エピローグ
光の強い輝きに目を瞑った次の瞬間、よく見たことのある場所にいました。見たことのある場所とは、私の大切な人、飛鳥と何度も遊んでいた公園でした。
私は何か暖かいモノに包まれていて、近くには4人の人が立っていました。その人々は、見たことがない人でした。そして、私を包む暖かいモノとは、飛鳥でした。
4人は、私を抱く飛鳥を目に留めると目を丸くしました。
「茜、だったな。ここは、お前たちが住んでいた世界か?」
私は、ふと思い出しました。
今、話しかけて来た男は、飛鳥と共に神と戦っていた男です。
多分、魔王だと思います。
「え、ええ。そうよ。」
僕は真っ白な世界で目を覚ました。
そこには、ガッシリとした体型の男性が座っていた。
「少し、話をしようか。飛鳥殿。」
男はそう告げると、何もない空間から湯気が立つお茶を取り出し、いつの間にか現れた卓袱台に置く。
「ここ…は?」
真っ白な空間に、僕は思わず先ほどの戦いを思い出した。
そして、僕は目の前に座る男を見つめた。
先の神とは似ても似つかぬ空気を持ちながら、何か哀愁を感じさせる男の姿に僕は疑問を覚える。
「ここは、神の領域だ。飛鳥殿は、今精神が壊れてしまっているから、強制的に此方に引っ張らせてもらった。」
神の領域という言葉に、僕は腰に手を伸ばすが、そこには刀はなかった。
「恐れずとも良い。敵対などせぬ。あの神は、我らの掟を破ったのだ。飛鳥殿がヤらねば、我らでヤっていた。とはいえ、アイツは私の弟だ。恨んでいないとは、言えないがな。」
それだけ言うと、どこからともなくお茶を取り出し啜った。
この人が、あの神の兄?
「そういえば、僕はどうなっているのですか?僕自身、傷がかなり深いのは気づいていますが…。痛みも傷もない。」
フゥと息を吐いた男は、悲しげに僕を見つめる。
弟の仇なのだ。憎くて当然だと思う。
「そうだ。飛鳥殿はもう既に精神は死んでいる。しかし、ヤツの最期を知るためと共に、ある事のタメに治している。」
「ある事とは?」
僕は、思わず質問をする。
あの神の最期を話せというなら、僕の精一杯をこの兄に伝えよう。
「それは、後ほどだ。兎に角、ヤツはどのように最期を迎えたのだ?」
僕は僕の知る限りを話した。
どちらにしろ、死んでいた命だ。
延命をしてくれたこの男のタメに精一杯、弟の最期を聞かせてやろう。
「ふふ、そうか。そう…か。」
男は自らの目を覆った。
声が震えており、泣いているのは一目瞭然だが、僕は何も言わなかった。
「ありがとう、飛鳥殿。では、最後に貴方に聞きたい。飛鳥殿は、生きたいですか?飛鳥殿が大切にしていた仲間と共に。」
僕は、その言葉に大きく頷いた。
そして、僕は見知らぬ天井を見上げていた。
「さてと、みんなと再開しなきゃね。」
こっちの世界に戻ってからの経緯を神様から聞いた僕は、ベッドから這い出て、腰をコキッと鳴らした。
見てくださった方々、ありがとうございました。
初めて、キチンと完結させました。
気に入らない部分や、書きたい話が沢山ありますが、コレにて偽勇者の冒険譚を終了します。
ありがとうございました!




