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夢の中で生きていた僕は、ある日目を覚まさなくなった  作者: 月白
第五章

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第三十話

館へ戻ると、皆が食堂に集まっていた。


「おかえりなさい」


レイシェルが微笑む。


俺は頷くと、そのまま席へ腰を下ろした。


「アルカイアに会っていた」


その一言で、全員の視線がこちらへ向く。


「何かわかったの?」


セレナが尋ねる。


「ああ。スーさんの日記が手掛かりになるかもしれないらしい」


俺はアルカイアから聞いた話を説明した。


話し終えると、アルディオンが静かに頷く。


「確かに、スー様の日記は私の屋敷の書庫に保管してあったはずじゃ」


「なら、行こう」


迷う理由はなかった。


向こうへ戻れなくなった今、少しでも手掛かりが欲しい。


「昨日の魔物が残っている可能性はあるが......」


カイルが腕を組む。


「それでも行くしかないな」


「ええ」


セレナも頷いた。


アルディオンは立ち上がる。


「では転移陣へ向かうとしよう」


――――――――――


村の入口付近にある転移陣へ到着すると、淡い光が足元に広がった。


「到着したら、まず屋敷の周囲を確認してください。魔物が残っている可能性がありますから」


レイシェルが護衛のエルフ兵にそう伝える。


「はっ」


魔方陣の上に全員が乗る。


レイシェルがそっと手をかざした。


淡い光が次第に強くなり、景色が歪む。


次の瞬間。


「ここは魔物に襲われてないようじゃな」


そこは、アルディオンの屋敷にある転移部屋だった。


「我々は一度外の確認に行ってまいります」


「うむ、よろしく頼んだぞ」


「俺も一緒に行ってくる。また後でな!」


カイルがそう言うと、エルフ兵と共に部屋を後にした。


「では、地下に行くとするか」


俺たちは屋敷の地下へ向かった。


――――――――――


古い紙の匂いが漂う。


アルディオンはゆっくりと棚の間を進んでいく。


「確か、この辺りだったはずじゃが......」


一冊ずつ確認していく。


十分ほど経った頃だった。


「おお」


アルディオンの声が響く。


俺たちは一斉に振り返った。


彼の手には、一冊の古びた本があった。


色褪せた革表紙。


だが大切に保管されていたのだろう。


傷みはほとんどない。


「見つかったのか?」


「ああ」


アルディオンは静かに頷く。


「一万年も前の本なのに......アルカイアさんが書いた本と同じくらい綺麗ね」


「触れてみたら理由が分かるじゃろ」


そして、本をこちらへ差し出した。


「これがスーの日記じゃ」


自然と息を呑む。


アルケアの娘。


一万年前を生きた少女。


彼女が残した記録。


俺は震える指で、その表紙へ手を伸ばした。


表紙に触れた瞬間だった。


アルカイアが残した本に触れた時と同じ感覚が走る。


温かな光が指先から流れ込みーー


俺の視界は白く染まった。


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