ep1 世界の変わり目
―グギャァァァァァ
ちっ、うるせぇな。また来やがったのかあいつらは。早くこの戦いに終止符を打たなければ…
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遡ること数十世紀前。この世界には3種類の種族がいた。人類・魔族・使徒。人類は使徒に強く使徒は魔族に強く、そして魔族は人類に強い。三竦みの状態で攻めあぐねていた時、人類にある者が誕生した。それは『能力者』。能力者はこれまでの三竦みを破壊し、魔族も使徒も殲滅していった。それを危機と感じた魔族の軍師は使徒の王に協力を持ち掛ける。それを了承した使徒と魔族の連合軍は人類を逆に攻め、着実に減らしていった。だがその時使徒の裏切りが起こり魔族も数を減らす。そして大魔王の首を狙いにいった使徒の王は大魔王と相討ちとなり、人類が世界を支配。魔族と使徒は北と南にそれぞれ国を作り人類からの攻撃を耐えていたが王のいない2種族は耐えきれず陥落。そしてこの世界の戦いは終わった…はずだった。
使徒は天界に魔族は地界へ散り、数十世紀にわたり力を貯めていた。そして現代。遂に魔族は人類を滅ぼし天界へ向かうために侵攻を開始した…。
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「能力発動『魔身』」
俺は能力を使い脅威的な身体能力を得る。これは俺の中にある大魔王の魂から力を一時的に譲り受ける能力だ。集団戦が得意な訳ではないが地面を破壊するだけでも勝手に相手の1部隊が落ちてくれる。そのくらいの範囲を一撃で破壊する力だ。
「うわぁ、相変わらず派手に破壊するわねぇ」
「そうしないといけねぇからな」
今話しかけてきたやつが俺の同期「四条護香」。
紫髪で背が小学生くらいだからか声が高く物凄くわかりやすい。
聞いたところによるとどこかのお嬢様らしい。
「あんた今また私の背が低いとか考えなかった?」
「イヤ。カンガエテマセンヨ」
「いいわね貴方は。183cmだっけ?背が高くてね」
なんかバレかけたな。あっぶねぇー。あいつ怒ると普通に殺しかけてくるからな。
そういえば、俺の紹介がまだだったか。
俺は扇真。前世が大魔王、今世人間だ。そして俺は今住んでいる街を魔族から守っている。
おめぇも魔族だし大魔王だろって?あぁ俺は大魔王だ。だが俺自身は別に人類も使徒も殺せなんて言っていない。軍師に任せて俺自身は鍛練だけを重ねていたからなのか知らない間に魔族も使徒も減っていた。どうやら軍師が協力を持ち掛けた使徒に裏切られたらしいが。そして俺を殺しにきた使徒の王は殺した。だが、あいつが最期に放った魔導極致だったか?あれを受けてしまい死んだわけだ。
そして俺は転生した。今度は大魔王の力を失った人類だ。だが俺の魂が強かったからなのか能力を使うと大魔王時代に戻れる。この力を使いこの無意味な戦いに終止符を打つため仲間と魔族と戦争をしているわけだ。
「あ、今度はあっちからきたっぽいわ。先に行っとくから地面を直したら早くきてね」
そういって護香は西門へ向かった。
それにしても大魔王を攻撃してくるなんて魔族の風上にも置けねぇよなぁ。そんなやつらは言われた通り地中に埋めてしまおう。
「おいルナ。ここ埋めてくんね?」
「またですか。大魔王様。」
「仕方ないだろ。これが一番手っ取り早いんだからよ」
「私は楽じゃないのですけれどね」
今話したのがルナ。黒髪で目が小さく幼い外見をしている。護香よりは背が高いけどな。こいつは俺の大魔王時代の幹部だ。こいつも同じく転生したらしく唯一俺が大魔王だったことを知っている。
ルナは前世から自然を操るのが得意だった。だからか今世も地面を操る能力を手に入れている。俺の破壊した地面を直して貰えるからとても助かる。
「できましたよ大魔王様。」
「ごくろうだったな。後で何か買ってやろう」
「ならりんごをください。」
「わかった」
すごい満足気な顔をしている。本当にりんごが好きなんだな。
おっとそういえば西門に向かわなければならなかったんだった。さて向かうとするか。
「ルナ西門に向かうからこの辺りの防衛は任せた」
「わかりました大魔王様」
―その時の俺は知らなかった。まさか向かった先があんなことになっているとは…
作者のお話
設定を1から変えたんで新しいお話としてスタートです。多分続けていきます。多分ね




