9話 人外と人間の世界(アルフレッド・オルランド視点)
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僕は黒の国の王族の跡継ぎとして生まれた。
僕の母上と父上は世間では、厳しく冷酷だと噂だが、
母上と父上は僕に対してとても優しかった。
僕の幼少期は、たくさん愛情を注がれて育ったと思う。
白の国が戦争を仕掛けてきた。
母上と父上は戦争を止めるべく、
白の国に説得に行くことになった。
母上と父上の周りには
たくさん兵がついて行くとのことだから、
きっと、母上と父上がいなくなることはないだろう…。
不安だった。そんな危険なことをするなんて。
でも、母上と父上は「必ず帰ってくる」と言ってくれた。
僕は召使いや残った兵と共に、国に残った。
あんなの嘘だった。帰ってくるなんて。
母上と父上は白の国の王族に殺されてしまった。
この時の僕は復讐とか怒りよりも悲しくて仕方なかった。
誕生日に母上と父上からもらったくまのぬいぐるみを
母上と父上だと思って、抱きしめてたくさん泣いた。
…あれから母上と父上がいなくなったので、
黒の国の頂点の王族、新しい両親になってからは、
召使いや兵たちが冷たい、嫌がらせをしてくる。
新しい両親も冷たかった。その新しい両親の1人息子も
僕とは一応兄弟で僕が兄なのに見下してくる。
食事だって前よりもおいしくなくなったし、
とにかく僕のお世話が雑になった。
それでも民は僕のことを心配してくれた。
民から聞いた。あんなに皆が冷たくなった理由を。
本当の殺された母上と父上は僕を大切にしてくれていた。
だから兵や召使いにも優しく大切に扱うように、と
命令していた、だがしかし、新しい両親になってから、
両親は僕を邪魔者だと思っていて、
兵や召使いにも雑に扱うように、と命令していたらしい。
そして新しい両親の息子も僕を嫌っているらしい。
なんだそれ、僕の味方なんていないじゃないか。
でも僕は一人で何か出来る歳ではない。
ただ、その環境で育つのみ……。
俺は国を追い出されることになった。
これ以上邪魔者はいらないらしい、
むしろここまで世話してやったことを感謝しろ、と言われた。
何が感謝だ。あんな酷い扱いしといて。
こんな国、出て行ってやるよ。くそが。
民には引き止められたが、俺はそれを振り切った。
でも民には色々よくしてくれて感謝している。
民たちには感謝の一言だけ言って黒の国を去った。
そして俺の中で、何かが壊れる音がした。
俺は黒の国と白の国の間にある森で身を隠して生活していた。
王族の頃は民から抜いた血を器に入れて摂取していたが、
今はそんなお上品に血を摂取することはできない。
俺は森で人外を狩ろうとしている人間を殺して、
その人間の肉を食らった。
何だかすごく人を殺したい気分だ。
過去のことを思い出す。
…嫌なことより、母上と父上と
楽しく暮らしていた思い出ばかり思い出す。
そんな幸せを壊した白の国の王族が憎い。
今の俺なら母上と父上の復讐を果たせる気がする。
全てが許せない。今この時だ。
俺は復讐を果たすために、白の国へと向かった。
いつの間にか白の国の城の中は血の海だった。
無我夢中で白の国の王族たちを殺し、
襲いかかってくる兵も殺した。
これで…母上と父上は気持ちが晴れるだろうか。
こんな奴らの血は摂取したくないので、
また次の邪魔が入る前に俺は白の国を後にした。
噂によると、あれから俺は白の国から指名手配されていて、
見つけた瞬間殺してもかまわない、とされているらしい。
今日も人外を狩りに来た人間を殺しては肉を食らっていた。
母上と父上が死んでからのあの扱いの食事より、
今の方がよっぽどいい暮らしをしている気がする。
そんな生活をしている俺の目の前に、1人の幼女が現れた。
そいつのことも殺そうとしたが、
その幼女は俺にりんごを差し出してきた。
俺はそのりんごを奪い取り、貪る。
…久しぶりに果実を口にしたな。
今までずっと人間の肉と飲み物として、
血しか口にしていなかったから。
…こいつはまだ生かしといてやるか。
それから幼女との生活が始まった。
名前はフォリエルというらしい。
フォリエルは自分のことを男だと言うが、明らか性別は女だ。
前に一緒に湖で水浴びをしている時に裸を見たが、
女だった。後フォリエルは他の女より、体の成長が少し早い。
歳にしては胸が膨らんでいた。
俺は吸血鬼だから、人肉を平気で食べれるけど、
フォリエルは人間だ。何かまともなやつを与えてやらないと。
適当にそこら辺にいた動物を狩り、
火起こしして肉を焼いて、フォリエルにその肉をやる。
フォリエルは無邪気においしい!と肉を食べる。
そんな生活を続ける間、
俺はフォリエルに欲情するようになり、
フォリエルに手を出すようになった。
フォリエルは嫌とも言わず、俺を受け入れてくれた。
まず、性行為について無知だった。
俺の中で抵抗もできず、喘ぐだけだった。
そして血が飲みたくなったら、
フォリエルに噛みつくようになった。
フォリエルは痛そうにしていたが、そんな表情が愛らしい。
いつの間にか俺はフォリエルの虜になってしまっていた。
あぁ、全てが愛おしい。
それから俺は人間を殺して肉を食らうのをやめ、
血を飲みたかったらフォリエルに噛みつき、
食事は動物を狩り、
火起こしして焼いてその肉を一緒に食べる、
そんな生活をしていた。
そんな生活はある日、いきなり終わりを告げた。
白の国の兵にクロスボウで頭を撃ち抜かれた。
どんどん意識が遠のいていき、
最後に目に映ったのは、フォリエルの泣いている姿だった。
目が覚めると、そこはまっくらな空間だった。
そして俺の横で眠るフォリエルもいた。
これはただ事ではないと思い、フォリエルを起こす。
フォリエルは俺を見た瞬間、
涙を流し始めて俺に抱きついてきた。
俺もフォリエルを抱き返す。
また会えてよかった、そう思っていた矢先、
死雫「お目覚めのようだね」
アルフレッド「こんなとこにいるのはあんたの仕業か。」
死雫「まぁ、そうだね。」
その人物から、俺たちは前世で
死んでしまったからここにいるらしい。
そしてとあることに気づく。
…俺、どうやって死んだんだっけ、殺されたんだっけ。
フォリエルは自分の死因を覚えているらしい。
俺は死因、いやそれ以外の過去のことを思い出せない。
覚えているのはフォリエルの存在と自分の名前だけ。
フォリエルに記憶がなくなったことを話したら驚いていた。
死雫「そんな君たちを、エスケープに招待したいと思う。」
アルフレッド「エスケープとはなんだ。」
死雫「別空間のことだよ、
君たちにはそこで生活してもらう。」
俺たちにはエスケープに行くしか、
選択肢は残されていないのだろう。
俺もフォリエルもエスケープに行くことを承諾した。
死雫「それじゃあ、精々頑張って生き延びるんだよ。」
俺たちは裂け目をくぐった。
くぐった先は暗い森。何だか不思議と落ち着く場所だ。
俺とフォリエルとの生活がきっとまた、始まるんだ。
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