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異世界駐留記(不幸で奇妙な物語)  作者: ふじひろ
反撃の英雄たち
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激戦とセーフティーゾーン

「ぐぬぬ…このままでは…よし!横穴から脱出しよう!グランドバスター!!」


掌から衝撃を壁に…伝える!筋肉の収縮する力だとか血流の流れだとか心臓の波打つ波長を体外に放出する。虎視眈々流の源はのびとかに似ている。超強力なのび、力を緩めて~止める!


地中の揺れは地割れを引き起こす。裂け目は地表まで到達するはずだ。俺はその隙間を右に左に蹴って跳んで戻る!ほら…だんだん明るくなってきたよ~

光やぁ~光やでぇ~(夏の夜の蛾ぁー君)


「地表に到達ぅ~からの魔法?これはゲートか!?」


なんだよ、俺が必死こいてよ(ぜぇぜぇー…)帰って来たのによなんか戦闘してる。シュラが走り回ってなんか人間の集団と獣顔の魔物との三つ巴の戦いしてる。てかこのゲートってのはさ魔物側の…


光の粒となって転送されていく我が体。俺とシュラたん悲しいよ、右と左に泣き別れ。

















「ここは…聖都!だよなこの町並み…敵の懐に転送されるとは…こりゃ」


「そう、罠よ勇者さん」


「誰だ!」


なんか今俺がいる通路の先、真っ暗だがなんかいるぞ、目が慣れてくるとそこには…魔物!!暗雲立ち込める聖都、時おり稲光が走るまさに魔王との決戦にふさわしい出で立ち…だが…俺だけおかしくないか?


















「お前がユウのことどう思うとも勝手だがなぜそれを私に言うかな。熱愛なんて嘘の報道が入ったのはぐ…くそっミカサのほうで私じゃない!」


「ほらぁ~違ったじゃない。それにあってそうそう潰すのはダメよぉ~」


「悪くない悪くない!!こんな気持ちにさせるユウが悪いの!!顔が同じな姉が悪いの!!」


「誰がミカサとそっくりだゴラァ!!」


3人は今強大な敵を相手にしている。神も恐れる海の魔物、リヴァイアサン。本来の力を出せないとはいえども陸でもその巨体を活かして動くだけでも攻撃になる。リヴァと目が合えば間違いなく即死だ。

激流ブレスを避けつつ足下を攻撃、転倒させる為にダメージを与え続けていた。


「次に同じだと言ってみろ!お前にユウの本性晒しだして幻滅させてやる!」


「止めて!!歳上好きなんて聞きたくない!!」


目と耳を塞いで転げ回るデルドレ、泣き叫ぶ連れに蹴りを入れて立つように急かす。なぜならリヴァが踏み潰そうと足踏みしているからだ。


「ちょっともぅ確りしてちょうだい~止めてほしいのよぉ~潰れたいの!?」


















いっぽうこっちは情けない男と大人しげに見えて頼りがいがある二人の少女。運悪く遠距離攻撃しかできない二人と回復担当のナウシカアちゃん、前に出て攻撃してくれる人がいない。防戦するしか手だてがない。


「だから俺はダメなんだ!いつだってそう!」


「大丈夫ですってほら攻撃も当たってます!ダメージ無いですけど…」


「有効な魔法も試してみないとわかりません…」


目の前には透明に近い体をした人間が立っている。

フロウライト…継ぎ目のない透明な鉱石(水晶みたいな)でかたどられた肉体を持つ鉱石人間。不思議なことに硬い外見なのに自ら歩くときなど意思を持って行動するときはまるで人間の体のように滑らかに動く。しかし攻撃などを受けると鉱石の姿からわかるように硬い外殻に阻まれ無効化されている。


「逃げるのが有効なんですよ!逃げましょうよ!」


「逃げませんよ…この場に来たときから逃げ場なんて…どこにもありません!それにユウさんに成長したところ…見せてあげましょうよ…」


「それにフロウライトですよ…倒して損はありませんよ…やる気でますね」


透明な体のフロウライト、ゆえに体格や表情が見えずらい。しかし額に当たる部分が光っている。この色で感情を伝えている。


「フロウライトの身体を構成する鉱石は魔力を大量に含んでいるので鉱石の魔力を引き出して魔法を継続して発動できます。良い魔力回復になるってことですよ。やる気でません?」


目を輝かしてダンを見つめてくる。後には退けないダンは覚悟を決めて矢をつがえる。


「性質に適合…男女を用意雑念を捨てる…一心不乱に性交させる…魂がいない場所に連れていきセフィロトの追難術式を行う。あらゆる影響を排除し円の外には出さない」


「始まった…呪文と言うよりこれは…」


「手順を思い返してるって前に教えてくれました。

これがエレクトラさんの魔法」


「霊を歓迎し…教育する…確保する。捧げ、清め、聖別させる。力と特権を持ちながら特定の精髄を備え通力を手にしたもの」


「ネイタルホロスコープ、ムーンチャイルド」


魔術師の少女の前が明るく光出す。それは細長い形になって人間の姿へと変貌する。


「ものの本性、フラスコで作る人造人間。精霊の創造主となる計画」


「ホムンクルス」


前髪の隠れた人間が現れた。















「お前に死を与えてやろう」


「僕は君たちを許さない、倒してやる」


ローランの前に現れた災厄をもたらす風の悪霊、ライオンの頭と腕に足は鷲、背中には鳥の羽にも似た4枚の翼が生えていて蛇の尾を持つ。


「魔王様はお前たちを始末するように命じた、バラバラになったお前たちに勝ち目はない。個々で勝る我らの勝利、ここから逃げられないぞ?軍隊は残った人間どもを全滅させるために進軍している。これで終わりだ勇者」


「お前を倒し皆も救う!!魔王の好きにはしないぞ!パズズ!!」


古代メソポタミア周辺で国家を築いたアッカド人によりバビロニア神話にその姿が記されている。風と熱波をもたらす悪霊。イナゴを発生させたりする。

シュラたんがやられたら大喜びだな。


「できもしないことをほざいくな!」


パズズが翼をはためかせると強烈な熱波がローランに襲いかかった。それにともないローランの体に異常が現れる。立ち眩み…それに全身の毛穴から汗が吹き出す。これは暑さのせいではなさそうだ。


「状態異常かっ!?ナウシカアさんはいないのに…」


パズズの恐ろしさは自身の戦闘力ではなく風にのせて運ぶものである。それは熱波や疫病だ。

古代アッカド人は熱病を風にのせて運んでくるといって恐れ、例年のようにメソポタミア周辺に被害を出す砂漠越えの熱波もパズズの仕業としていた。


「手も足も出ないか!?勇者ー!!このまま死ね!」


膝をつく勇者、しかし苦悶に満ちた顔もやがて和らぐ。英雄ローランは自分の痛みなんて小さいものだと確信していた。命より名誉を重んじた生前の自分の言葉を思い返していた。


「(それでは、我が名がすたる)」


倒れるわけにはいかない、正義は倒れない。目をカッと見開いて自分の剣を高らかに掲げる。頭の中に死ぬ前に聞いた遠い昔の記憶、歌が再生されて少しずつ大きくなっていく。


「ああ、デュランダル。美しく、清く、骨身を惜しまず働く剣よどんな聖遺物が御身の黄金の柄に宿っていることか。御身には聖ぺトロの歯、聖バジルの血わが守護聖人・聖ドニの毛髪も納められている。尊きマリアの衣の一片も」


「ふん!!」


一振りで熱波を凪ぎ払う。輝く聖剣を胸に構えパズズを牽制する。


「私には勿体ない物だがせめてこの剣と同じ働きしなければ到底勇者とは申し開きできない。さぁ悪霊パズズよ!この剣の一振りでお前を地獄に送ってやる!」


「おーおーピカピカだ。もうすぐお前の血で赤く染めてやろうか!!」


ここでも大きな力がぶつかり合っていた。




















「おっお前は…デーモンか…上級悪魔!」


「その通り…」


目が慣れて目の前の敵の正体を理解する。黄色い目に黒い翼に悪魔の尻尾、黒い服に身を包み妖艶な笑みでこちらを睨む。大抵のデーモンは青色の肌で個体によって黒に近づいた色のもいる。だがなぜだろう目の前のデーモン。


「……」


お胸もボイーンだけど、お腹もどえーんなんだが…


「なに食った…」


シュラたんじゃあるまいし戦いの前に食い溜めしてきたのだろうか?腹が減っては戦が出来ぬとも言いますし?するとデーモンの女性は口を押さえて困ったように笑っている…なんだ?デーモンの後ろからもう一回りも二回りも小さいデーモンが出てきたぞ?増援だろうか、それにしても子どもに見えるのだが…油断しちゃいけないな。


「そうですね、一先ず私の話を…痛たたたた!?こらこら!髪の毛引っ張ったら痛いでしょ!?だめだめ!?

離して!!「ママ~アイス食べたい」えっ!?ちょっと待ってね~まだ用事が済んでないから…「ママ~おうち帰ろう…」だからパパとお家で待ってなさいって言ったでしょ!?「うぇーん(泣)」お~よしよし泣かないでほら!「ママ~」わかったから!」


背中の乳児…人間の赤ん坊がデーモンの髪の毛を引っ張ったり角を掴んだりして大泣きしている。デーモンはあやすも子どもとおぼしき娘のデーモンが母親の手を引っ張ってつまんなそうに文句垂れてる。

育児に手を焼いている母親のようだ。前に後ろに忙しそうにあやしたりなだめたりしている。


………なんだこれ?………


「ほほほ…すいませんね少し待っていただいても」


「よろしいですよ…ごゆっくり」


確かデーモンって…そうそうリッチに聞いたところによるとデーモンは熱心な邪神酔狂者で幹部のデーモンで他のデーモンをまとめあげる女性で過激派の強大な力を持った相手だと聞いてたが…

子どもの相手に四苦八苦してるところを見るとそのような面影は見る影もないが…てかいまから戦闘開始って場所に子ども連れてくんな!戦いにくいだろ罪悪感半端ねぇーだろ!!これが作戦か!


「すいませんね、見ての通りのおてんば娘なものでして…「ふぎゃー(泣)」おーごめんね!泣かないで~」


「まずはよ、殺る気があるかないかだけ聞いとこ…あんたはほら幹部なわけだ…「無いですよ」…し」


……今なんて?……


「ここに来たのも忠義を見せるカモフラージュみたいなものでして別に敵意はありません。リッチに話は聞いてたのであなたのところに来ただけですわ」


「リッチに!?あ~でもあいつが…信じていいものなのか…裏切って…えっ!あれって演技?」













「くしゅん!」


「どうしたのリッチ」


「なんか噂されてるような…」


鼻を擦るリッチ
















「つまりはなにか?擬装だと?でもなんで過激派のあんたが勇者である俺を殺さない?てか後ろの赤ん坊は人間だろ!!離せ!さもないと…」


「それを含めて私が魔王様から寝返った理由を…」


え?なんか始まった…


デーモンって言えば上級悪魔、悪魔ってことは実は難しかったりするのですが上級悪魔でも召喚したりできちゃうのです。問題は上級悪魔のデーモンの中でもそれを取りまとめる幹部のデーモンが召喚されちゃったりしたのが問題でした。


「汝の願いを言え…どんな願いでも三つだけ叶えてやる…」


人間嫌いなデーモンでも魂欲しさに現れることはまあまああるそうです。ただ願われちゃったらしょうがない。不老不死にしろだの自分でも出来ないようなことは実現できない。でも召喚者の人は出てきた幹部のデーモンが可愛かったので結婚をオーダー。それはデーモン自身、人間に身も心も捧げることなのですがデーモンをまとめる自分が契約を破るなんてことできずにバカップルとなったのでした。


「背中の子ども正真正銘夫との子どもです、人間の血を色濃く継いだので人間ですけどね。三人目もお腹の中に」


「へっ…へー異種族間婚ですか…デーモンでは難しいでしょうねーとか思ってたりして…」


「夫を隠すのにも必死で…特に(背中の子ども)は

人間ですし前までなら隠して育てるのも簡単でしたけどそうじゃなくなって…」


やっべ、なんか愚痴に話題がそれていってるぞ…俺は慌てて身ぶり手振りで話題を戻す。


「結婚生活は5年目です♪今ではもうすっかりラブラブ夫婦なんですよ♪「ママ~帰ろうよぉ~」はいはいわかりました!それでは私たち家族は応援してるのでがんばってくださーい♪私のことは倒したことにしてあのお城が見えますか?あそこにミカサとヴァルキリア、そして魔王様がいます。途中罠や魔物と出くわすと思うのですが進行方向はリッチさんから話を聞いた親交派の幹部しかいないと思うので大丈夫です。問題はお連れの方ですがお察しの通り魔王様直属の特殊部隊であったり幹部であったり危険な魔物も解き放たれています。ですから城を目指すより救援に向かわれてはどうでしょう…あっもちろん親交派の幹部を倒したことにした後にお願いします。わかってくださいますでしょ?」


目をキラキラさせてこっちみんな…ネフトのように操られていない親交派ということを隠す幹部もいるようだ。俺はグラムをおさめてデーモンに向かっておじきをする。


「ご丁寧にどうもありがとうございました…これからも魔物と人間が住みよい世の中をつくってまいりますので応援の方よろしくお願いします…」


「これはこれはご丁寧に…ではこの辺でおいとまさせてもらいます」


こうしてデーモンの幹部とは一線も交えることなくその場を後にする…


「こんな調子が続くのか…大事な戦いの前に…」


左奥で大きな爆発音が…見るからに巨大な影が…おそらくはリヴァだろう…ここにきて話のわかる魔物と仲良くしてたのもよかったと思えてくる。


「よし!少し待ってろよ皆!今助けにいく!!」

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