表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/55

21.ようこそ戦闘至上主義の西宮家へ

<ちょこっと質問>


今の更新時間は8:00と18:00になっていますがそれはなぜでしょうか?

今日は色々なことがあった。


乙女神の闇の部分の露呈(9話参照)から始まり、西村の闇の部分の露呈(10話参照)、一姫による強制八番隊隊長就任(11~17話参照)、澪五姫殿による強制戦闘(18,19話)、ラストには京宮先生による弾幕(20話参照)。


これらを1日でこなす僕はある意味で栄誉あると思っていただきたい。


ん?全部が自分で招いた結果だって?はい、そうです。全部が自業自得でございます。


「ムムムムム。」


「ウフフフフ。」


さて、現実に戻りましょうか。僕の左右に陣取るは、2人の美少女。


左手には昨日今日のリベンジを果たそうと躍起になっている乙女神こと、早乙女愛莉。彼女はその名前がイメージする通りの桃色の着物を着て僕の右肩に右手を回している。しかしながらその顔にはいつものような万人を惚れさせるような表情を纏いつつ、本気で勝ち取りにいこうとするひたむきななにかも漂わせている。その手は左手薬指についている指輪を執拗になでつけている。


対して右手には本日の僕の八番隊入りが嬉しいのか余裕の笑みを浮かべている西宮一姫。精巧なパーツを一から整えて作られた日本人形のような京美人。そう呼んでも文句を言う者がいないくらいの見た目に夕陽色の着物が映る。そんな彼女は僕の左肩に左手を回し、『陽は西に傾いている』とでも言わんばかりに愛莉のことを静かに見ている。


愛莉の蜂蜜レモンの香りと一姫の野梅系の香りに僕達は包まれ、他から見れば女2人を侍らせるモテモテな無気力男。しかしながら実際は互いに互いを牽制し合う女の戦い。着物の柄は愛莉は紫色のエゾギク、西宮は白色のジンジャー。つまり、愛莉は『私の愛はあなたの愛より深い』と一姫に突き付け、一姫はそれに対して『無駄なこと』、言い換えれば『あなたの愛を否定する』と辛辣に返しているのである。


なお、僕は黄金の黒騎士モードのまま遠くを見つけています。後、指輪についているスイッチを押せば保護色へと変化して隠せるみたいで、取りあえず明日からの学校で指輪バレする危険性がなくなって一安心したけれど、今はそんなところではない。


「西宮さん。騎士様のお役柄を示すために指輪をはめる必要があるのは分かりました。ですが、そのつける場所をよりにもよって左手薬指にするのはどういうつもりかな?」(やってくれたわねぇ~。)


「さぁ?どないなことやろうねぇ~。まぁ、あんさんの創造にお任せしますえ。」(そんなん牽制に決まってんやろう?ほんまにおアホな娘...。)


うん。さっきから肩身の狭い想いをしているんですわ。しかしそんな僕の想いを汲み取ってくれたのか、京宮先生が間に立つ。


「そこまでにしとけ。今はやることやっておかないと駄目だしよ。」


「はーい。」(ちっ。命拾いしたわね。)


「了解どす~♪」(弱いものほどよう吠えるとはよう言うなぁ~♪)


2人が僕から離れ、今度は一姫のお付きである陽葵(陽葵『是非私のことは陽葵と呼んでください!』と言われた)に連れられてここ大広間の入り口に連れていかれる。陽葵は僕と同じで、黒色の無地の着物を着ている。


「それでは桂馬様にはこれから『八番隊隊長就任式』へと参加していただきます。内容としては西宮の隊を特徴づける羽織と隠し名の授与です。」


「...もしかしてここの家って戦闘系の漫画とかアニメとかを存分に取り入れている系でしょうか?」


正解(エサクタ)でございます。特に他ならぬ当主が剣が登場する漫画やアニメが大好きでございまして、それらの漫画(せいしょ)を補完する蔵所も存在しております。建築費およそ50万円です。」


なんという財力の無駄使い。自身の家の財力を事後処理用扱いにしている点も踏まえて本当に澪五姫殿は戦うのが好きなんだなと思う。生まれた時代がとにかくおかしすぎるし遅すぎるともいえよう。


そして数分後。「入れ。」という澪五姫殿の合図とともに大広間へと足を運ぶ。まあ、一度中に入っているので誰がいるのかは知っていたけれど。


「ほな改めて東坊の八番隊隊長の就任式を行う。ちゅうより緊張臭いのんはなしで、早う羽織と隠し名を与えて宴を始めるで。」


やっぱり適当で済ませる感じだな。まぁ、澪五姫殿は堅苦しいものは嫌っているようなイメージがあったからある意味で安心している自分がいるが。


「なぁ。やっぱりここで辞退した方が今後のお前のため」


ここで西村(陽葵から西村が本当は南村という苗字でここの六番隊隊長であることを聞いた)に待ったがかかるが、その足元に剣が突き刺さる。


「おい南村ァ!あんさんはうちの決定にケチをつけるんか?おお?これ以上反乱するなら唐竹で叩き切るで!」


「ヒィィィ!?すいません。異議なしっす。」


よ、弱い。正直止めようとしてくれたのは嬉しいが、その前に京宮先生に『諦めろ』と一脚されたからなぁ...。まあ、これからは職場の同僚としてもよろしくお願いするよ。


「はい。これがあんさんの羽織と隠し名どす。その指輪とおんなじ色の黒金色にしといたさかい、これからよろしゅう。」


一姫が黒金色の羽織と、隠し名が記された書状を持ってこちらへと向かう。2点を受け取った僕は早速、ツッコミを入れたい気分になった。


羽織についてはもう何も言うことはない。ツッコミを入れたい要素の十割はもう1つの隠し名にある。


「えっと、質問してもいいかな?」


「「何どす?」」


「いや、親子揃って同じリアクションするなや。なんだこの隠し名!『東殿(ひがしどの)二太郎(ふたろう)』って。明らかに狙ってつけてるじゃねぇか!」


「あらまぁ///」


いや、一姫は顔を赤らめるな。澪五姫殿はニヤけているし、京宮先生は額に手を添えて呆れている。後、愛莉は隠し名を聞いてついには笑顔から殺意を噴出するまでになった。こ、怖ぇぇぇ...。


...故事にはこんな言葉がある。


一姫二太郎。その意味は『子供を持つなら、最初に女の子、次は男の子を授かるのが理想的である』というもの。つまりは、『早く一姫と結婚しとぉくれやす。』という西宮家からの結婚の催促の意味がそこに込められているのである。


「東殿についてはあんさんのうちへの呼び方から付けたし、名前の方はまああんさんの想像通りや。ようこそ、西宮家へ。うちはえらい歓迎するで。」


ア、アハハ。アハハハハ。ハ―ハハハハハ。


「恋愛も結婚もまだしないからなーーー。」


「ええ~。お預けなんてイケずやで~。」


やかましい。日本の法律をもう一度一から調べて出直してこい!僕は西宮家とはあくまでバイト先として接していくんだからな!そこ、間違えんじゃねぇぞぉぉぉ!!!


こうしてツッコミどころ満載なゆるい就任式は終えた。しかし本当の事件はここから起こるとは、まだ誰も知らなかった...。

お読みいただいてありがとうございます。


ブクマやこの下の星でポイントをつけて応援していただけるととても嬉しいです。


どうぞ、よろしくお願いします!


<ちょこっと質問の答え>


8:00と18:00ですが共通している点ってありますよね?そう、『8』。つまり、1章の4話の時から既に主人公の『八』番隊隊長入りを匂わせるためにこの2時刻で投稿していたわけです。


まあ、少しだけ遊び心を加えただけなので賛否両論は悪しからず...。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ