プロローグ
「ガァァァァァァァァァァァ!」
鋭い牙のはえた、犬を巨大化させたような獣のような生物が、離れた場所にいる少年に向かって叫び声をあげ、涎を垂らしながら走る。
そこは、草木が生い茂る森のような場所。そして、比較的木が少ない場所である。
そんな場所でそんな生物に狙われているその少年、赤塚和希は………
優雅に本を読んでいた。
しかし、流石にその叫び声がうるさかったのか、両手で持っていた本を片手に持ち、立ち上がる。
そして、空いた片手で長方形の形をしたものを前にかざす。すると、その長方形の形をしたものから、凄い勢いの電気が放出され、むかってくる生物の頭に直撃する。
電気が直撃した生物は、鳴き声をあげる間もなく、その場に倒れる。
それを確認した和希は、長方形の形をしたものを背負っていたカバンに直し、読んでいた本にしおりを挟んで、歩き出す。
「街の方は人がうるさいから、わざわざ離れた森まで来たっつ~のに、森は森でやかましいな。
異世界召喚ヒャッホーの気分だったが、この世界での得が本でしか感じてないぞチクショウめ」
そして和希は、近くの街へ向かって行った。