トイレからこんにちは! トイレのハナコさん 2
「と、とりあえずシャワー浴びてきなよ」
「うええーん。もうお嫁に行けませんー……」
「……」
いっこうに泣き止まずトイレからも出てこようとしない謎のピンク髪の美少女。
そしてトイレから顔を出したまま両手で顔を覆っている美少女にただただ戸惑うしかない俺。
なぜ俺の部屋のトイレから美少女が!?
しかもそんな綺麗な美少女に聖水ぶっかけちゃったし……。
「ごめんね。こんな子がトイレから出てくるとは思わなかったんだ」
「私だって、いきなりお○っこかけられるとは思わないですよう。うええーん……」
「……」
美少女の口からお○っこの言葉が聞けるとは……。
しかし、とにかく今は泣き止んでもらうまで待つしかない!
話も聞かないといけないし、なにより、まずその汚い便器から早く出てくれ。
幸い今日は日曜日だ。話を聞く時間ならたっぷりある。
―それから15分後―
「んんー! んんー!」
「出れる?」
「……えーっと。出れないです……んんー!」
いっこうに便器から出れない美少女と、その姿を見守る俺。
……よし、ここは俺が手を貸してあげるしかないか。
「ほら、この手につかまって」
「え……? でも……」
俺の出した手に戸惑う美少女。
なぜに戸惑うのか。確かに便器を触っている手は汚いけど。
でも、そもそも美少女がトイレに浸かっている時点で既に汚いわけだし、俺の聖水ぶっかけちゃったし。
「俺も悪いことしちゃったしさ」
「……。申し訳ありません」
後ろめたそうに俺の手に美少女の白く華奢な手が触れ、握られる。
その細く女性らしい指の絡め具合に、女性を知らなすぎる俺はドキドキしてしまう。
ぐっ、とそれを堪え俺は力の限り引っ張った。
「うっ……!!」
「んっ……」
ざばーんと音を立てて美少女が引き上げられていき、美少女の身体が露わになる。
……って、裸!? しかもデケー!!
俺は途端に鼻が熱くなるのを感じた。
鼻の中を通って一気に水っぽいものが落ちてくる。
そう、鼻血だ。はまじじゃない、鼻血だ。
俺のDTスキルがとんでもないところで発動してしまった!
力が一気に抜ける。
だがここで止めたら男の恥だ。なんとしても一発で引き上げてみせる。
ある程度まで持ち上がると、手では限界が来たため、今度は手を美少女の腰に回して足を踏ん張り一気に引き上げる。
女性の身体に触ってしまった。しかも美少女の!
美少女の裸体が間近に迫る! ぼいんが頭に!
だが!しかし!
「きゃ!」
「ふぬおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
俺は力の限りを賭して美少女を引き上げることに成功した。
美少女は手でぼいんとしもを隠していたため、局部は見えていない。
それでも女性の、しかも美少女の裸体を直視したことはDTの俺にとって計り知れないものがあった。
「あ、ありがとうございます」
「う、うん、いいから、早くシャワーを浴びてきて」
「あの、大丈夫ですか? 血が……」
「う、うん、いいから、早くシャワーを浴びてきて。シャワーはこっちにあるから」
「あ、あの、シャワー、とは……?」
「う、うん、いいから……あ、シャワー? シャワーっていうのは、身体を洗う時に使う水を出す道具だよ」
「あ、そうなんですか。そんなものが……」
「うん、ある。いいから、早くシャワーを浴びてきな」
「は、はい。わかりました」
続く。