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第23話 ついてくるのは・・・

朝食の時間、公爵様やシーナさんたちが集まる


「これをリーヴェル君が作ったというのか?」

マヨネーズの入った皿を注意深く見るムーリットさん

「本当に・・・これを?」

くどいな


「なら、そちらのブロッコリーに付けて食べてみてください」


ブロッコリーにつけたマヨネーズが気になっているのか口に運ぼうとしない

まだ疑ってるようだな


しばらくするうちに口に運んだ瞬間

「う、うますぎる~~~!!!」

部屋に響く


「何だこの独特の風味は!?何で今までにこんなうまいものが出てなかったんだ?」

「お父様、私も」

「ああ、食べてみなさい」


シーナさんもポイっと口に入れて

「~~~~~~~~~!!!」

涙をポロポロ流しながら感動している

そこまでなのか?


「素晴らしいアイデアよ、リーヴェル君!!これ、王都中に広めるべきだわ!!」

「だったら、国王陛下にも献上しないとな」

グイグイと推し進める二人


「それはいいとして、スープが冷めますよ」

「「あっ・・・」」


マヨネーズの味に浸り過ぎてか、スープがぬるくなってしまった

それだけじゃなく、焼き立てのパンやスクランブルエッグもだ


「少し興奮しすぎたようだ」

「反省・・・」


二人はそれらを口に含めていながらもマヨネーズに視線が行く

そんなに気に入ったのか?


「話は変わるけどリーヴェル君。この後王都を散策しない?」

「え?」

「だって、王都に来てからギルドの依頼に集中してたでしょ?なら、せっかくの機会だし私が王都を案内するわ」

確かに、シーナさんの言ってることは正論だ

まぁ、依頼完了の報告はそのあとにすれば問題ないだろう

多分・・・


「わかった」

「じゃ、決まりね」

「お、つまりはデートかな?」


「で、ででで、デートォ・・・!!?」

ムーリットさんの言葉を聞いたシーナさんが顔を真っ赤にして慌てふためく

「そ、そんなんじゃないから!」

「じゃあ、何だというんだ?」

「え、えっと・・・、それは・・・」

「思い浮かばないんだったら、デート以外ないだろ?」


デート・・・か

前世では一度もなかったな

というか、彼女いない歴25年だったし・・・

今は、そんなことを思い出してる場合じゃない!


朝食後、ムーリットさんに呼ばれて

「リーヴェル君、あの子のエスコート頼んだよ」

「勿論です」

「あとは、ホテルに連れて行ってイチャイチャしても構わんぞ」

「・・・あの、おたくの娘さんですよね?何でそんな話になるんですか?」

「何だ、気に入らないのか?」

「いえ、そうではなく・・・。僕が言いたいのは、節度がないのかという事です」

「そんなのあろうがなかろうが、私には関係ないことだ。全てはあの子次第だぞ」

何で、この世界の住人はこう・・・性欲というのかな・・・そういうのがもろに出るんだ?


着替え終わって玄関に行くと、おしゃれなワンピース姿のシーナさんが

き、綺麗だ・・・

思わず見とれてしまった


「あら、リーヴェル君。その格好で行くの?」

「だって、これしかなかったんだ・・・」

僕が着ている服は村で母さんに編んでもらったシャツと七分丈のズボン

それにちょっとボロい靴

確かに、シーナさんのようなお嬢様が見たら、相応しくないと思うんだろうな

「ちょっと、こっちに来て」

腕をつかまれてグイグイと引っ張られる

どこに連れて行くんだ?


着いた場所は、ムーリットさん夫妻の部屋だ

シーナさんがノックして入るとすぐに

「お父様、リーヴェル君の服をどうにかしてください」

「ちょ、リーヴェル君!?その格好で王都の散策はダメだよ!」

ムーリットさんがパンパンと手を鳴らして、

メイドさんが3人入ってくる

「お前たち、リーヴェル君の服作りのために採寸しなさい!」

「「「かしこまりました」」」

え、ここで・・・?


すぐにメイドさん達に囲まれ腕や胴体などを触られ、採寸される

下手したら、セクハラだ・・・


一人のメイドさんが、僕の股間を見て・・・って!!

「どこ見てるんですか!?」

「あ、すみません。てっきり、女の子かと・・・」

またこのフレーズだ

もう嫌だ・・・


採寸も終わり、メイドさんたちは魔法で服を仕上げていく

便利なものだな


そして、出来上がった服は・・・

「あの・・・、これって・・・どう見ても女・・・物ですよね?」

「そうよ」

「あの、僕が男だって分かってる?」

「分かってるから、こういう服にしたんじゃない」

意味が分からない

「なら、もういいです。さっさとギルドに言って依頼報告して報酬受け取ってきます!」

部屋を出ようにも、メイドさん達に止められる

「これを着てもらうわよ」

涎を垂らしながら、じりじりとシーナさんが近づく


「い、いやああああぁああああああ!!!」

僕の叫び声も虚しく着替えされられた


「うぅ・・・、何でこんな目に・・・?」

僕が着ているのは、水色のスカートに水色ストライプ柄の女物のシャツ、それに紺色のスニーカーに、黒のカチューシャ

どこからどう見ても女の子だ

自分の姿が憎い・・・


「なぁ、あの子可愛くね?」

「ほんと、この王都にいたっけ?」


王都を歩いていると、街行く人たちから見られる

あ、歩きづらい・・・

これじゃ、シーナさんのエスコートどころではない

逆に僕がストーカーにつけられそうだ


王都の中でも一番にぎわってるザーク地区

ここは、食料品や衣服、石材を売ってるいわば市場だ

「へぇ、こんなところがあるんだ」

「ここは、8番街。私たちも、買い物するときはよくこの通りを利用するの。他の通りは、商業用の会社が多いから、ここが一般的の人でも出入りしやすいわ。で、あの広いところがジャンティス広場。円状になってて通りも放射線状になってる」

なるほど、この造りだと商業で使う材料の調達がしやすい


「らっしゃい!!って、シーナちゃんやないか!元気にしてたか?」

「久しぶり、ブルーノさん」

「また可愛らしぃなって」

「もう、褒め上手なんだから」

「で、そこの嬢ちゃんは誰?」

じょ、嬢ちゃん!?

「ブルーノさん、この子男なの」

「へ?あんさん、男なんかいな。これはすんまへん」

ブルーノさん、何故か関西弁で喋ってるな

「で、今日は何の用や?」

「今日は、リーヴェル君に王都の案内をしてるの」

「リーヴェルって、あの、リーヴェル・ジェスナー君かいな!?」

「そう・・・ですけど」

「ここでその名前を呼ぶのはやめてあげて。ここの通りがパニックになるから」

「そ、そうやな・・・」

「じゃ、私たちはここで。また、帰りによると思うから」

「おう、いつでも待ってるで」


「何か、すごく仲良くしてたみたいだけど」

「ブルーノさんの店とはもう、100年以上取引してるから。たまに来ることもあるから」

「店を見たら、すごく野菜や肉が多く売ってたね」

「そうね、あの店は貴族御用達よ」

「え、すごいじゃないか」

「だから、私もあの人の気さくな言動は気に入ってるわ」

僕も同感だ


「それとは別に、誰かに後を付けられてるみたいだ。それも複数」

「え?」

シーナさんが振り返ってもそんな気配はないと返す

一度歩くのをやめてしばらく仁王立ちしても変化はない

歩き始めたら、また動く

これはまさしく


「誰に付けられてるの?」

「一か八かやってみるか」


歩いていると思わせて180度くるりと方向転換してその元へ近づく

そこにいたのは

猫5匹だ

しかも全部白猫だ


「ま、まさか。リーヴェル君に後を付けていたのって」

「この猫たちだな」


「ワンッ!」

後ろから犬の鳴き声が


振り返るとゴールデン・レトリバーが1匹、2匹と通りから出てきて近づいてくる

猫たちは、僕の膝やふくらはぎをスリスリしている

これは、挨拶か何かなのかな



犬たちも僕の方に来たら僕の顔をぺろぺろ舐める

「こ、こら。くすぐったいだろ」

「これは、すごい光景だわ・・・」

一瞬でモフモフ天国になった


「ピイッ」

今度は空から鳥の鳴き声が

左肩に乗ってきたのは青い鳥だ


「この、青い鳥って、まさか・・・」

「シーナさん知ってるの?」

「フィーナ・・・」

「フィーナ?どんな鳥なんだ?」

「神の使いとしてあがめられている鳥よ」

つまり、ドラゴン同様神聖視されてる生き物か

「こんな身近に、しかもリーヴェル君に近寄るなんて普通はあり得ないわ」

「ていうか、このモフモフな状態もあんまりないんじゃ・・・」

「そうね・・・。でも、リーヴェル君が魔法使ったという魔力反応はなかった。それはつまり、リーヴェル君自身が持つスキルかもね?」

「スキル?ギルドに登録したときはそんな項目出てなかったよ」

あるのは称号ぐらいだった

「そうなの?」

「うん、でも以前は簡易的な検査をしていたとマスターは言ってたよ。ていうか、シーナさん知らなかったの?」

「ギルドが重要視してるのは、その人の体力や、魔力、属性の適正ランクや魔物の討伐数ぐらいね。それ以外の詳細なことは関心がないわね」

「そうだったんだ・・・」

「これも、いい機会ね。3番街に鑑定眼を持った人が経営してる店があるから、行ってみましょう」

歩くと彼らも当然のように付いてくる

「リーヴェル君、人気者ね」

「いや、僕が呼びよせたんじゃないよ」

「分かってるわよ」


ジャンティス広場に来ると、すぐに違和感に気付く

「ねぇ、シーナさん。1番街だけ誰もいないんだけど」

「あ、そこは・・・」

「何か問題でも?」

「・・・」

1番街に近づくと何やら魚臭いにおいが・・・

「もしかして、原因は魚臭いにおい?」

シーナさんは頷く

でも、それだけで人が来ないというのはおかしいな


これは何かある


どうも、茂美坂 時治です

リーヴェル君、女装させられましたね

ちょっとその姿見てみたいかも・・・


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