無理ゲーはどこまでいっても無理ゲーだ!
何ヶ月ぶりだろう。
そんなこんなで一応出発はした訳だが、やはりロストは不安を隠せないでいた。【御曹子の子】【僧侶】【微魔法使い】【突撃剣士】こんな謎の職業が二つもあるパーティーで魔王に挑むなんて、まさに愚の骨頂。そう思わざるを得ない。
酒場から出でしばらく経ったのだが、なぜか一行は未だに城下町を彷徨っていた。メイトが、やれ腹筋をやられただの、下り龍の襲撃だの言って、あちらこちらへと行っていたためだ。
やっとメイトが帰ってきたかと思えば、今度はシグレが俺は賢者になるため教会に行くなどと言い出し、少しパーティーを離れ、数十分後にすっきりした顔で戻ってくる。その繰り返しで、城下はおろか、街から出る事すらままならないでいた。
ロストは、段々と自分の血圧が上がっていくのを感じている。沸騰間近だ。これ以上この馬鹿どもに付き合っていると、元からおかしいロストの頭が、さらにイカれてしまう。
「シーグレー!また協会かい?」
街中で大声で叫んでいる馬鹿。他でもないレイである。
「…………いい加減にしてくれ」
ロストの肩はがっくりと落ち込んでいる。
そのその30分後、ようやく四人全員が揃うという奇跡の自体が起こった。
ここまでの経過時間、凡そ二時間と少し。普通の勇者御一行ならば、もうとっくに雑魚ゾーンは過ぎている頃合いである。
四人は街から離れ、一番最初の狩り場へ向かう。ここにいるのは比較的討伐しやすいモンスターで、正直なところ勇者が手をだす場所じゃない。
農耕のおっちゃんでも倒せるというのに、わざわざそんな所に時間を割く愚か者がいるだろうか。
「……くっ!こいつ、やるな……」
「あぁ……。中々だね。でも、僕たちならやれるさ」
「勇者の力、見せてやるぜぇぇ!!」
「……詰んだ」
鬼気迫る表情をするシグレに、高価そうな杖を構えるメイト、その後ろから弓をつがえるのは、必死そうな顔をしたレイである。
ロストは絶望していた。まさかこんな展開になるとは、夢にも思っていなかったのだ。
目の前にいる青い魔獣。それを倒すために、四人はありえないくらい疲弊していた。魔力体力は底をつき、気力だけが体を支える鍵となっている。
倒れる仲間たちを尻目に、ロストは一人つぶやいた。
「ダメだ。スライムにも負けたわ」
と。
レベル制はありません。ただ、魔法とかは登場します。




