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しおりを使ってなにが悪い!  作者: おじいちゃん
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遅刻召喚





 和希は、小さい頃に読んでもらっていた絵本にハマり、幼い頃から文章を読むのが好きだった。その結果、小学校に入ったときに、図書室という部屋に本がとても多くあるという、まさに和希にとっては夢のような場所があったときは、それはそれは喜んだものだ。


 それからは、毎日の放課後に図書室に向かい、残れる時間ギリギリまで本を読み、帰る直前には読んでいる途中の本や、まだ読んでいない本を借りて、早く帰って読むために走って帰っていた。


 そんな生活を毎日続けていたため、運動は平均よりはできる方だった。


 中学校に入っても、その生活は変わらなかった。その結果、取っつきにくいやつ、関わりづらいやつ、という印象があり、友達はあまりいなかった。


 数少ない友達は同じ読書好きの奴らだった。話していて、本の話で盛り上がり、まだ読んでいないオススメの本を教えたり、教えてもらったりする時間は楽しかった良い記憶である。


 そして、和希が中学3年生のときの学校の帰り道のこと。


 学校での授業が終わり、帰りの会が終わったあと、すぐに図書室に向かい、借りていた本を返し、新しく読んだことのない違う本を借りてカバンに直し、走って靴箱に向かい、靴を履き替えて、本屋に向けて走った。


 中学校では、帰るときの寄り道は禁止されているが、そんなものは欲しかった本の発売日というものの前には、そんなものはあってないようなものだった。


 それに、もう何度もやっている。近道を通り、本屋に向かう。本屋に近づいたら、近くの店の裏等の人があまりこないところにカバンを置いて、本屋に入る。


 最初はバレたときはどうしようかと考えていたが、バレたところでどうせ小言を貰う程度。被害は無いに等しいんじゃないか?その考えのもと、最初から堂々と本屋に入っていっていたので、その堂々とした態度に、むしろ違和感が感じられなく、バレたことはまだ一度もない。


 いつもと同じように、まず本屋に向かって走っていると、曲がり角から車が来て一旦立ち止まる。そのとき、足元にあった石が光っていたので、つい手にとって見ていた。


 少しして、特になにもないなと思い、石を足元に捨てるように放った。すると、石が急に輝きだし、眩しくて咄嗟に目を瞑ってしまった。


 目を開けたときに眩しいものをすぐに視界に入れるのは嫌だったため、後ろを向いて目を開けた。


 そのとき視界に入ったものにびっくりした。どこかは知らないが、建物の中だったのだ。


 足元を見ると、輝いていた石はもうなくなっていて、赤色のカーペットの上だった。


 周りを見渡すと、ただただ意味もなく広くしたんじゃないか?と思えるくらい広い部屋にいて、玉座に続くようなレッドカーペットの上にいる、ということがわかった。


 すると、突然キィィ…と音がして、音がしたところを向くと、見るからに偉そうな印象を受ける王様っぽいヒゲの長いじいさんと、一般的には綺麗よりも可愛いといった印象を受ける容姿をしたお姫様的なものを思い浮かべる若い女の人が入ってきた。


 入ってきて数秒見つめあい、とりあえず会釈をすると、相手側からも会釈が返ってきた。


 どうしようかと考えて、とりあえずお偉いさんだろうコイツらからは離れようと、部屋を出ようとした。なぜなら、お偉いさんと関わると、碌でもないことになりかねないと、今まで読んだ本にあったからだ。




「ま、待って下さい!」




 やはり、声をかけられるとは思っていたが、実際にかけられるとどうしたものか迷ってしまう。とりあえず周りを見るフリをして、もう一度会釈をして立ち去ろうとする。




「あの…、あなたしかいませんよね?」


「…」




 仕方なく、ゆっくりと振り返る。




「あなたは何故ここにいたのですか?」


「いや、何故と言われてもな…。気がつくとここだったというしか」


「気がつくとここに…?そんなことあるわけが…、いや、ありましたね」




 …あるのか?普通に考えて。でも、何かしらは知ってそうだし…




「何か知ってるんですか?」


「いえ、数ヶ月前に、私達、私と他の優秀な魔法使いたちのことですが、勇者召喚の儀式を行ったのです」




 まぁ、なんとも王道なことで




「召喚された彼らも、同じようなことを言っていましたので」


「でも、何故って聞いたってことは、今回は勇者召喚ってのはやってないんですよね?何故ときいたということは、私がここにいる理由も知らないし、勇者召喚というのもしていないのでしょう?」


「喋り方は気にしなくていいですよ。そうですね、今回はやっていません。むしろ、もうやる必要はないと思っていたのですが…。しかし、何故あなたがここに?召喚もしていないのに?…あ!そういえば、前回の召喚のときに魔法を上手く発動させるための魔方陣がおかしいと言われていたような…」


「どーゆーことだ?」


「召喚するときは、召喚する勇者の方が全員固まったときに発動するのです。そのとき、あちらの世界の彼らが立っていた場所をくりぬくようにして、地面ごと召喚されるのです。そのとき、小さいものですが、一緒に召喚された地面に欠けが見つかったのです」


「つまり、その欠けを拾った俺が遅れて召喚されたと?」


「…そうかもしれませんね」




 今までいろいろな本を読んだ。そのなかにはラノベもあったし、異世界召喚の話もそこそこあった。だけど、これはどうだろう?遅れて召喚された話なんて読んだことも聞いたこともない。


 …こんなにグダグダした異世界召喚は、読む方が絶対にいい。体験は嫌だ。


 …どうなるんだ?これ


間違い等の気になること等があれば、気軽にコメントしてください。

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