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【20話完結保証】冷徹な不倫夫にすべてを奪われた研究者の私が、16年前の小さな優しさに救われ、世界一愛されるまで。  作者: 杜英智


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第14話 世界が私を見つけた日

読みに来てくださってありがとうございます。


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは本編をどうぞ。

第14話 世界が私を見つけた日


それから半年。


共同研究は最終段階を迎えていた。


橘グループが長年積み重ねてきた研究。


そして。


私の論文で提唱した新しい理論。


二つを組み合わせたことで。


世界中が待ち望んでいた、新たな治療技術が完成しようとしていた。


研究室には重い空気が流れている。


誰も口を開かない。


最後の結果を待っていた。


私は震える手でキーボードを操作する。


最後のデータを入力した。


画面を見つめる。


数秒。


いや。


数分にも感じる沈黙。


そして。


私は小さく呟いた。


「……できた。」


次の瞬間だった。


「成功だ!」


「やった!」


「完成した!」


研究室が歓声に包まれる。


拍手が鳴り響く。


抱き合って喜ぶ研究員。


涙を流す者までいた。


私は椅子に座ったまま。


その光景を呆然と見つめていた。


本当に。


成功したんだ。


橘先生が私の前まで歩いてくる。


「お疲れさまでした。」


私は立ち上がる。


「橘先生……。」


橘先生は穏やかに微笑んだ。


「あなたとなら、この研究は必ず完成すると信じていました。」


私は首を横に振る。


「違います。」


「橘先生たちが何年も積み重ねてきた研究があったからです。」


しばらく見つめ合う。


そして。


二人は同時に笑った。


何も言わなくても分かる。


この半年で築いてきた信頼が、そこにはあった。


数日後。


研究成果が正式に発表された。


翌朝。


テレビからニュースが流れる。


『速報です。』


『橘グループ研究所と国立医療研究所の共同研究チームが、小児がん治療に新たな可能性をもたらす画期的な治療技術の開発に成功したと発表しました。』


『従来より副作用を大幅に抑えながら、高い治療効果が期待されるとして、世界中から注目を集めています。』


画面には。


研究チームの写真が映し出される。


中央には橘先生。


その隣には私が立っていた。


『共同研究を率いた橘悠真氏は、次のようにコメントしています。』


『「今回の成功は、研究チーム全員の努力の結果です。特に藤堂菫先生の論文と発想が、この研究を大きく前進させました。」』


私の名前が全国へ流れる。


スマートフォンが鳴り止まない。


研究所には取材の依頼が次々と届いていた。


父からメッセージが届く。


『テレビ見たぞ。』


『藤堂家の誇りだ。』


思わず笑みがこぼれる。


母からも電話がかかってきた。


「おめでとう、菫。」


「頑張ったわね。」


私は胸がいっぱいになった。


仕事を続けてきて。


本当に良かった。


窓の外を見る。


青空が広がっていた。


今日。


世界が。


私を見つけてくれた。


……そして。


このニュースを見た、元夫・九条恭弥と、その愛人が、


どんな顔をしているのか。


この時の私は、まだ知る由もなかった。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


本作は毎日12時30分に1話ずつ更新予定です。


また、第5話・第10話・第15話・第20話ではイラストを掲載予定です!

ぜひお楽しみに!


「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

ブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります!

次回もよろしくお願いいたします。

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