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22.酔いどれ西宮家 誤酌拝借編

酔いどれ西宮家

22話:前編

23話:閑話

24話:後編

みたいになります。なので、この話の続きは1話とんで24話目になります。テーマは本性!

八番隊隊長就任式を終え、西宮家は宴に入った。名家らしく高級な食材を用いた料理が次々と運ばれ、味は京の都らしく上品な味わいをしている。量は多くないが、質の点では万々歳なものである。


しかしそこで事件が発生してしまった。それもベタだけど洒落にならないものである。それは僕の目の前に立つ女子達にあった。


「ウフフフフフフフフフフフ~。」


「ふぁあああ~。気持ちええ気分やでぇ~。」


頬を上気させてクラクラしているのは早乙女愛莉と西宮一姫。彼女たちが水を飲んだ瞬間...ではなく飲もうとした瞬間にクラクラし始めたのだ。


「こ、京宮先生。ちょっとお二人とも様子がおかしくって...。こ、京宮先生...!?」


異常を感じた僕は京宮先生に助けを求めようとするが、彼女も彼女で頬を上気させて目が座っちゃっていた。え、ちょっと。なんで僕の方をそんなマジマジと見ているの?


陽葵の方は...西村を縄で縛りつけて右手に鞭を持ってシバイていらっしゃるぅぅぅ!!?


「Hey☆結婚しろ♪結婚しろ♪さっさと結婚しろYO!」


「アバ!いで!いでで!や...やめ...て。」


騒音をまき散らしながら西村を布団替わりに叩いてやるな。ああ、西村がドンドンと白目になっていく...。あ、ついには泡拭いて気絶した。そして陽葵は完全にキャラが変わっている。あなたそんなキャラだったっけ!?180度転換しているんですけど。


「ヤバい。料理番の奴ら、アイツ等の水とうちの酒を間違えてるわ。」


そこに唯一まだ酔っぱらっていない澪五姫殿が声をかける。西村の他にまだ大丈夫な人がいてよかった。彼女の足元には空いた酒瓶が5本以上も転がっているけれど、まだまだ素面を保っている。マジモンの酒豪だ...。





















え?今なんと言った!?


「水と酒を間違えた!?そしてどうして私と西村の方は間違えてないのですか!?」


「うーむ。男性の方には水を配膳できてるようだが。大方、うちが酒を頼みすぎたせいでゴッチャッになったんやろう。」


「ああ。確かに男性用と女性用とで器の色とか柄とか異なりますね。」


「この宴に乗じて一姫をもっと積極的にさせようと思たんやけど失敗したかなぁ~。」


「おおい!?未成年の自分の娘にお酒を飲ませようとするような思想は今すぐ捨てて下さい!!!愛莉も一姫も陽葵もまだ一口も飲んでいないから未遂で良かったけれども。」


この鬼。悪魔。当主でなし。そしてその未成年3人衆が酒に弱すぎる件が違うベクトルでヤバすぐる。


ガシッ!


「ピィッ!?」


未成年者飲酒禁止法未遂者に抗議しようとした時、誰かに肩を掴まれる。犯人は...愛莉か。


「ヒック...。二太郎。早く私の色香に落ちなさぁ~い。そして学校に生えている大木まで私と行ってこう告白するのよぉ~。『私と結婚を前提に付き合って下さい。』ってぇ~。」


愛莉はどうやら思考が駄々洩れな状態へと変化するタイプのようだ。日常では完璧に取り繕っている筈のスイセンのような黒い本性が露骨に表れてやがる。


「取りあえず、水を飲みましょうか。これ以上は後でマズイことになりますよ。」


絶対に酔いがさめたら、『落とし神としてやってはいけないことをしてしまったぁぁぁ。』と恥辱に悶えてしまうからさ。こういうタイプってそうなるのがオチなんだからよ。


「え~やだぁ~。飲みたくなぁ~い♡飲むならコップじゃなくて二太郎の口で飲みたぁ~い♡」


「駄々をこねないでください。君は私よりまず『東山桂馬』を落とさないといけないでしょう?ターゲットを残してそのまま人生のゴールを決めるおつもりですか?落とし神の名が泣きますよ?」


「駄目よ!そんなことをしていたらあっという間に一姫に取られちゃうじゃない。嫌よ!諦めたくない!私、絶対に諦めたくないんだから!今日絶対に落としてみせるんだから!!ふぇぇぇ~ん!!!」


乙女神の怒涛の本音暴露!こんな風に純度100%の感情を向けていれば、まだ印象はプラスの方だったんだけどなぁ...。


ああ、泣くな。泣くな。涙はズルいんだって。僕は愛莉に学生服のズボンからとっておいたハンカチを渡して涙を拭くように促す。


「ぐすっ、すぅ~、スゥー、ハァ―。ああ、二太郎の匂いぃ~。スゥーハァ―スゥーハァ―スゥーハァ―。ハスハスハスハス!!!」


訂正。純度100%の感情を向けていても、印象はマイナスだったな。愛莉はハンカチで涙を拭うと目から鼻へとハンカチをずらして匂いを嗅ぎ始めた。嗅いでいる時の目は...血走っている。


「うわぁ~。こら引くで。」


あの当主すらドン引きしているじゃないか。とにかくハンカチで油断しているうちに水を飲ませよう。


「桂馬はぁぁぁん///」


しかし今度は別の刺客によってその手を阻まれてしまう。後、愛莉の前で実名を呼ぶんじゃない。


おそるおそる愛莉の方を見ると...良かった。ハンカチの方に夢中になっているおかげで気づいていない。


「お?ええで、一姫。一気に押し倒してまえ。」


「エへへへ。生の桂馬はんの肌や。ああ、ゴツゴツしっとりした肌や。ああ、今すぐ抱きしめとぉくれやす。うちを抱きしめて日夜狙われるうちを慰めとぉくれやすぅ~。」


一姫はなんというかいつも通りだ。あえて違う点をあげるなら、ベクトルが勢力的なものから甘え的なものへと変化している所だろうか。


「ほんでうちごと縄で縛ってそのまま閨の場所までコロコロして連れ込んで、そのまま一夜を過ごしとおす...。」


僕は身の危険を感じて一姫を引きはがして大広間から逃亡した。だって一姫の目がうるっとしたものから一瞬の内に光のないものへと変化したからだ。


「ハァ...ハァ...ハァ...。こ、怖かった...。アレはマジでヤバかったぞ...。ああ、ああ。」


本話の二度目の訂正。一姫は酔うと潜在能力を発揮するタイプのようだった。その証拠に普段見せているあの狡猾さが氷山の一角だったことをここで思い知らされたからだ。


ここは一時期皆が酔いを醒ますまで姿を...。


「ん?そこにいるのは右治木(うじき)か?」


しかしまだ脅威は去っていなかった...。

お読みいただいてありがとうございます。


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どうぞ、よろしくお願いします!

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