家族編
次の日の朝、8時前に目が覚める。
何やら下で騒がしい声が聞こえる。それで目覚めたようだ。
「何かあったのか?」
そう思いながら、春は下に向かう。下に向かうにつれて声が大きくなっていく。
「ねぇ!お姉ちゃん!!私言ったよね!!朝トイレに長居しないでって!!」
「うるさい!私はトイレにいる時間が好きなのだ!!私が入る前に秋香が入ればいいだけの話ではないか!!」
「はぁ〜〜〜!!あったまに来た!!もう知らない!!お姉ちゃんの朝ごはん今後一切作りません!!!」
「えっ...それはちょっと...」
「謝っても許しません!!!私もう本当に知らないから!!」
「母よ!!助けてくれ!!私の朝ごはんがなくなってしまう!!!」
「嫌よ、あなたが悪いでしょ。毎朝毎朝トイレ長居して助ける義理もないわ」
そんな喧騒が聞こえる中で春がリビングに降臨した。
「どうしたのみんな?」
眠い目をこすりながら問う
「春!!助けてくれ!!秋香がこれから私の朝食を作ってくれないんだ!いじめてくる!」
「え?そうなの?」
「ち、違うよ!!!お姉ちゃんが毎朝トイレに長居して迷惑だから最終手段をとったの!ねぇお母さん!」
「そうよ春くん、この姉さんは毎朝みーんなに迷惑をかけているの」
「夏希お姉ちゃん...」
(居たなーこういう人、朝から本当に長居する人漫画読んだり携帯いじったり、用を済ましたのに何故か居座っちゃう人。父さんがよくやって母さんに怒られていたな)
「だ、だってなんか居心地いいから.....」
「あのさ、なんで2階のトイレ使わないの?」
「「「えっ!?」」」
「えっ、てなんで2階の使わないの?2つもあるんだから使っていいでしょうに」
「春くんが使わないでくれって言ったから...」
「.......。それって記憶がなくなる前の俺だよね?これから使っていいよ。何も気にしないしシャワールームも使用して大丈夫!そもそも俺が金出してつけたわけじゃないんだろうから」
「お兄ちゃん...。ありがとう!このアホ姉のこと気にしないでトイレできるのありがたいよ!!これから使わせてもらうね!」
「春くん本当に優しくなっちゃって...」
秋香とお母さんが嬉し泣きしている。
夏希お姉ちゃんはというと
「ふむ、これも私がここを長居して使用していたからの結果だな。春よありがとう。これから使わせてもらう」
「ちょっとお姉ちゃんポジティブにも程があるよ。今日の晩御飯自分で用意してね。少し反省して」
「そうね。夏希は最近調子に乗っているし今日の晩御飯代も自分で用意しなさい。」
「えぇ...春、これは私が悪いのか...」
「ふふ、うん、悪いと思う」
微笑みながら夏希お姉ちゃんに言う。
「...ふむ、その笑顔が見れたのなら晩御飯など軽い罰だ。」
「それよりみんなは今日家にいないの?」
「えぇ、お母さんは仕事で夕方までは帰って来れないかな」
「お兄ちゃん私は学校で部活もあるから遅くなるかも...」
「夏希お姉ちゃんは?」
「うむ、私も大学に行かなければならない。15時まで帰ってこないだろうな」
「そっかぁ...1人かぁ...」
「大丈夫よ春くん、何かあったらすぐに防犯会社に連絡が行き3分程度で駆けつけてくるから!」
「お兄ちゃん、寂しかったら私に連絡ちょうだい!すぐに返すから!」
「春よ、大学に一緒に行くか?」
「「だめ!!」」
「じ、冗談だ」
「今度行きたいかな...。うんわかった。お留守番してるね。勉強もしないとだし」
「春くん無茶しちゃダメよ。何かあったらすぐ連絡ね!」
「うんお兄ちゃんすぐ連絡してね!」
家族との話を終えて1人リビングでノーパソをいじりながらテレビを見ていた。
白鷹学園の過去問だとか範囲になるだろう箇所を満遍なく見ていたがあることに気づいた。
「これ、前世と同じスペックの体かも知れない。」
つまり天才だということ。
見ただけで理解出来る、というか数学、理科、英語、国語など前世とほぼ変わりがないので勉強することなくできる。社会、歴史については学び直しだ。全く変わっている。昔から女中心で男は少ない。歴史など特に興味深い。男をめぐって戦争だとか、男の数で先進国が決まるだとか笑えてくるようなことばかりだった。
勉強はほぼ完璧だったのでしなくていいと判断した。どうせ男だ。男に甘い世界だ。ある程度の点数なら受かるのだろうと予想した。
勉強など時間の無駄だと判断し他のことに集中した。それが政策について
男女比が1:100などこの世界なら普通なのだろうが俺からしたら前代未聞。どういう風な政策をしているのか気になって仕方がない。
ーーーーーーーーーーーーーー
色々調べてわかったが、一夫多妻は認められているらしい。それに驚いたのが近親婚がOKになっていること。そもそも遺伝子の作りが前の世界と少し異なるらしく問題は無いらしい。
はるか昔から近親相姦で問題を解決していたところもあるらしく体がそれに対応できるようになったのだろう。それに現代だと男側が知らない女より知ってる家族の女の方がいいとかで。
なんだそりゃ色んな女の子は侍らせろよと思うが俺としては好都合。興味が無いのなら興味のある俺が楽しもう。
PCをとじ、部屋中を歩き回る。最終的にリビングが1番落ち着くところだと判断しソファの上で体育座りでクッションを抱きながらテレビを見る。
時刻は12時、お腹がすいてきた。ソファから離れてキッチンに向かう。冷蔵庫を開けるとそこにはケーキがあった。箱に1つだけショートケーキが入っていた。春はなんの躊躇いもなくカフェオレとケーキを持ってリビングに行く。
動画サイトで何か面白いものはないかと漁りながらケーキを食べる。
この世界でもケーキはケーキらしい。普通に美味しい。甘すぎないところがポイント!美味しくてどんどん口に運んでいく。口の水分が取られたのでカフェオレを飲む。最高の相性。目を輝かせながら笑顔になる。
食べ終えていい感じに眠くなる。ソファに横になるとすぐに睡魔が襲ってきた。
春ダウン
ーーーーーーーーーーーーーー
夏希視点
私には可愛い可愛い弟がいる。それはもう本当に可愛い。女も男も虜になる美貌の持ち主で全世界理想の低身長美少年だ。さらに優しいと来ている。神様は春のことがとても好きなのだと理解できる。
今日も朝から春の可愛い笑顔を見ることが出来た。秋香と口論をしていて始めてよかったと思えた時だった。
そんなこと思っていると春が「みんなは今日家にいないの?」なんて言う。残念ながら春以外みんな外出予定だ。寂しそうな顔をしている春を見ると大学なんか行きたいと思わない。守ってあげたい庇護欲が溢れてしまう。
だが、大学に行くことは必須だ。今日は提出しないといけないものがある。寂しそうな顔をした春に見送られ家をあとにした。
ーーーーーーー
大学での予定を終わらせ早歩きとタクシーを使い最速で家に着いた。
鍵を開け、扉を開け、扉を閉め、鍵を閉める。靴を脱ぎ、揃えて早歩きでリビングにむかう。
「ただいま帰った!!」
私がそう言う、返事が返ってこなくて頭の上に?が浮かんだがそれがすぐに解決した。
どうやら春がソファで丸くなって寝ていたので。
「はあぁぁぁぁ...なんて可愛いのだ...こんなの!こんなの我慢できるのは私たち家族だけではないか!!!」
興奮する自分を抑え、春の隣に行き頭を撫でる。
「ん...ふ...」
と声を出す春。その顔はどこか気持ちよさそうだった。
「はぁ、幸せだ。昔から決めていたが改めて、私は絶対に春を幸せにする。絶対に絶対にだ。」
春のサラサラした髪を撫でながらそう口に出す。春の隣で横になると春の心地のいい匂いと抱いた時の幸福感で睡魔が襲いかかってくる。
意識を刈りとるなど睡魔からしたら容易い問題だった。




