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第30話 14vs20000

まずは、敵の戦力を確認すべく魔力探知


100・・・1000・・・10000・・・20000

約20000の魔物が集結している

これほどの魔物を使役しているとはドラゴンに乗っている男は只者じゃない


対して、こちらの戦力は僕を含めて14


圧倒的不利


「マスター、ここは我々神獣の力を彼らに見せつけてやりましょう」

「いやいや、20000の魔物をどうやって?」

「主、俺たちの力を見くびってねぇか?俺たちは神獣。ブラックベアなんざ雑魚に過ぎねぇ。あんな奴、白虎の顎の力でイチコロだ」

「白虎の言う通りですぜ、旦那。あっしらの力を信じてくだせぇ」

「それに、20000なんて俺たちにすりゃ掃除程度だ。こんなの10分で片付けてやる」


頼もしいな・・・

ならば、彼らの力と僕の力でやるっきゃない


その前にやるべきことがある

ザーク地区周辺の構造はかなり複雑で入り組んでいる

しかも、狭い路地も多くの魔物たちがここをすり抜ける可能性が大きい


ならば、先手を打つ

無属性魔法シールドがある

これは文字通り、見えない壁となる

勿論、通り抜けも不可能

破る方法は仕掛けた術者を殺すか術者が意識を失うかのどちらかに一つ

つまり、僕が魔物たちに敗れない限りシールドは持続する


ザーク地区だけでは魔物が外に漏れることも考えて王宮周辺まで範囲を広めて

シールドを発動

もう一度魔力探知でシールドの外に魔物が漏れていないか確認


よし、全魔物はシールド内にいる

これで、殲滅に集中できる


「この中で一番足の速い神獣は?」

「それでしたら、フェンリルのあっしですぜ、旦那。なんだったら、背中に乗ってくだせぇ」

「決まりだな。他のみんなは、合図と共に散開して思う存分暴れてくれ。ただし、建物はなるべく壊すな」

「「「「「御意!」」」」」


よし、作戦は単純だが彼らの力を利用して殲滅する

「行動開始!!」


合図と共に神獣たちは猛スピードで街を駆け抜ける

「すごいな・・・」


「僕たちも行こうか」

「はいな!」

僕はフェンリルの背中に乗る

高さもあって、しかも毛がフワフワ

終わったら枕にして寝てみたい


「ゴー!!」

フェンリルは勢いよく建物の壁を走り上る

屋根を伝って、群れの方向に向かう


20秒ほどで

「魔物の姿が見えてきましたぜ」

「お前も好きなだけ暴れて神獣の力を見せつけてやれ」

「了解!!」


僕は一旦フェンリルから降りて、それぞれの戦いに入る


――――――――――――――――――――――――――――――――


ケルベロスたちは、ザーク地区の西の方角ワンリ街道で魔物たちと対峙

「おお、わんさかいるな」

「「兄者、俺たちに任せてくれ!」」

まずは、咆哮

金属音がきしむような嫌な音を発する

魔物たちは音に反応して気絶していく

周囲の魔物たちが全員気絶したら炎のブレスで焼き尽くす


「ピギャアアアァアアアア!!!」

「シャアアァアアアアアアアア!!!」

炎に包まれて焼かれていく魔物たち


「いい匂いだ」

「「この後、食べていい?」」

「俺の分も残してくれよ」

「「どうしようかな・・・」」

「意地悪するなよ」


「オオオオオォオオォオオオ!!!」

背後から木のこん棒が降ってくる

ケルベロスは余裕でかわす


背後にいたのはゴブリンチャンピオン

図体はでかいが、戦略的な攻撃をするのが特徴だ


「ほう、背後から狙うとはいい度胸だな」

「「兄者の言う通りだ、万死に値する」」


先ほどと同様の咆哮を出すが、チャンピオンは出る前に耳を塞いでいた

耳を塞いでいれば、方向で気絶することは無いことを知っていたようだ

「この野郎、戦いなれてるな」

「「どうする、兄者?」」

「心配するな、奴の戦略を利用すればいい」


不敵な笑みをチャンピオンに向ける

挑発だと分かったチャンピオンはさらに怒り

図体に似合わず高くジャンプ

そこから腰掛にかけていたナイフでケルベロスに向かって投げる

距離は5メートルに満たず

しかし、ケルベロスは余裕で右によける

「貴様の投げるナイフなど、遅すぎるわ」

「「さすが兄者!!」」


地面に刺さったナイフを咥えてチャンピオンの膝を狙ってシュッと首の力を使い勢いよく奴の右ひざを貫通

「グオオオオオオォォオ!!」


そして、とどめは

ブレスで丸焼き


炎に包まれても懸命に立ち向かうチャンピオン

だが、ケルベロスはすぐに咆哮を出して気絶させる


この勝負 ケルベロスに軍配が上がる



――――――――――――――――――――――――――――――――


「さてさて、困ったことになりましたね」

フェニックスはケルベロスとは反対側のジェンティス広場付近で戦っている

が、魔物の数が圧倒的に多い

「どうします、妹よ?」

「兄さま、わたくしたちの力を存分に発揮せよとマスターが仰せになられたではありませんか。ならば、臆することなく戦うのが筋と思いましてよ?」

「そうですね、では我ら兄妹の力を見せてやりましょう」

「それでこそ、わたくしが尊敬する兄さまですわ」


2羽は左右に飛び交い、羽をぶつけ合う


フェニックスの羽には蝶などにみられる鱗粉と呼ばれるものがある

鱗粉には撥水効果があるので蝶は雨でも飛ぶことが出来るが、フェニックスの鱗粉は少し違う


フェニックスの鱗粉には発火性の物質が含まれている

この鱗粉が一定の空間で一定量の鱗粉が溜まり

さらに2羽が羽をぶつけ合う事で火打石の役割をしている

つまり、そこに火花が飛ぶと一気に爆発という仕組みだ


魔物たちは2羽の行動に目を追いかけながら首を動かし続ける


「もう少しか?」

「まだまだですわ」


2羽は延々と飛び続け、羽をぶつけ合う


魔物たちにも異変が

首を動かし続けたせいか、その場から動けなくなったのだ


鱗粉は魔物たちを覆うほどにまで増えていく


「よし、そろそろ頃合いですね」

「行きますわよ」


2羽はまた左右に飛んでお互いの向きになると飛ぶが

さっきと違って真正面に飛んでいく


そう、火打石の役割をしているのは嘴


カッ!!

嘴同士がぶつかった瞬間


ドオオーーーーン!!!!

勢いよく爆発

魔物たちは一瞬で丸焦げに


「よし、ここの殲滅は完了ですね」

「疲れましたわ」

「情けない・・・って・・・、ああ!!」

「ど、どうしましたの?」

「た、建物が・・・」

「あら?わたくし何かまずい事でもしまして?」

「最後まで聞いてなかったんですか?マスターは、建物はなるべく壊すなと言ってました、つまりその命令に反してしまったという事です・・・。何という事をしてしまったんでしょうか!!」

「でも、なるべくですわよね?ある程度、壊れても大目に見てくださるのでは?」

「いや、よくご覧なさい!!周辺の建物は木っ端みじんですよ?反省の意志がないならお仕置きです」

「兄さまのお仕置きは素敵ですわぁ~」

兄は妹の尾羽付近を100回叩いて、しかも妹は嬉しそうに叫んでいたという


どうも、茂美坂 時治です

フェニックスの兄妹、かなり変な感じになりました


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