8話 人間の世界(宮廻サイネ視点)
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母親は昔から体が弱い。
子供の方が風邪を引くイメージがあるが、
いつもその逆で、母が風邪を引くことが多かった。
母子家庭で父がいないので、
幼いながらも、アタシが母の看病をしていた。
アタシは人を信じるのが怖くなった。
昔のアタシはすごく弱くて、なめられていた。
小学生の頃にたくさん友達に…
いや、アイツらを友達と呼べないな。
ソイツらにたくさん、
騙されて、バカにされて、嘘をつかれたから。
お金返すからお菓子を買ってとか、
嘘告白されて笑い者にされたとか、
音読する時に上手く読めなくてバカにされたとか…。
それ以外にもたくさん、たくさん惨めな目にあった。
小学生の頃に起きた出来事だし、
子どもの、ちょっとやりすぎた
イタズラでしかないんだろうけど、
幼いアタシにとってはとても嫌で、トラウマになった。
…強くならなきゃ。
中学生になったアタシは変わった。
なめられないように、常に警戒して人を睨みつけた。
そしたら小学生の頃みたいにバカにされることはなく、
皆アタシを避けて、恐れている。
誰にもバカにされないのって、快適だな。
廊下を歩いていると、とある人物が目に入った。
根暗で大人しそうな女子がいた。
周りの女子たちに囲まれてバカにされている。
…何だか、昔のアタシを見ているようだ。
あの子のこと、助けられないかな。
いつかタイミングを見て、話しかけてみよう。
あれからあの女子に話しかける機会を伺っていた。
ストーカーみたいなことしちゃってるけどさ…。
いや待ってるだけじゃダメだ。アタシから呼び出そう。
その女子に廊下ですれ違う時に、
今日の放課後、校舎裏に来いって言った。
こんなアタシにそう言われたら相当怖いだろうけど、
アタシは不器用だからこうすることしか出来なかった。
放課後、校舎裏で待っているとその女子は来た。
多分アタシに何かされるのかと、怯えている。
アタシはいつもの怖いアタシとは違って、
優しい騙されやすいアタシに戻って、その女子に話しかけた。
そうしているとその女子は徐々に心を開いてくれた。
その女子の名前は夏森涼音と言うらしい。
涼音となら…一緒に楽しく過ごせるかもしれない。
涼音なら、アタシをバカにしないだろうし、騙さないだろう。
それから時々、涼音を呼び出し、
授業を抜け出して、
コンビニで万引きしたお菓子、
自販機を蹴って出てきたジュースを涼音と一緒に分け合った。
涼音は昔のアタシにそっくりで、
アタシたちはすぐに意気投合した。
なんかアタシのとこに夢川えま、という
いかにも優等生なやつがやってきた。
言われたことは、
涼音に近づくな、涼音に悪影響だ、と言われた。
涼音はやっとアタシが見つけた友達なんだ。
オマエみたいな優等生で友達にも困ったやつには
アタシの気持ちが分かんないんだから邪魔すんなって、
ソイツに一喝してやった。
ソイツの言葉なんて気にせず、涼音とは仲良くやっていた。
アタシは中学を卒業した。皆はダチと涙を流しているが、
アタシにはそんなヤツいなかったから、
卒業式も寂しく過ごす予定だった。
そう思ってたらよ、来てくれたんだ、涼音が。
涼音はアタシみたいに万引きはせず、
ちゃんとお金を払って買った大量の
お菓子をアタシに卒業祝いにくれた。
アタシは思わず、嬉し泣きしてしまった。
それから涼音と色々思い出を語り合い、さよならした。
さて、まともな職を見つけなきゃな…と思っていた矢先、
母が倒れて救急車で運ばれてしまった。
母から重い病気が見つかり、アタシしか
母を支える人はいないので、アタシは時給のいいバイトをした。
そう、つまり世間で言うと闇バイトってヤツだ。
そのバイトは楽だったから、もっと稼がなきゃだから、
ちゃんとしたバイトもかけ持ちして頑張った。
母が急死した。先生にはまだ先は長いと聞いていたのに。
アタシは母の病気が完治することを願って、
闇バイトにまで手を出したのに…
お袋までいなくなっちゃったら、
アタシ、生きてる意味ないじゃん。
そう思ったアタシはその日の夜、海に身を投げ出した。
…ん?なんだここ?深海だったりする?
…深海にしても暗すぎるな、てか水の中にいる感覚しないし。
立ち上がってみると、
2人の人物がいたので話しかけてみた。
サイネ「ここ、どこか知ってるか?」
死雫「お目覚めのようだね」
サイネ「質問に答えろよ」
ブラッディー「まぁまぁ、落ち着いてよ」
2人からアタシは死んだからここにいると説明された。
ブラッディー「そんなキミをエスケープにご招待!」
サイネ「エスケープ?授業でもサボんのか?」
死雫「君のいた世界の言葉で説明すると、
異世界のことだね。君には異世界に行ってもらう。」
サイネ「まぁあの世界に未練はないし?行ってやってもいいよ」
死雫「話が早くて助かるね。」
この裂け目の先をくぐると、エスケープらしい。
アタシが裂け目をくぐろうとしたその時、
ブラッディー「涼音って、覚えてるでしょ?」
サイネ「?!なんでオマエがその名を……!」
ブラッディー「エスケープに行けば、
涼音ちゃんに会えるかもね、
それじゃあ行ってらっしゃい〜!」
死雫「精々頑張って生き延びるんだよ」
裂け目をくぐると、そこは草原だった。
涼音、絶対オマエにまた会ってみせる。
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サイネちゃんの前世資料
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