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第32話 14vs20000 その3

エフィリアたちは、リーヴェルが結界を張る前から逃げ遅れた人がいないかを確認し、いたら安全な場所へ誘導する役割を得ている


「一体何が起きてるんだ?」

「どうしてあんなに魔物がいるの?」

「誰が対処してくれるんだよ!?」

逃げ遅れた人の中にはパニックに陥る人も少なからずいる


突然起きた出来事を冷静に考える時間などほとんどない

今は自分が生き残る方法を考えるだけで精一杯


しかし、考える時間だけでも魔物に襲われる時間でもあるという事も忘れてはならない


今の状況ではそう考える人は誰もいないとエフィリアは確信していた


が、そんなことを考える余裕はない

必要最低限の事を遂行するまで


「ねぇ、この事ヘリッツ子爵にも知らせた方がいいんじゃないかしら?」

仲間の一人、コーリンが提案する


「それは、治癒魔法と薬の両立が一番効果的とけが人に知らせるという事を含めて言ってるのね?」

「察しがいいわね」

「なら、コーリンとハンミルにお願いしてもいい?」


二人はこくりと頷く

ひゅっと子爵の屋敷へ向かう


こちらは引き続き安全の確保と逃げ遅れた人の誘導


しかし、すべてうまくいくともいえず・・・


ジェンティス広場で立ち止まっている男を発見するやすぐに

「そこの男の方、早く逃げなさい」と声を掛ける

しかし、聞き入れてくれない


「何してるの?早く安全な場所へ!」


「・・・い」

「え?」

「すごい、あの赤髪の子が戦ってる」


ああ、主が神獣たちと戦っているのだな



我ら妖精一族は比較的高い魔力値を持ち魔力探知と飛行能力には優れているが、魔法の行使はうまく使えない

ずっと森の中で500年も主に相応しい人を探し続けていた

いや、生まれた時から魔法の勉強などはほとんどしていない


魔法は便利であるものの、時に世界を滅ぼす恐ろしい存在と長から言い聞かされていた

だから、教えられていない


たとえ主から魔法の使い方を教わったとしても、それがなにかとんでもない事態に発展するんじゃないかと不安がよぎる


でも、主はあれだけの力を持ちながら全く溺れず、むしろ人のために役立つ魔法を行使している

私たちからすれば憧れの存在でもある


そんな主がこの国を護るために必死に戦っている


私たちは遠い場所から見守るしかない


そこへ王冠を被った国王陛下が血相を変えながら走ってくる

相当焦っている様子だ

どうやら、情報が陛下にも届いているようだ

「はぁ・・・、はぁ・・・、む・・・、娘は・・・無事・・・か・・・?あの広場に・・・、娘も・・・いるのだぞ・・・」

娘、ということは姫様か

こんな事態に家族が巻き込まれていると思うと、動こうとしない家族などいない

誰もが必死に現場へ向かうはずだ


「陛下、危険です。ここは我々にお任せください」

「私も戦うぞ。娘のためなら腕や足を引きちぎられようとも戦うぞ」

「いけません!」

兵士が必死に止めようとするが、自分も戦うと聞いてくれない


ここは、私が引き留めるしかない


「落ち着いてください。今、リーヴェル様が戦っております」

「な、リーヴェルが単騎で戦っているというのか・・・?」

「いえ、彼に仕える神獣たちもです」

「・・・」

焦りを募らせていた顔が次第に落ち着いた表情へと変わる


「そうか、リーヴェルが神獣たちと一緒に戦ってくれているのか。何と心強い」


そう、あの人は本当に心強い

しかし、心のどこかであれだけの魔物と対峙するのは無謀じゃないかと心配する自分がいることに気付く


「どうかご無事で」

手を組みながら静かに祈る

―――――――――――――――――――――――――――――――


フェンリルは俊敏性を活かした攻撃が持ち味

1秒で10頭の魔物を仕留める


「すごいな」

ただただ感心していた僕も負けてはいられない


少しずつではあるが自分がSSSランクであることを自覚してきた


「さて、こっちも殲滅始めますか」


両手に魔力を込め、右手には火、左手には風を纏わせる


魔物が一斉に襲いかかる

僕は手を合わせて火と風を合わせて、巨大な火の竜巻いわゆる火災旋風を発動し、魔物を一気に中に引きずり込ませると同時に焼いていく


そして、これは自分で操作できる


魔物のいる方向へと旋風を移動させる


魔物たちは逃げようとするが、反対側にはフェンリルが2頭


北からは白虎、西からケルベロス、東から不死鳥も来た


彼らの魔物の殲滅は無事終わったみたいだな


魔物からすれば四面楚歌という言葉が相応しい


「よし、これで終わりだ」

僕たちは一斉にたたみかける


その途中で2頭の魔物が建物の壁を横走り、逃げていく


「しまった、お前たちここは任せた」

「はいな」

「任せてくだせぇ!」


神獣たちに任せればこっちは逃げた魔物に集中できる


魔力探知すると、路地裏にいるがなにやら動きが変だ


じりじりと何かに近づいているのようなそんな動きだ


まさか、逃げ遅れた人がいるというのか?



「お姉ちゃん、怖いよ・・・」

「誰か、助けて」

「大丈夫、私があなたたちを絶対に死なせはしない」


幼い子供3人の前にもう一人の女の子がいる

彼らは姉弟だろうか?


いや、そんなことは後回しだ


魔物が彼女たちに襲い掛かる


「てやっ!!」


その瞬間を狙って、僕はウィンドエッジで首を斬り落とす


彼女たちは目をつむったまま動かない


「もう、大丈夫ですよ」

僕が一声かけると、目を開ける


「え、一瞬で魔物を仕留めたのですか?」

「はい、それよりも、ここは危険です。その子たちを連れて早く安全な場所へ」

「ありがとうございます。この恩は必ずお返しします」


彼女たちは急いで王宮の方へと向かう


「さて、彼らのいるところへ戻るか」


この時、リーヴェルは気付いていなかった

出会った彼女が何者かという事、そして、彼の人生を大きく変えるという事も

どうも、茂美坂 時治です

今回はエフィリアたちとリーヴェル・フェンリルの回でした

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