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第29話 奇襲

叙勲式前日の朝

ギルドで依頼達成の報告をする


「はい、追加報酬込みの金貨2枚です」

「へ?追加報酬って?依頼書にはそんなの記載されてなかったと思うんですが」

元々の依頼の報酬は銀貨3枚

これはどういうことだ?

「実は、国王陛下からこの依頼に追加報酬を加えさせてくれと直々に来られまして・・・」

「直々に・・・ですか」

「何でも、治癒魔法と薬の両立を見出したことのお礼だそうです。叙勲式とは別だとも仰っていました」

「別・・・」

「どうかされました?」

「いえ、叙勲式でそれの報酬もあるのかと思いまして」

「ああ、なるほど。となれば、もっと重要な事かもしれませんね」

「重要な事ですか・・・」

国王陛下は叙勲式で何をするんだ?


報酬を受け取った後

「よし、行くか」

「ワン!」

「ニャァ~!」

「ピィッ!」

モフモフたちとあの地区へ向かう


「お、リーヴェルやないか。シーナちゃんは一緒ちゃうんか?」

「おはようございます、ブルーノさん。今日は、ギルドで報酬を受け取ってからのんびりしようと思いまして」

「さよか。それよりも聞いたで、あんさんマヨネーズっちゅうえらい旨いモン作ったって。どないして作るか教えてくれへんか?」

「いいですよ。今から言う食材があるか確認させてください」


前回、ザリアス家の厨房同様の材料の配分を言う

「全部家にあるもんでそんな旨いモンができるんかいな?」

やっぱり、この世界にマヨネーズはないから疑われてもしょうがないか・・・


「台所お借りしても?」

「おお、自由に使うてええで」


5~6分ほどしてマヨネーズが出来上がる


「これが噂のマヨネーズか。何かドロッとしててうまそうには見えへんな」

「まあ、そう言わずに一口食べてみてください」

ブルーノさんは指でマヨネーズを頬張る


「な、何やこのうますぎるモンは!!?」

周りに響く程の大声を出す

「なぁ、みんなこれ食べてみぃや!!」

街行く人たちを誘って、食べさせる


「おいしい!!」

「ほぉ、これは酒と合わせてもいいのぅ」

「これ、どこで売ってるんですか?」

「残念ながら、うちでは売ってへんわ。そこのリーヴェル君に聞いてみいや」

「リーヴェルって、あの・・・?」


名前を聞いた途端、人が押し寄せてくる

「ねぇ、あのリーヴェル・ジェスナー君なの?」

「すげぇ、本物だ」

「あの、握手させてください」

なんか、有名人扱いされている気分だな

ていうか、苦しい・・・


「はい、ストーーーーーーップ!!!」

「「「「「っ!!」」」」」

突然、ブルーノさんが大声を上げる

「リーヴェル君を見てみい」

今の僕はおしくらまんじゅう状態・・・

「あっ!」

「ご、ごめん・・・」

「興奮しすぎた」

デジャヴ・・・


「作り方は簡単ですよ。まず材料は・・・」

さっきと同じように伝える


「へぇ、身近にあるものでこんなにおいしいのが作れるんだ」

「勿論、量を調整すれば自分好みの味にもできますよ」

「よし、かえって早速作ってみよ」

「私も!」


この事があってか

この日の卵や塩、オリーブオイル、マスタードは全て完売したという


マヨネーズ恐るべし


「あんさんのおかげでうちだけやのうて、周りも大繁盛しとる。ありがとさん」

「いえ、礼には及びません」

「この後はどないするんや?」

「もう少し、このモフモフたちとブラブラ散歩しようかと」

「それなら、うちがおすすめする店があるんやけど・・・」


グオアアアアアァアアアアアァアア!!!!


大空から生き物の雄たけびが響く

「こ、この雄たけびはドラゴンや!!」

「ドラゴンですか!!?」

「普段はこの辺りも飛んでるんやけど、雄たけびを出すことは無いな」

「つまり、興奮状態だと?」

「かもしれへんな。と、そんな悠長な事言っとる場合やないで。はよ、逃げるで」


「ハッハッハ、ディーレスト王国の民たちよ!」

男の声がする

まさか、ドラゴンに乗っているのか?

「今から、ここにいる者たち全員死んでもらう!!行け、魔物たちよ!!」


地響きとともに魔物たちが勢いよくこっちに向かってくる

数は百、二百・・・

いや、それ以上か

その中には、ブラックベアやポイズンタイガーなどの巨大な魔物も複数


そして、罪のない人たちを食い荒らしていく

「ぎゃああぁああ!!」

「助け・・・グフゥっ・・・」

「きゃああぁあああ!」


あたり一面が血の海と化す

地獄の2文字が相応しいほどになっていく


「いいぞ、いいぞ!!もっと暴れて食い散らかせ!!」

男は地面に降り立ち、ドラゴンに魔物たちが殺した人たちを食べさせる

惨い・・・

惨すぎる・・・


くそ、男はこんなことをして何がしたいんだ

目的は何だ!?


どうする?

戦うか?

いや、あの数と戦えるのか?


不安がよぎる

だけど、自分はSSSランクの冒険者

ここは、本気で戦ってみるしかない


「ワン!!」

すると、モフモフたちも心配そうに僕を見つめる

「お前たちは、どこか安全な場所へ逃げてくれ。ここは僕が何とか食い止める」

モフモフたちは嫌々と服を引っ張る

行かないでと言っているのか?

それとも・・・


「待てよ、エフィリアたちみたいに本契約できるかもしれない。お前たち、そこでじっとしてくれ」

僕は急いで本契約の魔法陣を石畳に書く

彼らを中に入るよう促し、魔力を注ぐ


あの時と同じようにまぶしい光が放たれる


収束すると

モフモフではなかった


フェンリルが2頭、ケルベロスが4頭、白虎が5頭、それに・・・赤い鳥が2羽・・・まさか

「ふぅー、本来の姿に戻れたぜ」

「小さいままだと行動しづらいしな」

「はいはい、愚痴はそこまで」

「今は、マスターと共にこの状況を打破すべきですよ」


「なぁ、そこの赤い鳥は・・・」

「見ての通り、フェニックスですよ」

不死鳥か

でも、何で彼らが僕についてきたんだ?

エフィリアたち同じことを言うのかな?

いや、この話は後だ


「マスター、我々はマスターと共に戦いたく存じます。何でも命じてください」

「お前たち・・・」

頼もしい・・

そうだ、エフィリアたちも呼ぼう

「エフィリア!!」

「はい、主!」

「お前と仲間たちは逃げ遅れている人たちの救護を頼みたいんだけど、いいか?」

「勿論です」

「よし、神獣たち。僕と一緒にあの魔物たちを殲滅するぞ!」

「「「「「おうっ!!!」」」」」



どうも、茂美坂 時治です

いい展開になってきました


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