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カフェで調べもの

 カラトさん、カラトさんがいない。


 きっと、もう探してくれない。


 悲しい、そして寂しい。


 ネックレスの落ちる音がした。


 ネックレスのタグにはダストテンダーの文字。


 きっと、ネックレスの持ち主はカラトさんの大事なひと。



 コト、カタン、という音が聞こえて目を覚ます。



「目覚ましたかい。いま紅茶を入れなおしたよ」

「ごめんなさい。寝ていたみたい。いま何時ですか」

「十五時半くらいかなぁ」

「もう少しで十六時ですか。寝てました」

「そうだね、おはよう」

「ありがとうございます、紅茶。温かい」


 先ほど、店内にいたお客様は帰ってしまったらしい。

 店内は、静かでBGMが心地よく響いている。

 周りのひとはいなく、今日はお客様が少ないのだろうか。


「いつもこんなもんだよ」


 マユがきくまえに言われてしまった。


「少し話せますか」

「じゃ、食器の片付け終わってからね」


 カチャカチャと、流し台を使う音が聞こえてくる。


 少し待っていると、店員さんは、自分のコーヒーを入れて、同じテーブルの椅子に座る。


「話しはまとまったかい」

「いいえ、まだ……」

「でも、身体は暖かくなりました。ありがとうございます」


 タオルを返すことにする。


「雨は止んだみたいだね」

「はい」

「それで、修理のことだけどね」

「はい、どうぞ」

「修理用アプリをダウンロードしたいところだけど、エラーばかりでね」

「預かって、一日二日(いちにちふつか)はかけないといけないようだ」

「そうですか」

「泊まるところとかは探してみるかい」

「はい、何日か分くらいなら、手持ちでなんとかします」

「それで……」

「はい」

「よければ、時間移動について、教えてもらえると嬉しい」

「どの辺の話しでしょうか。どこまで話していいやら」

「きみがいる、ダストテンダーについてだよ」

「それなら」

「カラト店長は何かを探しているらしい。その何かは、ひと探しだけじゃないときくけど、何だろう」

「どうして、カラトさんのことを知りたいのですか」

「ここ数年、時間移動は不安定だ。そのなかでも、公園地帯は、すぐにサークルが閉じられてしまう」

「おそらく、始めにエラーしだしたサークルゲートが影響しているはず」

「その調査に、何が関わっているのだろうか」


 少しわたしはいい淀む。

 正確なところは話せない。

 わたしもまだ途中だ。


「言えるのは、行方知らずのかたを探しているのと、不安定なサークル同士は、互いに影響するようです」

「そうなのか」

「たぶん、次に向かう場所のものは、さらに不安定らしいです」

「時間管理者にも何かいわれて行動しているのかな」

「そうみたいです」

「そうか……それでテンダーさんは、よく休みをとっているんだね」

「そうなのですか」

「ときどき電話をかけても留守ばかりで、出向いてもいないこともある」

「きっとこの二年くらいは、うまくいっていないのだろう」

「そうなんですね」


 少しカラトさんが心配になる。


「わかりました」

「もう少ししたら、トケルンは預けて、明日くることにします」

「それまではどうするの」

「とりあえずこちらで、サンドイッチでも食べて夕食ゆっくりします。あとは、連絡待ちをしてみますね」

「わかりました。じゃ、また気になることあったら、声かけてね」

「はい」


 入れなおしてくれた、紅茶を飲んだり、雑誌に目を通したりしていると、サンドイッチが運ばれてきた。


 紅茶の追加を頼んでみると、すぐに交換してくれた。

 時間は十六時すぎ。

 あとはカラトさんからの連絡を待ってみて、連絡来ないなら、漫喫で夜過ごそう。


 トケルンを預けておくと、腕が寂しく感じてしまう。

 サンドイッチを食べて、紅茶を飲み、十七時近くなってから、スマホで近くの漫画喫茶を検索する。

 幸い一時間かければ、たどりつけそうな場所だ。



 お会計をしにいくと、修理あるから、紅茶はサービスだよ、といわれる。


「ありがとうございます!」


 サンドイッチ代金だけで済んでしまった。



 外の雨はもう止んでいる。

 扉を開けて、漫画喫茶までの道のりを歩く。

 ふと自分の家まで戻ろうかと思うが、三年後であることを思い出すと、どこまで自信をもって行動すればよいのか、迷う。



 漫画喫茶について、ひとり六時間パックではいる。

 深夜にまた、チェックインしなおそう。

 カラトさんからの連絡はないままだ。


 席に案内されて、ハーッとため息をつく。

 もう一度、カラトさんにも電話をかけてみよう。


「もしもし……」

「もし……」

「よかった。つながったぁ、カラトさんあの!」

「きみは、三年前のきみだね。キーホルダーをみつけたよ」

「よかった」

「出かける用事があり、さっきまででていたんだ」

「閉店作業するときに、留守電に気づいたんだ」

「そうですか」

「いまはどこに」

「いまは、駅から少し離れた漫画喫茶にいます」

「そう、移動に関しては?」

「いまはトケルンを修理中です。ダストグラスにいきました」

「そうなんだね。

「それで、これから、どうすればいいですか」

「わかった。とりあえず今日はそのままゆっくりしていて」

「トケルンを明日回収して、それ次第で、次の作戦だろう」

「わかりました。彼女の部屋によるかは、そのときに」

「連絡ついて良かった」

「……他に変わったことは」

「あの、ダストグラスさんにカラトさんのこと少し話してみました」

「そうなのか。大丈夫、心配いらないよ」

「それに、この調査で少し妖精に近づいているかもしれない」

「そうなの」

「また明日話そう」

「わかりました」

「じゃ」


 こうして、電話を終了する。

 カラトさんに電話が繋がり、ほっとした。

 あとは、漫画喫茶でゆっくりしていいらしい。


「よかった」


 それにしても、三年経つと、カラトさんも少し変わっているらしい。

 少し渋い感じがある。


 でも気のせいかも。



 せっかく漫画喫茶なのだから、インターネットが繋がる席に要望をだす。

 移動してもらい、パソコンのインターネットでも調べものをして過ごす。

 もちろん、時間移動と妖精についてだ。

 時間や移動の項目、ダストを改めて調べてみる。



 時間移動

 タイムシフト

 タイムムーヴ。



 検索してみるも、いずれも内容は映画やドラマ、アニメ映画で有名になったような内容がほとんどだ。

 なかには、家電の機能や漫画の項目もでてくる。


 続いてダストを検索する。

 すると、ダストタイム社についての項目をみつける。

 内容は、店長に聞いた内容と一緒だが、誰が書き込んでいるのだろうか。



 ダストタイム社、時間管理を一括でおこなう組織。

 十年に一度時間管理者が集まり、申請をうけつける会合がある。

 詳細は、ダスト屋まで。



 親切にも、ダスト屋の紹介もでてくる。

 この付近のダスト屋は三件。

 他にも離れてみれば、けっこう数はあるらしい。

 ここ数年でできたお店ばかりのようだ。

 ダストテンダーは、こうしてみると古いお店の部類かもしれない。


 ほかには、それぞれのダスト屋へのいきかたの地図や特長がまとめられているサイトらしい。


「こうしてみると、未来の情報が少しでも書き足されているのは、ほかにも、わたしみたいな事情があって、探しているのかもしれないなぁ」


 ほかには、行方不明のひと探しかたや、金属の疲労度合い、錆びなど、少し調べてみるも、あまり参考になる情報にはあたらなかった。


「はぁ。あとは、自力できいて回るかなぁ」



 時刻は二十時を過ぎている。

 早めに夕食にして、あとは、もう少し調べものをしたら、仮眠しよう。


 一度、二四時には起こしてもらって、精算して入りなおしだな。

 このあとは、メニューをみて、食事を注文する。

 夕食にしたあと、調べものをしているうちに、ウトウトしかけて、仮眠することにした。



 時刻は、二四時手前。

 コンコンコン、という音で目を覚ます。



「精算しますか」

「はい、お願いします」


 前もって、スタッフに説明しといてよかった。

 起こしてくれた。


 フロントにいき、いまいる席の精算をして、再び九時間パックで入りなおすことにした。


「朝、起こしてもらうことってできますか」

「朝、それでは声かけだけしますね」

「お願いします。ありがとうございます」

「親切だなぁ。このお店気に入った」


 このお店はいいお店だなぁ。

 今度またこようって思っている。



 ドリンクバーで、温かい飲みものにしようと、ホットの紅茶をいれて、自分の席まで戻る。

 そのあと紅茶を飲んで、ブランケットをフロントで借りて、本格的に寝入ることにする。

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