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異世界駐留記(不幸で奇妙な物語)  作者: ふじひろ
反撃の英雄たち
110/135

本当に嫌な奴等

「どう足掻いても付き合おうとはしないのだな」


「あんたもミーメイの親ならもっとましな男を見つけてやるんだな、こうしてまで靡かないなら脈はないと思うぞ」


二人の間で決着はすでに完了しているのに親が介入すればこうも泥沼に発展してしまう。俺としてはたまに道場に顔をだし、細やかな贈り物を贈るくらいのちょっと親密な関係を留めておきたいだけなのだが…戦闘はアオイ医院を飛び出し、村の女性も巻き込んでの騒動となった。俺を助けるために挑んだ獣人の傭兵さんやヒサメさんは道端に仰向けに転がっている…それでもダメージは確かにあるようで肩で息をしながらこちらを睨むだけで向かってこない。


「俺の気は変わらない、大人しく投降して家に帰りなさーい」


「それで?遺言状にはそう書けば良いのか?」


すでに曲がり角から顔を出す俺を見つけ出していた師匠は家の壁や塀を破壊して直進して来る。規格外なのは知っていたことだが先に倒れた人たちの分まで絶対に倒れるわけにはいかんのだ!この小さい戦い、負けるわけにはいかんのだ!


「手負いの虎でも全力で行くぞ!!」


「ほざけ青二才が!」


経験値、身体能力は確かに上だ。技術もある…でも気迫と緊急回避能力はこっちが上だ!!住居が密集しているから塀や壁を蹴って跳躍…空中からの攻撃ならどうだ!?師匠の頭上を飛び越え着地…から間髪いれず地面を蹴って背後へ!まだ師匠は俺の動きについてきてない、もらったで!!


「しょせん小細工の範囲だ、バカ息子!!」


足踏みしたら地面が割れるってか?盛り上がった地面が波のように壁となって俺の眼前に出てきた!?

止まることも出来ず岩壁に顔からぶつかり怯んだところを師匠は岩壁を殴り付け散弾のように砕けた岩石がこっちに飛んでくる…ひぇー


「わざわざスケールを小さくしてんだよ!他人の迷惑を考えろ!!」


上に跳んでも地面に伏せても直撃するなら同じ手を使わせてもらう…ノームの岩壁で俺の体がすっぽりと隠れるように大きく張る…さあーどうするよ。


「学習せん奴だな!もう一度食らうか!?」


師匠は岩壁を殴り付けて岩石を飛ばす…が壁の向こう側に俺の姿はない、呆気に取られる師匠だが師匠の足下から両手を出して足首を掴む。下を掘ってきましたぜ…足踏みされたら困るからよ、離さねーぞこの野郎!!


「離せ!!離さんか!おっとっと!?」


後ろから大きな衝撃を感じた師匠…背後から現れたルフナとルネラさんががっちりと絞め技をかけていた。まっ間に合った~


「ま~た~せ~た~な~!」


キナさんの角を持って肩車されているハルナさん、

その後ろからミーメイも胴着姿で現れた。うむ元気そうでなにより…ミーメイはそのまま突っ込んできて師匠に衝底を打ち込んでいる…やりすぎだろ、母親だろ?


「虎視眈々流奥義!!魂威・発剄!!」


あまりにの衝撃に思わず離してしまった…すいませんお二人さん…


「デクっ!この野郎!!」


3人団子になって転がっていく。地面から顔を出す…土竜のような登場ですまないなミーメイ。ミーメイは俺をみて表情が一瞬緩んだがすぐに


「ぼさっとしてないでさっさと行く!ハルナさんから話は聞いたから説得と援軍の件はまた後日!」


それだけくちばやに伝えてまだ転がっていく3人の方へ走っていった。俺が知らない間に逞しく成長してらっしゃる…はわわわ…


「アオイ医院にはたびたび顔出してたけど道場にはあれっきり帰ってなかったから…怒ってる?」


「多少はね~でも嬉しそうだよ~」


キナさんの言うことにゃアオイ医院に特効薬渡して帰った日は怒ってたらしいけど今道場で俺と師匠がバトルしてるのを聞いて駆けつけると言ったときはとても嬉しそうだったそうな…


「なんとか聖都攻略の時までに説得しといてくださいよ…後、倒れた人たちによろしくお伝えくださいご迷惑おかけしました…」


「お姉さんに任せておけば万事OKだよ!」


あー心配だ…

俺は頭をペコリと下げると逃げるようにその場を立ち去った。瞬間移動で一瞬よ一瞬!でもこの一瞬のために俺は戦ってたんだ…あの村は復興にどれくらいかかるかな…まぁ全員逞しいし大丈夫だろ(他人事)























「すごい汗、今日は注射の日?」


笑って小バカにするネリアに言ってやりたい。針の方がまだ可愛かったと。当分呆然と立ち尽くす俺だったが数分後ソファーベットに項垂れた。


「道場に行ったんでしょう?」


「行ってないが全員とは会ってきたよ…もう2度と行かない…」


「また近い内に会うことになりそうですよ…」


グロリアが眉間にシワを寄せる。指輪から月光刀を取り出すとコクテンさんにネリアの側に付いているように指示を出す。外は土砂降りの雨、その雨に紛れて異様な音が混じっている…説得の件は急いだ方がよろしいな。


ドシャッ、ズズズ…ドチャッ!ズズズ…


巨大なスライムが体を引きずって向かって来るような不気味な音だ。俺は一応グラムの柄に指をかけるがここに来るってことはそう言うことだろう。一応察しはついている。俺がグロリアにドアを開けるように言うとグロリアはすぐさまドアを開ける…目の前は雨しか見えないが明かりの届かない奥に何かが蠢いていた。


「もう偽装の必要もないだろ?」


俺が確かめるように言うと雨よけを着た人の姿に変わる、異形な外郭がじょじょに変化しそれが女性であることがわかる。雨傘を取るとグロリアと同じながい黒髪がだらりと垂れた。雨粒はきらきらと光を反射して光っている黒艶が綺麗な黒髪だ。


「お久しゅうございます…ユウ殿」


「セントーレと一緒のこと言うな?主殿もあったっけか?まぁいい、ここに来たってことは聖都の方で動きがあったか?入れ、長い潜入調査ご苦労であった!又兵衛…」


「礼には及ばず…ではお言葉に甘えまして…」


グロリアも月光刀を納すと二人に危険がないことを告げた。仲間がこうして一人、帰ってきた。


「前にユウナから聞いてたよりも早かったな」


「赤髪の…もう一人の魔王、メイビスが色々と感ずいているのもありましたが第1にもう一人の魔王が怪我をしたことで勇者が二人揃う前に一人を…ユウ殿を確実に仕留めるつもりです」


イスに座って俺の対面に又兵衛、俺の隣にネリア、その反対にグロリアが、側にコクテンさんが立っている。俺は頭をかきながら思案に耽った。


「魔王とは1度対面したときがあってそのときにシュラが撃退したんだ…それで相手も兵力増強は止めて確実にこっちの勢力が集結する前に潰しに来た訳だな…で?聖都の様子は?」


「亜人、魔物化した人間は戦闘街に集結途中です。

戦闘街からさらに魔界へと移動させると思います」


「まぁ人質みたいなもんだしあんまり兵力としては信用はしてないよな、魔界に入られたら正気になったときに救出するのに難儀するな」


攻めるなら今だな、ほっとけば魔界から魔物引き連れた幹部連中がうじゃうじゃ湧いてくる…陣形が整ってない今が攻め時…なんだがそれでも戦力差が…


「今聖都には魔物が数千と幹部が10人、そしてメイビス直属の腕利きの特殊部隊も控えています。魔王に加えてヴァルキリア、そしてリヴァイアサンに最強のミカサが待機しています…」


あーもうっ!嫌になっちゃうね!何が悲しくてこんなとこ行かなくちゃいけないんだ!状況災厄だろ!

頭から机に伏してぶつぶつ独り言が始まる。許せ、愚痴くらい言いたいんだ。


「勝機は無しか…」


「弱気だな、オイ」


このままで行けばな、敵の動きは粗方予想通りだ。ただタイミングが合わない。俺一人戦場でどれくらい耐えれるか…?


「ユウ殿、策がおありで?」


「たった1つな」


その言葉に場の空気が明るくなる。感嘆の声が上がるがこれは二人の手腕に頼るとてつもなく危険な橋を渡ることになる。


「もう一人の勇者と二人で敵陣に入って魔王を討ち取る。一人殺れば後は一人だ」


白け始める…なんだ!その目は!止めろ、なんか心が痛い!!


「そんなこと出来たら苦労しませんよ…」


「これはタイミングが鍵だ」


「タイミング?」


亜人、魔物化した人間が魔界に入った時点で魔王は軍隊を動かす。こちらは戦闘街にまだ人質がいる時に残りの在存兵力を全て聖都に向ける。そうしたら残ったら人間を消すために聖都の幹部、魔物は殲滅に来るだろう。そうしたら勇者パーティーと残りの軍隊で時間稼ぎ


「それは時間稼ぎだけですか?こちらには勇者は一人もいないと?」


「そうなるな」


俺たち勇者は洗脳を解くために聖都に入り込んで魔王と対決、問題は魔王を守るヴァルキリアにリヴァイアサンとミカサ…そいつらの攻撃を掻い潜って魔王を倒さないといけない。


「勇者以外の奴が行けばまた魔王に操られる危険性がある。聖人の遺骸を持った又兵衛でも少しの間、洗脳されてたんだからな」


「侵入は?瞬間移動は出来ませんよ?魔方陣が発動していて侵入すればすぐに魔王に位置がバレます」


「そこは内通者を使う、何にでも反勢力がいるもんだ。そいつに従って侵入する」


「上手くいきそうにありませんよ?特に時間稼ぎも出来そうにありませんし…」


洗脳を解いたら操られた人たちと勇者二人が魔王軍を背後から強襲…言うは簡単だが成功するとは思えない。でも思案する猶予も限られている…


「それにメイビスは当然俺のちゃちな頭で考えた発想なんてすぐに対抗策を練るさ」


「それなら八方塞がり…ですか…」


重苦しいこの空気は雨のせいではないだろう。でもそこまで俺は悲観もしてない。成功するビジョンは無いが気負けするわけにもいかない。逆境がなんだそんなもんくそくらえだ!


「策もなく突撃、案外メイビスの呆れるそんなもんが解決策かもしれないぞ?」


「バカでももっとましな意見を出せ!」


絶望の縁に立たされたネリアが涙目で頭をポカポカ殴るが俺はこれも良い案だと思う。


「もう一人の勇者の実力が合わさればなんとかなるかもよ~」


「かもよじゃい意味ない!」


全員から激しい暴行に合い、話し合いもない、ただ

暴力に苛まれることになった…


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