ep14 魔王
Side ファシナシオン
この街の脅威は目の前のこの男。どこか魔王様と同じ雰囲気を感じる謎の男だ。私は魔王様が恐ろしい。私程度眠っていようが倒されると思えるほどの方だ。
だから。だからこそ、先に再起不能にしたはずだった。
なのになぜ。なぜこいつは立ち上がってきた。
「あぁ。 久方ぶりの空気だ。」
雰囲気も更に魔王様に近くなった。いや、魔王様とだけでは違う。私たちを殺しに来た時の魔王様に似ているのだ。
「あ、あなた。一体何者なのですか、?」
「あぁ? てめぇは誰だ?」
―恐ろしい。そして今の会話から分かった。こいつは先ほどのやつではない。姿形が同じだけの別の人物だ。
「おいお前。 ここはどこだ?」
「な、なぜ教えなければならないのですか」
「そうか。そうか。 それもそうだな。」
瞬間。私は死を感じた。
顔面のギリギリ当たらない場所。そこには拳があった。
「もう一度問おう。 ここはどこだ?」
「し、知らない。 私はこここ、この街を滅ぼしにきただけで、」
「そうか。 ご苦労。 礼に楽に殺してやろう。」
私は逃げようとした。だが、動かなかった。能力なんて物ではない。単純な威圧。それに起因する恐怖が私の体を凍りつかせた。
「ふっ。 次の生では我に見つからないといいな」
その言葉と共に私の視界は黒く染まった。
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Side 扇真?
久方ぶりに目覚めた世界。目の前には悪魔がいた。我は悪魔が嫌いだ。陰湿で、面倒臭い。そのくせしてただ殺すだけでは死なないところも面倒だ。まぁ我が殺るなら心配は要らないがな。
「さて、時代はどのくらい進んでいるのだろうな」
地上へ向かうためにもとりあえずこの牢から出たいのだが、この牢は面白いな。我の魔術を阻害している。先ほどの悪魔も魔術を直ぐに使わなかったあたり、使いにくくなっているのだろう。
「だが、我には関係ないな。」
我が力を使えば簡単に掌握できる。
しかしこの体…。あぁそうか。我は我ではない誰かになったのだな。
ならば一つこの体の持ち主を助けてやるのもいいかもしれないな。我はもう死に、新たな誰かになる。始めての経験だ。我は我を助けてやる。
さぁ、先ほどから体を取り替えそうとしているお前。返してやる。困ったことがあれば呼び出せ。ただ、願いには代償がつく。それだけは覚えておけ。
無償で助けるのはなんだが気に食わぬからな
作者のお話
この魔王と同じ雰囲気の新キャラ。扇真が少し前に「我ならどうかな」なんて言ってましたが、あの我とは別だったりします。正体は誰かというのはそのうち出てくるはずなので良ければ追っていっていただけると嬉しかったり嬉しかったり。




