表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天鵞絨の鼓動と花露〜運命の歯車が巡る時〜  作者: さくらもち
目覚めの季節、旅立ちの花
1/13

プロローグ

昔から花がすきで花言葉や、由来をよく調べていました。花言葉で人物像を描いたり能力を想像したり、設定など時間をかけて沢山考えました。

初心者だから拙い書き方ですが頑張って描きます。

楽しんでくれたら嬉しいです。


世界の中心を貫く巨大な聖なる樹――天鵞絨の大樹。


その深い緑の葉は、遥か天空をも覆い隠すほどに広がり、枝はまるで無数の命の糸を紡ぐかのように揺れている。静かに、しかし確かに、この大樹は世界の鼓動そのものを宿していた。


大樹の根元に広がる神聖な森は、季節の変わり目とは無関係に花々が咲き乱れ、薄い霧が漂う。


森の浅瀬は多くの者たちにとって憩いの場であり、花見や霧の森散策を楽しむ観光客で賑わう。 しかし、森の奥深く、天鵞絨の大樹の影に潜むのは、人知れぬ戦いの舞台だった。


魔怪物「シェイド」


その正体は形を変え、増殖を繰り返す厄介な存在。

触れられた者は「呪傷」と呼ばれる呪いの傷を負い、激しい痛みと共に身体や精神が蝕まれていく。呪いは生物だけでなく物にも及び、周囲の環境を汚染し続けるため、被害は瞬く間に広がった。


この呪いと戦えるのは、ただ一握り――


「花使い」


と呼ばれる者たちだけであった。

彼らは天鵞絨の大樹に選ばれし者たちであり、季節ごとに異なる加護を授かり、呪いの影に抗う特別な力を持つ。

四季の守り人としての彼らは、


春の生命力を

夏の熱情を

秋の切なさを

冬の静謐を


それぞれ胸に秘め、巡りゆく季節の中で試練を乗り越えながら大樹を護っている。

だが、その絆は決して穏やかなものばかりではなかった。


家族のように結ばれ、

友達のように笑い合い、

ライバルのように切磋琢磨し、

時に運命共同体として支え合う。


彼らの間には、深い秘密や葛藤が複雑に絡み合う。


その日、大樹の鼓動がいつもより強く響いた。 森を覆う霧が濃くなり、花霞が幻想的に揺れる中、呪いの歯車が音を立てて動き出す。



それは始まりの合図――



運命の歯車は、静かに、確実に回り始めたのだ。

彼らはまだ知らない。 この大樹の鼓動に導かれ、やがて自分たちの力が試される戦いへと巻き込まれていくことを。


命を懸けて守るべきものが、彼らの絆が、世界の運命が、今まさに動き出そうとしていることを。


森の奥、薄闇の中で、

魔怪物シェイドの影がじっと彼らを待つ。


霞の向こう、守り手たちの物語が今、始まろうとしている――。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ