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ある日性格が変わったら  作者: 植木 エリ


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私の娘がある日から変わってしまった。


私は、いつものように王城で仕事をしていた。そこに我が家の騎士が慌ててきた。


「何があった」


「アリーナ様が、虫に驚いて倒れました。その拍子に、頭を打ったようです。そして、意識を失ってしまいました。今は、医師に見てもらい、眠っております」


「そうか。身体はなんともないのか」


「はい、大きなたんこぶができているようですが、医師からは問題ないと」


「わかった」


娘が特に問題ないようなので、私は、いつも通りに仕事をしてから帰宅した。


帰宅したら、妻が泣きそうな顔で出迎えてくれた。


「どうした」


「あなた、あの子がまだ目覚めないの」


「報告に来たのが、昼過ぎだろう。本当に大丈夫なのか」


「一応、医師にはもう一度、診てもらったの。でも、身体には異常がないと」


「そうか」


それから娘は、4日も目覚めなかった。



夕方、帰宅した後、妻と息子と夕食を食べてる途中、執事が耳打ちしてきた。


「アリーナお嬢様がお目覚めになりました」


「わかった」


夕食が終わったところで、妻と息子に娘が目覚めたことを伝えた。そのまま皆で娘の部屋に向かった。


「お父様、お母様、ご心配をお掛けしました」


そう言って一人になりたいと言われたので、医師が来たら診察を受けるようにと伝えて部屋を出た。

妻は、無事に目覚めた娘に安堵しており涙ぐんでいた。息子は、私達の近くにいたけれど、あまり仲がよいとは言えないため、終始無言だった。私達も二人の仲をどうにかしようとは思っているのだが、甘やかして育ててしまった娘は我儘に育ってしまい、自分が中心でないとダメな子供に育ってしまったのだ。礼儀作法は問題ないのだが。


そして、次の日、その娘に変化があった。


それは、侍女からの報告である。


「アリーナお嬢様が、私に謝ってくださいました。今まで申し訳なかった、と」


そして、朝食の席だ。いつもであれば、食事の大半を残すのに、ほぼ完食しているのだ。


夜、妻と話をした。


「なんだかあの子と話をしていると大人と話しているような気がしてくるのです。本当に、あの我儘だったアリーなのでしょうか」


「うーむ、もしかしたら、王家に伝わっている事象かもしれん。君に話してよいか明日、陛下に聞いてくるから」


次の日、陛下である兄に娘の件を報告した。


「あー、それは、なんだったか。うーん」


「兄上、こことは違う世界の記憶を持った人が過去にいたというのを聞いたことがあります。王家が、違う世界の記憶の有用性があることから王家のどなたかと縁を繋いだとあったような気がします」


「あっ、そうだったな。数百年前とかだったと思うしそんなことがあるのかと半信半疑だったからぼんやりとしか覚えてなかったわ」


「ええ、私も半信半疑でした。まさか自分の娘で起こるとは」


「それで、大丈夫なのか?」


「何がですか」


「いやな、娘に違う世界の人格の記憶もあるんだろう。娘として愛せるのか?」


「私は、まだしっかりと娘と話しておりませんのでまだ実感がないのでなんとも。ただ妻は、戸惑っておりました」


「そうか。何かあればすぐに言うのだぞ。それと愛せなくとも平民や他国に放逐するような真似はするなよ」


「……わかりました。後、このことを家族に話をして宜しいですか。家族は、何が起きているのかわかっておらず不安に思っているようなので」


「ああ、だが家族以外は他言無用で頼むぞ。娘の身の安全のためにも」


そうして、帰宅して娘も食事の席についた。やはり娘は変わってしまっている。野菜嫌いで、野菜をほぼ食べない娘だったのに。野菜が入っていることに文句を言う娘だったのに。そして、ニコニコしながら会話をする娘。

今は、全て完食し、大人しく食べ終えてから少し会話をするだけ。


息子は、胡散臭い目で見ていた。私と妻は、当たり障りのない会話をしたけれど、完全に娘の記憶がないわけではなさそうだ。でも……





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