おとめげーむ
背中にベッドのふかふかが心地良い。さて、続きである。
前世を思い出したのまでは良いとしよう。問題は思い出した前世の記憶だ。
病気で入院していた私は、同じ病院に入院していた少女と仲良くなった。その子の名前はれな。元気いっぱいで病人とは思えないような明るい少女だった。
れなにはある趣味があったのだが、それが乙女ゲームだった。毎日のように内容を詳しく話してくれて…題名は覚えていなかったのだが、随分とキュンキュンさせてもらった覚えがある。
ストーリーとしてはとても王道。平民のヒロインが、悪役令嬢達による嫌がらせに屈することなく、攻略対象達を落としていくというものである。
しかし、作り込まれた美しいイラストや世界観、ストーリーの奥深さ等により、プレイヤー達から絶大な支持を得ていた。
中でも人気だったのが悪役令嬢の嫌がらせの理由だった。
悪役令嬢である、アンジェリーヌ・ステュアート。彼女は度々『お姉様』というキーワードを口にする。
今は亡き悪役令嬢の双子の姉姫。攻略対象達の心の傷や、抱えているものは全てその姉姫の死に繋がっているのだ。
メイン攻略対象である第2王子は、彼女の婚約者だった。初恋の人をなくした苦しみや、抱え込んだ責任感を解き、慰めることで攻略する。
悪役令嬢と姉姫の兄は、兄であるのに何も出来なかったと自分を責め、学園での最低限の時間を除いて引きこもってしまう。それを慰めて攻略。
ちなみに隠し攻略対象である、元姉姫の執事も慰める系らしいが、詳しいことはよく分からない。
それから宰相の息子。頭も顔も大変良いのだが、なかなかナルシストな厄介者だ。なんでも悪役令嬢の姉姫に褒められたところを、必死に守ろうとしたばかりにナルシスト化したという。
姉姫もきっと『そんなつもりじゃなかったわ』と嘆いている事だろう。本人の大事にしている部分を褒めつつ、他のいい所を教える事で攻略する。
それから騎士団長の息子。誰よりも守りたかった対象が居なくなって、抜け殻のようになってしまった彼については、守りたいと思わせるようにして攻略。
このルートでは悪役令嬢の協力 (?) が必要不可欠だ。
ざっくりとした感じだが、全部なかなかに選択が難しく、れななんか何度『姉姫ぇぇぇ』と叫んでいただろう。
まぁ、攻略対象達の中の姉姫の存在を否定せずに、彼女よりもヒロインの存在を大きくすることで攻略していくのである。
全員と幼馴染で、姉姫を誰よりも慕っていた悪役令嬢による嫌がらせなどは、理由を知ると泣ける。と評判だったものだ。
悪役令嬢ちゃんが可愛いのですよ。
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