二十二戦目
*咲羅視点
大分駅が危機に瀕しているなんて情報貰っても困る。まるで私に討伐して来いって言ってるようにしか聞こえない。
「何故、私に報告するんですか?私にどうしろと言うのですか?」
「大分駅拠点を守るために作戦を立てるわ。新子さんには是非、参加して欲しいの。」
「私が参加しないって言ったら?」
「作戦は成り立たないわ。作戦だって100%安全な訳じゃない。むしろ死ぬ危険の方が高いわ。拒否権はあるけど、あなた以外にあのモンスター達を倒せる人はこの県にいないの。大分駅に集まるたくさんの人が死ぬわ。見殺しね。私は助けたい!!作戦は立てるけど、やるかやらないは新子さん次第。」
野崎先生は今、城址公園内ダンジョンにて作戦遂行中。最前線で戦っている事だろう。だからモンスターに対して討伐率の高い私にオファーが来たという事。
見殺しなんてハッキリ言わないで欲しい。
「先生卑怯よ。そんなの聞いたら断れる訳ないじゃない。」
「そうね。辛い仕事押し付けてごめんなさい。」
考えるまでもない。
「やります。」
「ありがとうございます!!」
冬月先生は深々と頭を下げる。
それに不満を持つのは綾香ちゃんだった。
「ちょっと待ってよ先生。咲羅ちゃんが死んじゃう!!」
先生に対して怒る綾香の肩を叩く。
「いいよ決めたもの、行くわ。」
「咲羅ちゃん!!」
綾香ちゃんは抱きついた。
「ごめんだけど激戦になる。刀返してもらうよ。」
「もちろんだけどさ、大丈夫?」
「ヘーキヘーキ。」
「本当かな?」
「本当だよ。」
「死なないでね。」
涙目の綾香から私の手に武器が渡る。
また光り、元の刀の形に姿を変えるのであった。
「姉御が参加するなら俺達も行きます。」
赤髪オールバックのヤンキーのリーダーが私の背後から声を掛ける。
見るとヤンキー達全員、うなづいていた。同じ気持ちのようだ。
ピンク髪のヤンキーが綾香ちゃんに突っかかる。
「田辺さんも作戦に参加するんだろ?」
「わ、私は戦えない・・・。」
尻込みする綾香ちゃんに冬月先生はストップを掛けた。
「田辺さんは戦闘要員じゃなくて救助要員よ。ヒーラーでしょう?なんで最前線に立たせようとしてるのかしら?戦闘要員は新子さんとヤンキー達ね。」
まあ、確かに。
「それならやります。」
「田辺さん、新子さん、ヤンキーの皆様。ご協力感謝致します!!」
冬月先生は律儀にも皆に頭を下げるもんだからヤンキー達は調子乗る。
「俺たち喧嘩ぐらいしか取り柄がないから。」なんて発言はまだ可愛い方。「作戦に成功したらデートしてください。」なんて紫の髪の奴が言うもんだから頭をこづいておいた。
「先生、誠意は伝わったからもういいって。作戦って?」
「その作戦なんだけど。」
作戦内容を聞いてビックリした。
まさか大分駅で会った自衛隊達と共同戦線を組む手筈になっている。
まずは私が一点突破して大分駅へのルートを確保しなければいけないのだけど。それが一番死亡率が高いと言う。
私は一度大分駅まで単身突入している。道中の敵などもう見知った相手だ。負けはしない自信がある。
ヤンキー達は私のすぐ後ろを護る。
これによって前の敵にのみ集中できる。
私が突破した後は学校の生徒たち、救護班が後を続く。
「これを見てほしいの。」
パソコンの画面にモンスターの画像が出ていた。
「モンスターの情報ですか!!」
「新子さん。全て頭に叩き込んで。主要モンスターはゴーレムよ。レベル45。弱点は打撃。胸の魔石を壊す事。」
「知ってる!遅れはとらないわ。」
「リザードマン。身体180センチ二足歩行。硬いウロコに覆われた爬虫類型のモンスター。レベル50盾とナイフを使う。弱点は首よ。魔石を狙って。」
これは知らないモンスター。
でも、モンスターの画像はホログラムのよう。まるで生きているかのように動いて攻撃モーションを教えてくれる。
「へぇ。覚えた!!次!!!」
「次にスライムジェネシス。レベル48。150センチの球体。ゼリー状。魔石を確実に砕かないと超高速で再生するわ。斬撃、もしくは炎で燃やす事。強力な酸を吐いたする。奴が通った後の地面は粘着質で、足が鉛のように遅くなるわ。」
「覚えた。次お願い!!」
そうやって、出てくる敵の10体ぐらいの情報を頭に入れる。
「先生、今回は一緒に行動しなさいとか言わないんだ。」
「言っても無視して突撃するでしょう。意味ないわ。」
「当然よ。行ってきます。」
「私達も後から合流する。気をつけて。くれぐれも無理しないで!!」
私はこくりとうなづいて「了解」と一声。飛び出すように出発するのだった。
その背後をヤンキー達が必死に追いかけてくる。
「姉御!!スピード早すぎです!!」
「え?準備運動程度なんだけど。」
「絶対嘘ですよ!!」
なんて悲鳴を背後で聞く。移動しながら私は戦いに備えてスキルを振っておく。
ステータスオープン!
魔女の末裔 レベル23
賢者 レベル20
剣聖 レベル18
HP 550
MP 520
STR 580
VIT 450
INT 550
MD 450
DEX 400
AGE 400
LUK 61
魔女の血 レベル16 アーティファクト攻撃力アップ。レベルに応じてMP消費ダウン。アーティファクトレベル4解放。先代の知恵解放。
マジックドレイン レベル11 吸収量アップ。エンチャントマジックの消費MPダウン 中級魔術解放。圧縮発動可能
自己再生 レベル6 回復量 30
精神統一 レベル7 回復量 35
剣聖スキル ソードマスタリーレベル6 剣聖スキルを習得する。刃物装備時、装備適正値が5%アップ
剛力 レベル2 気を操り物理攻撃力をアップさせる。
覇気 レベル1 相手を萎縮させる
賢者スキル 叡智 レベル6 魔術を極める為の知恵を与えてくれる。コントロールも上手くなる。 2つ同時に魔術発動可能。
まずは魔女の血のスキル。火力の要だし、良い事が起こるスキルでもある。鍛えておいて損はないスキルだ。
12から16へ上げる事で先代の知恵ってものが発生した。なんだろう。
前から思ってたけど、魔女の鎌の基礎攻撃力もこのスキルによって上昇してる。だよね。
マジックドレインスキルを8から11に。私はこのスキル、特殊な魔法を撃てる事から必殺技ゲージって感覚。全ての魔法、風属性ならぬ魔女属性っていう属性の魔法。圧縮発動が増えた。任意で発動範囲を集中し威力を爆上げ出来る。
ソードマスタリーを上げる事で派生が出来た。覇気を飛ばせる。剣聖スキルってMP消費ないのが良い。気を使うのかな。
剛力は特殊条件下で覚えたスキルだけどレベル2に振っておいた。攻撃力アップかな。
精神統一も上げておいた。自己再生も同様にレベル6になったときの変化がわからない。なんだろう。今までのスキルだったら何かしらの変化があったのに。多分気付いてないだけ。
よし、残りのスキルポイントはないか確認して。
確認している最中だった。
大分駅までまだまだ距離はあるのに昨日と同じくゴーレムが街を歩いていた。
「あ、姉御。あ、あ、あ、あれはちょっと・・・やばいっす!!」
びびる青髪に私は安心させる。
「あんた達の相手は私の後ろから来るゴブリン。お願いね。」
「まさか、あの怪物を。」
「1人でやるから邪魔しないでね。」
そう言って神経を研ぎ澄ます。
私は準備を施す。
「アーティファクトレベル3 剛力発動!ステータス強化!」
魔法でバフを盛って準備を整えると、ゴーレムに向けてエアロブーストで懐へ飛び込んだ!
胸を一突き!!
「ゴォぉぉぉアアあ!!」
怯むゴーレムの呻き声がうるさい!!
今の攻撃によりマジックドレインが発動、MP50奪い取った。
以前に比べて一撃で奪う魔力の量が違う。つまり発動出来る魔属性攻撃の回数がかなり違うという事だ。
弱点のカタスエクスプロージョンが撃ち放題という話。
油断している訳ではないが怯みながらも私を殴り付けてくるアイアンゴーレムに私は対応。
空振ったその拳が地面に叩きつけられ大地が揺れる。大きな地震が起きたのかと勘違いしそうになる。
滞空したいる私には地震なんて関係ない。隙だらけと言わずなんと言う。
私は畳み掛けるように剣を振り上げ、3度連続で突きを放つ。
やはり硬い、ダメージは大して無いだろう。しかしそれに術を付与すればどうだろうか?
「カタスエクスプロージョン圧縮発動。」
大きな爆発はない。でも胸から黒い煙を噴き上げながら転倒。
起き上がろうとするゴーレムに距離を詰め、滅多刺しにする!!
これって、無双モードに入った?奪う魔力の量が多過ぎて節約する必要がないんだけど!!
カタスエクスプロージョンを付与する。付与する。遠慮など要らない。これがスキルレベルアップの恩恵。
爆発の火種を身体の深部に連続して植え付ける。
5度刺して私は嫌な予感が私を襲う。
敵は必殺の構えを取った。このモーションは既に見ている。即死スキルの放電が来る!!
「知ってるから余裕ね。」
ワンステップで飛び退いた。同時に時限爆弾のように植え付けたカタスエクスプロージョンを起動。
圧縮発動により、ゴーレムの皮膚が膨張する。カタスエクスプロージョンの火種が10箇所同時に膨れ上がるもんだから連鎖爆発を起こす。
ーーえ?同じ技?
連鎖爆発がやばい。もはや別次元の強さだ。
簡単には傷が付かないゴーレムの胸に大炎上のもと、再生不能の大穴が空いた。
<魔女の血のレベルが上がりました>×4
<剣聖のレベルが上がりました>×6
<賢者のレベルが上がりました>×6
ハッキリ言って手応えが無い!!
経験値美味しい!!
倒すまでにもう2回ほど剣を交えるつもりでいた為、肩透かしもいいところだ。
ボーっと魔石に変わるゴーレムを見つめていた。
「姉御、チート過ぎる!!」
「まさに神!!」
ヤンキー達の言葉で我に返る。
私は先程まで空中戦をしていて今、浮遊感の中にいる。
つまり私は自由落下しているのだ。着地の事を完全に忘れていた!!
魔法を展開する時間は無い。身体を捻り背面身体はなく足から地面に降り立った。
7メートルの高さからの魔法無しのダイレクト着地。本来なら複雑骨折もあり得る話だが怪我が無い。
本気で思う・・・ステータスの力は偉大である。
まぁ足が痺れて涙目になるのだけど。
「アンタ達、怪我は無い?」
「姉さんこそ大丈夫ですか?」
「余裕。レベル上がったし、次からもっと楽になるよ。」
「なんすかそれ!!どっちがモンスターか分からないじゃないっすか!!」
「なんですって!?」
青髪の男をキィっと睨む。
「ごめんなさい!!」
ともあれ、昨日と今日でこんなにも大変さが違うなんて思わなかった。
レベルアップによるステータスアップも余裕に繋がったのだが、それ以上にカタスエクスプロージョンの圧縮発動の恩恵が凄過ぎる。
スキルポイントを振った結果がこれだ。狩りの時間が大幅に短縮されている。
ぶっちゃけ苦戦しなかったな。
私はマジックドレインのスキルを11から16まで上げる。
魔力交換取得。
魔力交換とは・・・咲羅自身のMPを魔女の鎌へ移動出来る。逆も可能。
なるほど。暇な時にひたすら精神統一して刀にMP移動させておけば戦闘楽そうだ。
スキルポイント残2
続いて、リザードマンと遭遇する。2メートル越えのトカゲ男は近くで見ると圧倒される。
150センチの私にとって1.5倍の身長差。
盾と槍を持ち、まるで綾香ちゃんのようなスタイルをキープ。
この手のモンスターの攻略はこれだ。
速さ重視の強化魔法をかけ私は駆け出した。走り寄りながらまずは魔法で牽制。
「エアロストーム!!」
私の右手から真空波が飛び出す。
線状のものがトカゲに伸びるが難なく盾でガードされる。
予想通り、これは防がせるのが目的、本命は次だ。
懐に飛び込んだ。急所目がけて抜刀斬りの一閃!!
リザードマンのガードが上がる。万歳した盾を剛力のスキルを込めて込めて蹴り上げた!!
剛力は防御力を貫通する。衝撃が防御を突破し、衝撃に耐えかねたリザードマンの盾が飛ぶ。
リザードマンは逆上した。
槍が放たれるが、私はそれを回避。
突き、薙ぎ払いで反撃し後ろに飛んだ。
間合いは開く。
大きく一歩踏み出す。しかし相手は引きながら槍を回す。
鞭のように私を襲う。
私が引けば大きく一歩を踏み出して強烈な突きがくる。
相手のペース。
さすが槍の使い手、剣だとリーチが足りずに苦戦する。なかなか私の間合いで戦えない。
ただのモンスターだと思っていたらなかなかの槍の名手である。
「お主、何者だ!その剣術、もしやスサノオの者か?」
流暢な日本語である。
そんな名のご先祖様は知りません。
確か関西の方に祀られてる神社があったような。
「知らない。大昔の先祖だし。多分日本人大半は縁があるとおもう。」
なんの記憶だろう。
突然脳裏に知らない侍の映像が浮かんでくる。
昔、名を残すような剣豪がこの刀を振るっていた。
それぞれには技があり一つの技を編み出す背景に数々の厳しい修行があった。
この剣豪は後に魔女と結婚し、子孫を残した。
「幻影刃。」
歩きかたにコツがいる。強弱つけてすり足で移動する事で私が2人、3人に見えるらしい。
剣聖スキル、多重連撃を添えて。
初ダメージを肩に与えた。
「急に妙な術を使う。」
「私も初めて使った。まだまだ行くよ!」
これは、とある集落の民族舞踊だ。
「百花繚乱」
流れるように槍を捌き、懐に入ると攻撃の激しさが増す。
荒れ狂う乱舞の剣。
強烈な足払い、回転攻撃、サマーソルト。
剛力、カタスエクスプロージョン、多重連撃などところどころに散りばめ体制を整える暇を与えない。
3回転半の遠心力による横凪のフィニッシュで首を刎ねた。
<魔女の血のレベルが上がりました>×2
<剣聖のレベルが上がりました>×3
<賢者のレベルが上がりました>×3
なんか1つ1つに技名があるなんて少年漫画じゃあるまいし。一体誰が得するの?
ああ〜〜。もう黒歴史か!!恥ずかしい。やってられるか!!このご先祖様の厨二病!!!
リザードマンは剣と盾をドロップした。盾は私が持っておく。制服のリボンを外し、背中に縛って固定する。
「アンタ達、これを持ってて。」
剣はヤンキー達に手渡した。
「姉御凄いです!!」
「姉御!頑張って下さい!!」
応援をくれるヤンキー達もただ私を見守ってくれてる訳では無い。
私がレベル40越えのモンスター達とタイマン張らせて貰ってるのも背後をヤンキー達が守ってくれてるお陰だ。
ゴブリンメイジ、ゴブリンアーチャーとか本気で面倒だ。
それを相手にしてくれてるだけでも攻略スピードが全然違う。
「みんな、ありがとう。」
「姉御、気を抜くのは早いです。巨大なゼリーが目の前にいます。」
「知ってる。」
スライムジェネシスだ。
コイツは魔石がでかい。
弱点を知ってて良かった。
最初は5分、10分と時間が取られる戦闘ではあったが、慣れてくればもう1体1分で処理が可能になっていた。
駅に近づくほど敵の数が多くなる。
リザードマンと2対1になった時、一瞬死を覚悟したが。
アーティファクトのレベルもMAX3から更に上のランクを解放する事に成功。
全MPの80%消費。その攻撃力がどんなものか、私は想像したいなかった。
2対1で私が不利なのに、その刀の魔力に魅了された私はリザードマンの盾に試し切り。
あまりの攻撃力に敵の耐久力が紙切れになった。
盾ごと敵を真っ二つに切り裂いたのだった!!
「姉御がチートになった。」
「うるさい!!」
その後、10分間咲羅無双が開始されるのだった。
魔力変換のお陰でカタスエクスプロージョンに使う魔力を私のMPに補填。僅か5分で私のMPはMAXまで回復してしまう。
あの頑丈なゴーレムが、剛力無しで豆腐のように切れる。
スライムジェネシスは遠距離から魔術で一掃。
乱戦は続く。
敵を倒しながらようやく大分駅へと到着した。
戦車が4基、大破している。私の生存本能が警笛を鳴らしている。
「ヤンキー達、大分駅内の様子を見て来て!!」
「しかし姉御の護りは!?」
「アンタ達を巻き込んでしまうから危険なのよ!!早く行って!!」
ヤンキー達を囃し立てるように追い払う。
身長7メートルの巨体の青色のゴーレム。
アイアンゴーレムの上位種だ。アイアンゴーレムには指弾というスキルがあった。上位種ならどんなスキルを持っているか?あのようなスキルを使われたらヤンキー達の命は無い。
よく見ると青いゴーレムは誰かと戦っていた。
自衛官の女の子だ。
傷だらけで、地面を這いずるように攻撃を躱している。かなり危険な状況だ。その子の震える声が聞こえる。
「応援ありがとうございます。電話で話してた冬月さんですか?」
そう私に声を掛けながら女の子は砲撃を続ける。青いゴーレムから視線を離せない。見て分かる、既に限界だった。
「それはうちの先生です。五反さん、昨日ぶりです。」
「昨日ぶりって・・・貴方はまさか!!」
敵意をこちらに向ける為、モンスターに向けて覇気を飛ばす!!
これを威嚇ともいう。
青いゴーレムはゆっくりと振り向いてこちらを見た。
更に継続して最大限に気を込める。警戒心を高めてくれたらオッケーだ。
魔力も込める。アーティファクトレベル4解放。
後は私に襲いかかってくるのを待つだけ!!
青いゴーレムは私に視線を向けながら、攻撃は自衛官達へと向けられる。戦車を蹴り上げた!!
大破した鉄の塊が宙を舞う。
「そっちに行くな!!」
私は叫ぶ!!同時に発動した遠距離攻撃魔法エアロブラストは青いゴーレムの胸を抉る。
「ギィィイイ。」と錆び付いた車輪のような音を上げながら青いゴーレムは身体をこちらに向ける。
ようやく敵意は私を向いた。距離が離れている為か青いゴーレムは指をこちらに向ける。
ーー指弾だ!!
弾というのは生優しい。大砲のように大岩がこちらに飛んでくるのだ。擦れば一溜りもないその攻撃に臆する事なくギリギリで避ける。
私は敢えて気配を消した。
それからの絶影!!
青いゴーレムはキョロキョロと周囲を見渡した。私の姿を一瞬見失なったのだ。
予定通り。今ならこれが使える!!
敵を見失う・・・その一瞬が戦場では命取りだ。
私の刀の一閃が、青いゴーレムを貫いた。
絶影はスキルではなく武器に染み込まれていた長年のただの剣技である。
スキルじゃないからと言って侮っていたわたしはビックリした。
ゲーム的にいえばこれ確定クリティカルではないか!!
鋼鉄の防御を誇るゴーレムの亜種の装甲が削れて落ちるもんだから私は興奮を抑えきれないのだった。




