5話 絶望と直感と
「やった!!!
やったぞ!!!!!
すげぇえええええぜ国王陛下!!!!」
「と、とんでもない魔力だ!!」
目下にあった作戦目標は
達成しつつあった。
後方にいた投石部隊は壊滅。
魔法使い部隊は機能不全。
魔王軍の制圧射撃は
終わり。
とりあえずの危機は去った。
たった10人でとんでもない
戦果だ。
これで帰隊すれば
この部隊の誰も死なずに……
『ヒメジマちゃんさぁ………』
『敵を甘く見すぎじゃない?』
今まで聞いた事のないような
ピノの冷たい声に
オレは悪寒を感じる。
ゴゴゴッゴゴッゴゴ
地響きがする。
前線の巨大オークの達が
後方部隊の状態とは関係なしに
前進を続ける。
マズい、オレ達は10人程度だ。
あのオーク達を止める術を持たない。
続いて左右から土煙が上がる
機動力のある部隊のようで
足は馬の様である。
上は人間の様な出で立ちに
鎧の姿で弓をつがえている。
「ザムザ陛下!!!!!!
ケンタウロスです!!!!
精鋭です!!!!!!」
ケンタウロスは味方の犠牲に関係なく
矢を放ってくる。
下の魔法部隊も掩護魔法を飛ばしてくる。
き、機動防御だ。これは!!!!!
冗談きついぜ対応が早すぎる。
次々と仲間がケンタウロスの弓によって
撃ち抜かれ下へと落ちていく。
「ソフィア!!!!!!!」
「メリルダ!!!!!!!」
「カレル!!!!!!!!!!!!」
オレは叫ぶが手遅れだった。
下の魔物によって肉片と化していた。
「ザムザ陛下!!!
十分です!!!!
撤退を!!!!!!」
「撤退だ!!!!
撤退するぞ!!!!!」
オレはタツマキを起こし
ケンタウロスの弓矢に対して
妨害をしようとするが
特殊な矢を使っているのか効果がない。
「マチルダ!!!!!!!」
「ザイン!!!!!!!!」
「メイビス!!!!!!」
そうしている間にも
仲間が次々と撃ち抜かれていく。
そちらに気を取られてしまっていた。
気が付くと弓矢の一矢がこちらに
向かっていた。
(しまった!!!避けられない!!!!)
「ザムザ国王陛下!!!!!!」
一人の男が身を挺してオレを庇う。
胸に穴が開いている。
もう助からないだろう。
「コンラッド!!!!!!」
「こ……国王……陛下……」
「あ…なたは…死んで…は…いけない」
「おれ…たちに…希望…をみせた…ん…だから…」
「家族……を…たのみ…ます…」
そう言い残すとコンラッドは下に
落ちていく。
何人かの魔物を道連れにして。
他の仲間も次々とやられ
残りはオレ一人となった。
ゴゴゴゴゴと音が鳴り響く。
左右の前方から新たに投石機が現れる。
オレ達を無力化した途端に
予備部隊を投入…か
そりゃそうだよな。
オレは確信した。
この魔物の中に指揮官がいる。
そいつは間違いなく
戦略、戦術に精通していると。
どうする?
考えろ考えろ考えろ
俺は限界高度まで上昇する。
投石機の破壊はもう無理だ。
なら奴らの見えないほど
上に飛べばいい。
くそ……
現状は限りなく悪い。
俺の部隊は全滅。
無効化した投石機と魔法部隊は
予備部隊を投入され実質何も変わっていない。
時間稼ぎが出来ただけだ。
いま、俺に出来ることはなんだ?
味方陣地まで撤退か?
いや、投石機が配置についたら
どの道ジリ貧だ。
また制圧射撃が始まる。
予備部隊の対応も早かった。
今の俺達の軍勢で戦略的に
対応できるとは思えない。
ーーーーーあっ
《《そういえばなんで魔王軍は
あんなに対応が早いんだ》》?
なにかがひっかかる。
対応が早いそれは指揮官の能力が
優れている。
それだけじゃない!!!!!!!!
指揮官は1人だ!!!!!
じゃないとあの対応の早さは説明つかない。
参謀本部のような形ではなく
一人の指揮官が支配する形で
命令しているはずだ!!!!!!!!!!
ピノ、魔王軍の指令系統は?
『教えな~い、自分で考えれば?』
このクソ女!!!!!
急に塩対応するじゃねぇよ!!!!
まあいい、直感だ。
オレの考えは多分正しい。
出来る根拠、出来ない根拠、山ほどあるが
関係ない。
オレはオレの直感を信じる!!!!
そうやって戦場を生き延びたんだから!!!!
オレは集中して風の魔法を使い気配を感じ取り
戦場を把握していく。
レーダーのイメージだ。
ありとあらゆる感覚を感知して
目ぼしい場所はないか
調べていく。
『へえ……やるじゃん』
ーーーーーーいた。アイツだ。
戦場の一番後方、天幕の中で
座っている。
一つ目の大きい女の魔物。
配置からしても間違いないだろう。
一回だけ。
あれだけ、頭が切れる指揮官だ。
もし、奇襲をして殺し損ねれば
次は必ず対策をしてくる。
そして、そいつは油断している。
じゃないと後方とはいえ
あんな目立つ所に
本陣を構えない!!!!
ーーーーーだから、オレがこれからする事は
完全にそいつの想定外っつ!!!!!!!!
オレは弓をつがえるような形で
魔力を一点に集中させていく。
集中して集中して
鋭利に、さらに鋭利に研ぎ澄ませて
せていく。
上空の遠方から認知できない
ありとあらゆるものを打ち抜く
狙撃銃のような武器があれば…
最高だとは思わないか?
一点集中狙撃!!!!!!!!!
「死ねぇぇえええ、おらぁあああああああ!!!!」
オレはありったけの魔力を
込めて指を放った
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