〈扉の先〉
「ほわぁ〜!」
小さな扉をくぐった先にはすごく大きく広い部屋が広がっていた。
「アンリ!アンリ!すっごくおっきいねぇ!」
アンナが大きいと言っているのはガラスでできたテーブル。上には何かのビンが置かれている。
「なんだろあれ……?」
「アンリ!アンリ!向こうに扉があるよ!行ってみよう!」
アンナが向かい側の壁を指差し走り出した。
「あ、待って!アンナ!」
ボクがアンナを追おうと走り出した。すると……床からカツカツと何かを書く音が鳴った。
―扉ヲ壊シタナ―
「え?」
文字がボクの足元に浮かぶ。
―壊シタ。痛イ痛イ痛イ―
「な、何だ……?」
―許サナイ。君タチ、許サナイ―
無視して進もうにも、足を出す床の前に言葉が浮かんでくる。
―許サナイ、許サナイ、許サナイ。
君ラハ僕ヲ壊シタ。ダカラ、僕モ君ラヲ壊スヨ―
その言葉を浮かびアンリが読み終えた時、2人が出てきた扉の壁がズズズズという音を立て、ゆっくりと迫ってきた。
「!? アンナ!扉を開けて!!」
「?アンリどうしたの?」
「壁!!壁がくる!!」
そう聞いたアンナは壁をみた。
「ぴぎゃぁぁああ!!?」
アンナは真っ直ぐに扉の方へと走っていった。
「アンリ!アンリ!」
扉にたどり着いたアンナが慌てた様子でボクをみた。
「何!?」
「扉!扉が開かないの!!」
「はぁあああ!?」
ボクは走るスピードを上げ、扉の前へと立った。
「どういうことだよアンナ!?」
「知らないよ!カギが掛かってるんだもん!」
そう言ってアンナはガチャガチャとドアノブを回す。
「カギなんてどこにあるんだよ!」
「カギ……カギ……あっ!アンリ!アンリ!カギ!!」
アンナが指差した先はテーブルの上。ビンの中にカギが入っているのが見える。
「あんなトコロに……」
取りに行くにも時間が無い。しかもあの高さじゃ届かない。
―テーブルガ邪魔ダ。倒レロ、倒レロ―
迫ってくる壁に書かれた文字。それに従うようにテーブルが倒れてきた。
「あ!」
「アンリ!ビンが落ちるよ!」
アンナが言うようにビンはコロコロと転がり、ガシャンッと音を響かせて砕けた。
「アンリ!カギ!」
アンナが走って取りに行き、ボクに渡す。
「アンリ!アンリ!早く早く!」
アンナに急かされ鍵穴にカギを入れる。上手くカギが回らない。
―壊レロ、壊レロ、壊レロ―
「開いた!アンナ!!」
「うん!」
アンナの手を取り、ボクは扉の先へと身を乗り出した。




