姉姫の決意
さて、ゲームの事は大体整理出来た。しかし、何故ここでゲームの内容を整理していたのか、その理由が1番大切なポイントなのだ。
私が転生した世界。それがまさしくこのゲームの世界とそっくり……な気がするからだ。
1番の根拠。悪役令嬢アンジェリーヌ。
さらりと流れる蒼色のストレートロングヘア。ゲームでは縦ロールだったが、どこかのシーンで見たアンジェリーヌはストレートだった。
そして、少々つり上がった紫色の瞳に、紅色がよく映える唇、白く滑らかな肌に、恐るべきプロポーション。大変な美人である。
その悪役令嬢だが、私の双子の妹と一致するのだ。まだ5歳に満たない妹は、幼い顔立ちでありながらも、その悪役令嬢を彷彿とさせる顔立ちをしている。
『アンジェリーヌ・ステュアート』と言う名前も、公爵令嬢という立場も同じ。
2つ上の兄と、双子の姉がいると言う兄弟構成も同じである。
さて、ここでさらなる問題が浮かんでくる。
双子の妹ということは、私はその姉なのである。
そう、悪役令嬢の姉姫なのだ。つまり、このままだと病気で死する運命にある。
ぽふん。私は無言で枕を叩いた。間の抜けた音がした。
今世でまで病死なんて嫌だ。今世も家族を悲しませる?周りの人達を悲しませる?
もちろんヒロインからしたら、私が死なないと進まないストーリーもあるだろう。でも、今の私にとってこの世界は現実だ。
死にたくない。今世こそ楽しく生きたい。そして可愛い妹に悲しい思いなんてさせない!
必死に姉姫の存在を繋ぎ止めようとした悪役令嬢は、幼馴染み達の心から姉姫を薄れさせ、自分の存在を大きくしようとするヒロインが恐ろしかったのだろう。
きっと脅えていたのだ。だから嫌がらせをした。出ていってと泣き叫んだ。その結果が、処刑か国外追放だ。
れなから聞いた、バットエンドの悪役令嬢の最後の言葉。言い残した事を聞かれた悪役令嬢は、『どうか、私の遺骨はお姉様の傍に』と言う。
姉姫のお墓の上に咲く花を、知らなかったとは言え、ヒロインに摘まれた事をずっと怒っていた悪役令嬢は、『そしてどうか…私のお墓の上にも花が咲いたら、お姉様のお花と一緒に詰んで飾っておいて欲しいわ』とヒロインに言い残して処刑される。
悪役令嬢としては、大好きな姉姫の傍に行けるので、国外追放よりも幸せなエンドなのだろう。
遺言といい、スチルもなのだが、とても高い人気を誇るシーンである。
だがしかし、絶対にそんなことにはさせない。
そのためにも明日から…いや、今日から! 私の健康作りを始めたいと思う。
枕ぽふぽふは作者もよくやります。楽しいです。おすすめします()
少しでも面白いと思って貰えたら、ブクマ、高評価、レビューや感想など反応いただけるとブリッジします(?)前回踊ると書いて、何踊りかという感想が来たのですが、喜びの舞(雨月 桜姫 作)を踊りました。ありがとうございました。