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なにYOU天然!  作者: 大原英一
本編
33/47

33.親切心が逆に


 久しぶりのエッセイだ。ふと思い出したエピソードがあったので、それを書こうと思う。


 以前いた現場に、チャガピンと呼ばれる課長がいた。ここではあえて正式名称を使わず、もやっとした感じにしているが、実際には正式名称で呼ばれていた。子ども番組で有名な、あのキャラクターだ。

 オレはこれまでいくつかの現場を経験してきたが、なかでもチャガピンは屈指の名物上司だった。顔がチャガピンに似ているのは、まあいいとして、性格が腐っている。邪悪なチャガピンなのだ(笑)

 今回はそんなチャガピンの、親切心なのか邪心なのか、よくわからない心遣いのエピソードを紹介したい。


 その現場ではオペレーション業務をやっていた。オペレーションというのは、二四時間三六五日のルーチン・ワークだと思っていただければいい。

 オペレータと呼ばれる残念な人たちが、交代で勤務する。オレもそのうちの一人だった。

 現場は年間をとおしてフル稼働なので、当然ゴールデン・ウィークも盆も正月も関係ない。シフト上でたまたま正月にあたったオペレータは、現場で年を越し三が日も出勤なんてこともありうる。

 これを残念と感じるか、感じないかはオペレータにもよる。独りもんか家族持ちかでも違ってくるしね。

 それでだ。われらが愛すべきチャガピンは、どうも正月勤務のオペレータを不憫に思ってくれているらしい。毎年、大量のお菓子を差し入れてくれる。スナック菓子や、おつまみ系が多かったと記憶している。

 ここまで聞くと、いい話だと思うでしょう? でも一筋縄ではいかないのが、この現場なんですよ(笑)


 チャガピンの下にモックと呼ばれる係長がいた。こちらも、もやっとした感じにしているが、どのキャラかはだいたい想像がつくだろう。

 このモックが、たいへん要らぬお言葉をお菓子に添えてくる。今年も課長のご厚意で……的なやつだ。

 その言葉、要る? たしかに、いわないと誰の差し入れかわかんないけど、いわないほうがカッコイイと思うなあ。むしろチャガピンがモックに、いわせてるんじゃないの、と勘繰りたくもなる。あるいはモックがチャガピンにゴマをすっているかだ。

 まあ、この程度の話なら世の中に掃いて捨てるほどある。これが部長とか社長による、さらに豪華な食事という発展形もあるだろう。

「さあキミたち、今日は社長がステーキをご馳走してくださるそうだ。遠慮なく召し上がりたまへ!」

 などと専務にでもいわれたら、せっかくのステーキも喉を通ってくれなさそうだ。


 この話にはまだ続きがある。百歩譲って、チャガピンのご厚意には感謝するとしよう。今度はそれを受け取る側、つまりオペレータ側の姿勢に問題がある。

 全員がそうだとはいわないが、品性を疑われそうな者が数名いる。差し入れのお菓子を、けっこうな量自宅に持ち帰ってしまう輩である。

 もちろんその輩も正月出勤者には違いない。彼らの言い分としては、

「オレらには差し入れを受けとる資格がある。なんで持ち帰っちゃいけないの?」

 と、いったところだろう。

 だが、差し入れのお菓子は、年末年始に出勤する者すべてに平等に分け与えられるべきだ。けっして一部の者が大量にせしめて良いものではない。

 これはオレのお説教ではない。モック係長がいった言葉だ。たまには、いいこというじゃん(笑)


 そういうわけで、平等な分配を期するならば、子どもに分け与えるようにビニール袋にでも入れて小分けするしかない。

 しっかし、本当に低レベルな現場だったなあ(笑)

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