第51話 仲直り
美羅はさっそく行動に移していった。
俺だってわかってる。夢子をこのまま放置するのは良くないって。
でも、俺にできることはどれだけあるのだろうか。
それが分からない以上、無責任に行動するのはだめだと思う。
だけど、美羅にとってはそれは許せないようだ。
それに、俺自身も夢子と関係が切れてしまうのは嫌だ。
だけど、
俺に何をしたらいいのか。それは全く分からない。
なんて言ったらきっとうそになってしまうだろう。俺だってわかっている。今から何をすればいいのか。
夢子とは話し合う場をまともに設けることなく、あんなことになってしまった。そこは悔いるところだろう。
「というわけで、二人で話し合って」
しかし、それにしてもこれははんば強引すぎるんじゃないだろうか。
何しろ、俺と夢子は向かい合って座っている。
あれから気まずかったとはいえ、流石にあら治療すぎる。
この状況で何を話せばいいのだろうか。
俺は息を吸う。
「夢子、すまない」
「謝らないで……」
夢子は言った。
「智也君の気持ちはわかるから……」
この状況で何を話せばいいのだろう。
俺に何が言えるのだろう。
誰か教えてほしいと、思ってしまう。
だけど、
夢子がしてほしいことは別に俺に謝ってほしいとかじゃないんじゃないか、
もしかして、今俺が夢子にしなければならないことって。
「悪いけど、俺は夢子じゃなくて、美羅を選んだ。だから、お前の事は彼女にしてやれねえ」
我ながら、なんてひどい物言いなんだろう。
まるで悪役だ。
「でも、俺はお前と友達としてやり直したい」
その言葉を聞いて、夢子が目を丸くした。
「そんなこと……していいの?」
「ああ、俺はまだ緑とは友達関係だしな」
別に浮気とかじゃない、と既に美羅から言われている。
「美羅は、重くないだろ?」
「前も言ったけど、二人きりはやめてほしいか案―って思うし、エッチなことはしないでほしいけど、基本的には構わないよ」
「だってさ。だからさ、また元の関係に戻ってほしい」
俺は言った。
「お前にそんな顔をしないでほしいんだ」
これはただの俺のエゴなのかもしれない。しかし、彼女にそんな深刻な顔をしてほしくない。
「大丈夫だ。俺はお前の事は好きだよ。悪いけどそれは友達として、ということになるけどな」
その言葉に彼女は静かにうなずいた。
「ありがとう」
そして、おずおずと返答が返された。
そして、俺たちは一緒にお出かけすることに決めた。
そこは、アスレチックだった。
俺たちは一緒に遊び尽くす。その中で、夢子の笑顔が見れた。その笑顔はまぶしいものだった。それを見て俺は少しホッとした。彼女の笑顔はまぶしく、前までの鬱々とした笑顔とは全然違うものだったからだ。
俺は美羅を選んだ。その選択を後悔する予定もつもりもない。
だけど、このみんなで過ごす時間が無くならないといいな、と俺は思うのだった。
そして、夏休み明けから夢子は学校でも笑顔になることが多くなってきた。
無理はしていないようだ。
この様子なら心配する必要はないなと、思った。
俺は夢子を選ばなかった。だけど、夢子を選んでくれる立派な男子も出てくるはずだ。
願わくば、その手伝いを俺もしたいと感じる。




