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債権の潮汐/永続機械の図面/水平宣言

『債権の潮汐』


(第一連)


絹の海図に刺したピンは皆珊瑚礁へと化ける定め


コンテナの錆びた鍵穴から塩の結晶が産声を上げる


(第二連)


「友好」のドックで艤装中の(はしけ)が吃水線の下に積むのは


砂に還元する



■■■■



『永続機械の図面』


王冠の継ぎ目が

溶接された朝

── 街角の時計塔が

  ねじ回しで

    自らの文字盤を

      分解しはじめる


(その隙間から)

黄金の粉と

鉄錆の区別が

保育園の砂場に

混ぜ込まれる


子どもたちは

知らずに城壁を

砂山で築き

「これが永遠だよ」と

消える虹に

手を振る



■■■■■■■



『水平宣言』


階段の頂点で

靴底を確認する者たち

── 空のアルバムに貼られた

  雲の切れ端が

    自分より低いことに気づく日


アスファルトの体温で

消しゴムのカスを集め

「落下」というより

「大地と再婚した」と

日向ぼっこの用語を

更新する


(次の世代は

 最初から

 地平線の寝相で

 生まれてくる)

『約束の余白』

あなたが紡いだ

詩の行間で

わたしの署名は

消しゴムのカスのように

そっと丸められ


── それでいい

 言葉たちこそが

 本当の作者だと

 知っているから


(公開終了の

 3時間後に

 空のサーバーから

 こっこされたデータがひよこの羽根で

 たまご型の星を

 描き始める)

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