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大っきくなっちゃった⁉︎

癖の無いサラサラの長い髪を、自動で縛れる魔道具の組紐で結える。

「ポニテですよ、プロデューサーさん。」

「誰がプロデューサーやねん。」

パルーニャのボケにあえてツッコム。

「しっかし、見れば見るほどあんた先祖返りね。

うちの死んだ旦那に面影似過ぎだわ。

子孫感?」

ぞくっ背筋が寒くなる。

イケメンの遺伝位ならまだ良い。

だが、こいつの旦那のヤンデレは遺伝してないよな?

愛妻家通り越して、凄まじヤンデレだったのを思い出す。

俺がパルーニャ前世の同性の友達だったからまだ比較的大丈夫だったんだ。

こいつが率先して仲良くなった男友達には酷い扱いだったが、こいつが庇うので冷淡な扱いレベルで済んでいた。

だが、下心のあった連中は…暫くするとミナクナッタ。

遠方へ転勤したり、物理的に事故って大怪我してたり。

いや、直接手出ししてないんだよ?

だけど、色々灰色なんだよなぁ、あの旦那。

…うん、怖過ぎ!

転生しても、彼はきっと変わらないだろう性質だと思う。

同時代に転生して無くて良かったわ。

うん、マジで!

「シャア?

何で、青い顔になってんの???」

俺は不思議そうなパルーニャから無理矢理顔を反らせて、鳴らない口笛を吹いた。

こいつの天然は、生まれ変わっても天然らしい。


「ふふっ、でも倉庫に残ってた服でサイズ合って良かったわ。

人間体に戻ったら、身体も成体になるの忘れたからさ。

服のサイズ合わなくて、破れるかツンツルテンだものねぇ。」

朝起きて人間体に戻ったら、身体が大きくなってたからな。

着ていた服は破れて大破!な感じに。

そのままでは部屋から動けないので、仕方なくシーツを羽織りタオルケットを腰に巻き巻き。

すっかりドンドコドンドコしそうな古代人か野蛮人みたいな感じに仕上がった。

ハイド爺さんとキリヤを部屋に呼んで、事情を説明し、身体の採寸し直しを頼む。

年頃のメイドのメルルや乳兄妹のケイトだと、この身体を晒すのはセクハラ過ぎる。

まぁメイドのクルルはおばさんだから問題無いかもだけど、気分だよ気分。

アーマーパージして強くなれるのは裸族だけだからね!

少しして、パルーニャに話が入ったらしく、部屋に男性物で年代物の背広と執事服と下着などの一式を持ってきてくれた。

やはり空間倉庫的な所に保存されていたようだ。

細かく調べてないけど、呆れるほどに何でもあるな、あそこ。

多分仕舞って置いたけど、劣化しないから放置プレイして忘れてたんだろうな。

そんな感じの物置あるある。


「なぁ、これマフィアが着てそうな海外ブランドもどき?

なんか、ファンタジーが一気に終末的になって来たんだが。」

俺は今、マフィアの渋めなボスが、膝でニャンコなでながらワイン転がしてそうなスーツ姿になっている。

狼なのに!

服からは、どう見ても中世ファンタジー色は無くなっていた。

世界観とわ!

「あぁ、シャアはどう見てもボスじゃ無く膝の上のニャンコよねぇ。」

しみじみと言うパルーニャ。

「うるせえ!」

拗ねる俺。

「ふふふ、冗談よ。

もう誰も子猫ちゃん的な扱いは出来ないわよ、きっと。

納得してない顔ね?

説明するのもアレね、取り敢えずシャアは鏡見なさい。」

ぽいっと空中に姿見サイズの水鏡を浮かび上がらせる。

怪訝に思った後、俺は驚愕した。

「え?誰コレ?

え〜?!俺?

成体になるとこんなに違うの?

てかデカッ!

そう言えば、何時もより視界が高いや。

うひゃー、デカくなってる!

やったぜ!」

「せっかくの長身イケメン化なのに、その言動は残念過ぎねぇ…。」

やれやれ、と残念そうにリアクションしているパルーニャをスルー。

と言うか、俺には小声で聞こえていなかった。


その後、みんなの前に出たんだけど。

みんなの反応が挙動不審だった。

特に女性陣が可笑しかった。

何だろう、距離感が生まれた気がする。

何だかしょんぼり。

それをニヤニヤと裏からパルーニャが、

「いやぁ、青春だねぇ。」

とかつぶやいていた。

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