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結婚


マリーとウィリアムは辺りを散策することになった。そして、古びた教会を見つける。辺りは閑散としていてひとけはない。教会は今にも崩れ落ちそうである。


「ちょうどいい!入るぞ!」


「はい?!」


ウィリアムはマリーの手を無理やり引いて教会へとはいる。


「ウィリアム様。何故このような場所に入るのですか?」


「決まっているだろう!」


マリーは検討もつかないと言う顔でされるがままに引っ張られていく。


「お前と俺の結婚式を執り行う!」


「はい?!」


ウィリアムは乱暴にマリーを引っ張って教会の石像の前に連れていくとそこで止まった。


「俺はお前をアイすると誓う!さあ、お前も誓え!!」


「そ、そんなっ!」

嫌そうな顔をしたマリーにウィリアムは眉間にシワを寄せて怒鳴る。

「何を躊躇う事がある?!お前は魔法も使えないんだぞ?!この俺が結婚してやるといっているんだ!喜べ!」


「……こんな事して何になるんですか?!」


「決まっているだろう?お前を俺の奴隷にするんだ!形だけでも結婚してやろうと言う俺の優しさがわからないのか!?」


「……」


そうだ。私は魔法を使えない。この人に頼るしかないのだ。


「……はい。わかりました。誓います。」

ウィリアムはそれを聞くと得意げな顔になって鼻を鳴らす。

「それでいい!眼を閉じろ!」


マリーは眼を閉じることを拒否した。しかし、ウィリアムは無理やりキスしようとしてくる。


「いいから大人しくしろ!」


そう言って無理やりマリーの額にキスを落とす。


「これでお前は俺のものだ!」


マリーは青ざめた。こんな人の妻になるしかないなんて悪夢だと。


「左手をだせ。」


「?」


マリーが恐る恐る手をだすとウィリアムは薬指に指輪をはめる。


「?!ウィリアム様、これは?」


「結婚指輪だ。まあ、エリザへ贈るはずだったものだがな。」


「!?」


そんな物を贈ってくるなんて……。マリーの心は今にも破裂しそうなぐらい痛かった。そして、その教会を拠点にして生活することになった。まずはリホームである。ウィリアムの魔法で教会は綺麗になった。食料もウィリアムの魔法でなんとか出す事ができた。

魔法、それさえあれば私もきっと……。

マリーはそう思わざる追えなかった。夜がふける。ウィリアムは疲れたのか教会の椅子で寝ていた。マリーは一人でなんとか夕食の準備をした。

「ウィリアム様、夕食の用意が出来ました。」

ウィリアムを夕食に呼びに行った。しかし、ウィリアムは起きない。


「ウィリアム様?」


マリーはウィリアムの顔を覗き込む。そこには息も絶え絶えのウィリアムがいた。


「ウィリアム様?!」


マリーは直ぐにウィリアムの額に手を当てる。


「熱っ?!」


ウィリアムは熱にうなされていたのだ。


「ウィリアム様?!どうして……はっ?!」


ウィリアムは魔法を使いすぎたのだとマリーは瞬時に思った。食料や教会の修復などに力を使いすぎたのである。


「ウィリアム様?!どうしてですか?!言ってくだされば私が……!」


「お前なんぞに何ができる……はぁはぁ。」

ウィリアムは死にそうになりながらも声をだす。

「ですが!こんなに無理しなくても!」


「勘違いするな。お前の為ではない。」


ウィリアムはそういうと眼を閉じた。


「ウィリアム様?!」


「うるさい。少し、寝るだけだ……。」

そういうとウィリアムはすやすやと寝息をたてて眠っていた。

マリーはすぐにハンカチを水に浸してウィリアムの頭を冷やし、お粥を作ることにした。


「ウィリアム様。お粥が出来ました。」


「……食べたくない。」



「ダメですよ!しっかり食べないと!」


「……お前が食べさせろ。」


「……はい!」


マリーはウィリアムにお粥を食べさせる。ウィリアムはお粥を半分食べた。


「もういい。あとは寝れば治る。」


「そうですか?」


「ああ。」


確かに魔力不足の時は寝ることに限るのだ。マリーは一晩中ウィリアムの傍に寄り添った。次の日、ウィリアムは少し動けるようになったがまだまだ辛そうだった。


「ウィリアム様、お粥ができましたよ。」


「ああ。」

ウィリアムはお粥を食べ始める。今日は全部お粥を食べた。

「では、ウィリアム様はゆっくりと寝ててくださいね。」


「ああ。」


ウィリアムが寝ている間にマリーは火を起こす為の薪を拾いに行くことにした。


マリーが薪を拾っていると、黒い影が忍び寄る。


「ふう、これぐらいかな?」


マリーはその陰に気がつく。


「きゃーーー?!」


マリーの声でウィリアムは目覚めた。


「マリー?」


ウィリアムは直ぐに起きてマリーの悲鳴が聞こえた場所へと急ぐ。そこにはマリーがクマによって襲われていた。


「マリー!?」


ウィリアムは魔法でクマを仕留める。しかし、クマから襲われたマリーの傷は深いものだった。


「マリー!」


ウィリアムは直ぐに魔法でマリーを助けようとする。しかし、魔法の使いすぎで上手くいかない。必死にマリーの傷を魔法で回復し、なんとかマリーを助ける事ができた。だが、ウィリアムはその場に倒れる。マリーは眼を覚ますとウィリアムがマリーの上に覆い被さるように倒れていた。


「ウィリアム様?」


ウィリアムは魔法を使いすぎたせいで魔力欠乏症になって瀕死の状態だった。


「ウィリアム様?!どうして?!」


マリーは魔法を使えない。どうしていいか分からない中、必死にウィリアムに呼びかける。


「ウィリアム様!ウィリアム様!しっかりしてください!!」


「……」


ウィリアムの息は浅くなってゆく。


「そんな!?」


マリーが絶望しようとしたその時だった。マリーがウィリアムに触れる。するとウィリアムとマリーの体が光った。あまりの眩しさにマリーは眼を閉じる。眼を開けると何事も無かったかのように光は無くなっていた。


「……っ。」


「ウィリアム様?!」


なんとウィリアムが眼を覚ましたのだ。


「これは……。一体?」

ウィリアムは不思議そうな顔でマリーを見つめる。

「お前、まさか……?!」


「?」


不定期更新ですがよろしくお願いします。

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