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31日の夏物語  作者: Monty
9/28

8月8日

なぜか今日は、いつもより早く起きてしまった。


親戚の家に泊まっているので遅くまで寝ているなんてことはないが、この日はこっちに来て初めて一時間も早く起きた気がする。


俺は、どこか力が感じられない様子のまま部屋を出る。


「おはよう、お兄ちゃん。どうしたの、いつもより早く起きて。なんか、顔色も変だし」


「いや、なんでもない」


「...なんでもないって。明らかになんかあるでしょ」


俺は何か聞こえはしたが気にせず居間に向かった。


居間にはおばさんしかいなかった。


「おはようございます」


「おはよう。今日は早いね!えらい!咲ちゃんもおはよう」


「おはようございます!今日も手伝いますね!」


「悪いね。ありがとう」


どうやら、咲は毎日この時間に起きてきて朝ごはんを作る手伝いをしていたらしい。


俺はすることもなく外を眺めていたら、畑で作業しているおばあちゃんの姿が目に入った。


「俺も何か手伝うか」


そのまま外に行き、おばあちゃんの元に向かう。


「おばあちゃん、おはようございます。何か手伝うこととかあります?」


「おはよう...そうだね~、じゃあいっしょに豆とってくれないかい?」


「もちろん」


俺は近くにあったかごを手にとって、おばあちゃんが毎日やっているという豆の収穫を手伝った。


「なにか...あったのかい?」


無言で作業していると。いきなりおばあちゃんがそう言ってきた。


「え?」


「顔に出てるよ。なにかつらいことでもあったのかい?」


俺は、なぜか隠すことができず、花陽さんのことだということが分からないように話をした。


「おばあちゃんは、死ぬの、怖いですか?」


「当たり前だよ。2年前にじいさんをなくして以来は、余計に怖くなった...」


なにか、聞いてはいけないような気がしたが声は出ずただ黙って聞いていることしかできなかった。


「でもね、私は仕方のないことだと思って生きてきたよ。何十年も。最後に、楽しかったと思えるようにね」


俺は、これを聞いてこの夏の間にやりたいことが決まった。


「おばあちゃん、ありがとう」


「いいんだよ。人生の先輩として当然のことだからね」


「明日からも、手伝っていいですか」


「うん、ありがとね」


「2人とも、ご飯できましたよー」


この日1日、俺は部屋に篭って考えつづけた。


どう、花陽さんに楽しんでもらえるかと...

今回もお読みいただき、ありがとうございます!

ここからは少し花陽の出番が少なくなって、逆に兄妹で色々と動いていきます。

続きは想像しやすいものとなってあまり面白くないと思いますが、それでも読んでいただけたら幸いです。

それでは、また明日の話をゆっくりとお待ちください!

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