私はリーヴェルさんの事、どう思っているのでしょう?


確かに、見た目は女の子ですが、しっかりとした男の子であることは間違いありません

何より、彼は誰にでも優しく接してくれる素敵な人

そんな人に私の方からキスするなんて、やっぱり好きという事なんでしょうか?

そう思うと、余計に恥ずかしくなります


「ふふっ、若いっていいわね。そういうもやもやとした気持ちわたくしにも分かるわ。わたくしは元々平民として育ちましたが、当時王子だったあの人に一目惚れされたの」

「えっ、そうなんですか!?」

お母様が平民出身だなんて初めて耳にしました


「突然、あの人から結婚してくれと言われたものだから、最初はきっぱり断ったわ。でも、あの人は『ならば、少しの間付き合ってくれないか?』と諦めなかった。1か月間付き合い続けてみて、あの人は周りの人を笑顔にしてくれる、そして、わたくしの事も大事にしてくださると分かり、わたくしの心もドキドキしていた。それがきっと、あの人に恋した瞬間と思うわ。少しでも会えないと、心が苦しくなる。会えると、もやっとした気持ちがぱぁっと消える。それで、わたくしは確信したの。わたくしは、この方を心から愛しているのだと。・・・と、自分でいうのも恥ずかしいわね」

「いいえ、素敵なお話です」

「そう言ってもらえると嬉しいわ、ジュリアナ」

と、お母様は私を優しく抱きしめてくれました


「ジュリアナ、今のあなたの気持ちはとても苦しいでしょうね。でも、だからといって、ずっと引きずるのはダメよ。つらいことがあっても、前に進む勇気があればあなたの運命は大きく変わるはず。あなた一人としてではなく、わたくしたちと一緒に変えるの。リーヴェルさんだって、そう望んでいるはず」

「私だけじゃなく・・・」

「そう、みんなの力がこの国を支えているの。それだけは分かって」


私は、母の言葉で気持ちが少し落ち着いたように感じます


「さ、そろそろ戻りましょ。あの人も待っているでしょうから」

「はい」


いつかお母様のようになれるかな

そう思っている私がいました


どうも、茂美坂 時治です

親の力はすごいですね


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