第45話 噂
昨日も忙しくて投稿出来ませんでした。すいません。
情報交換をした日から一週間後、学校ではこの様な噂が流れていた。
1年の鳳は二人の女子と付き合い、なおかつ人妻と浮気をした。
1年の神坂は料理部元部長を脅している。
1年の神楽坂が運動部の備品を盗んだ犯人。
全て本当の事だが、この様な噂が流れればその当人とは関わりたく無くなるだろう。
その証拠に、人気者だった元幼馴染の鳳の周りには人っ子一人居なくなり、鳳に話しかけるのはその噂の真偽を確かめる奴と、面白がっているやつだけだ。
部活でも孤立していると聞いている。
次に、学年で三本の指に入る程可愛いと言われていた、元幼馴染の神坂はというと、状況としては鳳と全く同じものになっていた。
これは、学年一の美少女だった元幼馴染の神楽坂も同様だ。
そして、女子の怖いところで、神坂と神楽坂に対する陰口が増えていた。
元々見た目が整っていたため、多少妬まれることはあったが、今回のように純粋な陰口を言われたことは無いだろう。
結局、何奴も此奴もイジメっ子と変わらないでは無いか。
状況が変われば友人を捨て、陰口を言う。友情とは、そんな薄っぺらい物なのだろうか。
俺も復讐などと考えている時点で大概なのだろうが、やはりこういう変化を第三者視点から見ると不快に感じるものである。
しかし、アイツら3人に情など無いので、そこに関してはどうでもいい。
この噂が広まったのは、俺が那月と手を繋いで歩いている写真が上げられていた、例の学校の裏サイトだ。(*第17話 冒頭より)
裏サイトと言いつつも殆どの生徒がそれを知っているので、噂を広めるのにはよく使われるのだろう。
今回のアイツらの陥った状況を考えると、俺がその状況に陥らなかったのは本当に不思議だ。
恐らく姉ちゃんや那月が何かしたのだろうが、具体的な内容は聞かされていないので、結局分からず仕舞だ。
今回は、そのサイトに匿名で投稿があった事からその噂が広がるようになった。
神坂は3年から。神楽坂は主に2年から。鳳は学校全体から避けられる存在となっている。
一度火がつけば噂はすぐに広がる。
その真偽が分からなくても、皆が言っているのだから信じる人や、実際に見たという人が出てきたりと、それっぽい状況が出来ればそれは真実となってしまう。
さてと、今は昼休みなので、那月と姉ちゃんとお弁当を食べるために屋上に向かわなければ。
今日は俺の担当なので、俺は三人分の弁当を持って屋上へ向かった。
夏休みが終わったため、この弁当を作る当番のルールも再び行われていた。いや、情報交換をした次の日から必ずやるようになった。
☆☆☆
屋上へ向かうと、既に2人は来ているようで、手前側に二人の姿を見つけた。
「優希、お腹空いたわ」
「ごめん、考え事してたら少し遅れた」
「取り敢えず座って、優希くん」
そう言って、那月は姉ちゃんと那月の間を指さした。
別にいいのだが、2人とも詰めてくるので少し窮屈だ。
弁当を食べながら、俺たちは噂の事について話す。
「上手くいったの? アレ」
「大丈夫だ。少し匂わせる写真も上げといたからな」
「流石優希ね」
本人と確かに分かるものでは無くても、それを少し匂わせるような写真があれば、その噂の信憑性は増すのだ。
逆に、証拠がゼロだとただその人を妬んだ故の行動と見られてしまう。
「優希くんは敵に回したくないなぁ」
「俺は裏切られるまでは味方だよ。裏切られた後にまで手を貸す必要性は無い」
「まぁ、私たちは優希の味方よ」
「まぁ、姉ちゃん達に裏切られたら俺何するか分からないよ」
一度裏切られたことにより、今は何ともなさそうに見えていても、俺の心の奥には確かに傷がある筈だ。
ただ、俺は今それを自覚出来ていない。
その内、元に戻るのだろうか。
「取り敢えずこの話題やめよう。楽しい話しようよ」
「そうね。暗い話題なんてそんなにしたいものでは無いわ」
「そういえばさ、優希くんってーー」
那月が何か言いかけた時、屋上のドアが開けられる。
そこからは3人の人物が出て来た。
3人と言った時点で察しが付くとは思うが、やってきたのは元幼馴染の3人だ。
途端、俺たち3人は無言になり、アイツらに向かって鋭い視線を向ける。
勿論アイツらもこちらに気付いたようで、こちらを睨みつつ、嫌な顔をしながら奥の方へ向かった。
アイツらが屋上に来た理由は、大方想像が付く。
教室に居づらかったのだろう。
アイツら3人には近付かまいという雰囲気が広まっているので、その雰囲気に耐えきれずそこから逃げ出したに違いない。
兎に角、ここでもアイツらの顔を見なければならないなんて、拷問ではないか。
「ねぇ優希くん。ここもう来ない方がいいんじゃない?」
「そうね。クズどもと同じ空間で食事をしたくないわ」
「まぁ、そう言うなら中庭とかにベンチあったと思うから、次からはそこにするか」
俺と同じように、2人もここに居たくないと感じていたようである。
俺たちはさっさと弁当を食べ終え、その日はそこを後にした。
…いや、しようとしたのだ。
俺が中に戻ろうとすると、後ろから腕を掴まれた。
今那月と姉ちゃんは前にいるので、後ろにいるのはアイツらの内の誰かだ。
俺が後ろに振り向くと、そこには鳳が立っていた。
「…なんだ」
「ちょっと話がある」
面倒臭い。俺に触れないで欲しい。
今振り払っても良かったのだが、その前に前にいる2人からの視線を感じた。
俺は2人に「先に戻ってて」とアイコンタクトで伝え、先に2人を戻らせる。
本音を言うなら今すぐにでも戻りたかったが、少し気になったので話だけは聞いてやることにする。
俺はポケットの中でスマホの録音機能を起動し、鳳の後に続き、残り2人の待つ奥の方へ向かったのだった。
次話、またやらかす(元幼馴染達)かもしれません。
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