46 趣味や嗜好はご自由に・・・なんだけどさあ
私たちの今回の試験は無事に終了した。
夕飯は、あの飯盒炊爨で兼ねてたんだけど、さすがに夜になったらお腹空くよね~と、食堂に夜食用の何かを皆と買いに行っのだ。
飯盒炊爨で炊いたご飯は残ってたんだけど、おにぎりにしたら兄様と遙君が全部持ってった。
兄様からは「桃香の手作りご飯、絶対食べたいから残ったら頂戴ねっ。絶対だよ。忘れないでね!」って言われてたから、受け取りに来るだろうなって思ってたけど、遙君も一緒に来るとは思わなかったな。
っていうか、遙君も夏樹ちゃんと同じ日に宿泊研修を入れてたんだねえ。
あっ、おにぎりは塩むすび(海苔を忘れた)と炒めたベーコンを具にした2種類。
いいできだったと思うよ。美味しいはず!
夏樹ちゃんによると、遙君もパパさんから何か差し入れをもらっているみたいだ。何だろう?ちょっと気になる。そっちも美味しいんだろうなあ(ジュルッ)。
で、今は夜景を皆で見ながら、寮のラウンジで夜食を食べているところだ。
夜食は食堂横にある売店で買える。
皆、サンドイッチとジュースだ。この時間だから軽くでいい。
後は、寝るだけだし。
寮は、全部個室なんだけど、誰かの部屋で集まるのは禁止されている。
一緒に話したり何かを食べたりする場合は、今、私たちがいるラウンジを使う。
話し合いをしたい場合は小会議室があるし、消灯(寮の消灯時間は22時だよ)後に勉強したい場合は自習室がある。自習室の使用は24時までだ。寮で生活している人たちの棟は、また少し違うみたいだけどね。
大学部の図書館は24時間使用可能なんだけどねえ。
高等部までは規則正しい生活って言われるのかー。
「あっ、そうだ。夏樹ちゃん、パパさんに『チョコムース美味しかった。ありがとう』って伝えといて~。」
「あっ、そうそう。私の分も~。」「私も~。」
「うん。わかった。伝えとく~。」
「ねえ、今晩は麗華さんはパパさんとこでご飯?」
「うん。多分、そうじゃないかな。パパの店でご飯食べて、一緒に帰ると思う。」
「遙君も宿泊研修だもんね。」
「あっ、そうそれっ。あれ、私が知ったのも直前だったんだよ。
遙のヤツ、黙ってたんだから~。」
「へー、そうだったんだ~。兄様は早くから言ってたけどねー。」
「そりゃ、桃ちゃんとこはねー。」「ねー。」「うん。」
「あっ、ここにいたー。」
「あれっ、美好ちゃん。どうしたの?」
「どうしたの、じゃないよー。
あなたたちがいるなら顔を見に来るに決まってるでしょ~。」
「「はぁ~、またぁ~?」」「ホント」「うんっ」
美好ちゃんは、この棟の寮監だ。
昨年、大学を卒業して、この学園の職員として採用された。
大体は、管理棟で勤務しているが、宿泊研修なんかで寮に入る生徒が増えると、今回のように寮監として勤務することがある。
でも、な~んか美好ちゃんは私たちがいる時を狙って寮監を希望しているみたいなんだよね。
昨年、私たちが泊まったときに初めて会った。
最初は、私たちは彼女のことを「美好先生」と呼んでいた。
ところが、彼女から「美好ちゃん」と呼んで欲しいと本っ当にしつこく言われて、私たちだけの時に限り呼ぶことを受け入れたんだ。
だから、当然、他に人がいるときは「美好先生」と呼んでいる。
どうも彼女、もともとモデルのナツキのファンだったみたいなんだよね~。
でも、だからといって、大人として、プロの仕事人として、その態度はどうなんだ?と思わないこともなかったけれど、それ以外は特に問題はなかったから今のところは様子を見つつ、時々は釘を刺している。
私たちの中には、夏樹ちゃんだけでなく、和国ではまだ活動していないけど、米国では舞台に出ている舞ちゃんもいるしね。
美好ちゃんは、「カワイイは正義」「美しいは至高」って感じだからねえ。
たま~に、物陰からコッソリこっちを見ながら拝むようなポーズをしてるもんね(怖いよっ)。
「美好ちゃん。私たちと話しに来るのはいいけどさ、コッソリ写真撮ったり、そしてそれを誰かと共有したりネットにあげたりしないでよねっ。絶対だよ。」
「「そうそう。」」「それ、犯罪だから!」
「場合によっては、この領に住めなくなるからね~。」
「や、やだな~。ちゃんと、わかってるよー。」
私は美好ちゃんは悪い人ではないと思う。
ただ、たまに「カワイイ」が好きすぎて暴走することがある。それが怖いのだ。
だから、時々、釘は刺しとくよ。
消灯時間が近くなったので、私たちはそれぞれの部屋に戻った。
今回は、宿泊研修の生徒が多かったようで、この棟は生徒だけだ。
そして、各階の点呼はその階の最上級生(の中の誰か)が行うことになっている。入寮する時に寮監の先生から言われる。上級生は、今までの経験から何をするかも知っているしね。
さて、そろそろ寝るかなあ。
明日は特にすることはなく、朝食を食堂で食べたら午前中には家に帰れるな。
もし、飯盒炊爨が上手くいかなかったら、明日やり直すか、再度計画を立て直すかということになっただろうが、それもないしね。
あー、そうそう。今回の宿泊研修には桐葉も紅葉も連れてきてない。彼らには別に仕事があったのだ。
じゃあ大吉をこっそり連れて来ようかなって思ったけど、こっちにも別の仕事があったのか「アッシモ、シゴトッス」って断られたー。
だ・か・ら、今回はこっそりブランがいま~す。
愛国から移して植えた、あのサンザシの若木はすくすくと成長して半年後くらいにはマロンとブランが行き来するようになったんだよ。
さっすが源じいだねっ。スゴいよ!
で、ブランがいる。他の人には当然見えないけどね。
大吉は、な~んと母様について行ってる。
私と兄様が家にいないから、ってワケではないと思うけど、今晩は父様と母様は一緒に観劇、そしてディナーなのだ。デートよ。デ・エ・トっ。
大吉付きだけどね(勿論他の人たちには見えないよ)。
何の観劇かってぇと、男装の麗人がたっくさんの、あの劇団の新作よおぉ。
何か、一番最初はお祖母様たち3姉妹と一緒に見に行ったらしいよ。
母様、和国に来て初めてこんな劇団があることを知ったらしくって、大感激してたって。
それから大ファンになって沼った。
今晩も劇場のボックス席から声援を送るんだろう。
で、何で大吉が一緒に?って思うよねえ。
どう考えてもお邪魔虫なのに。
そ・れ・は・ねっ、いつの間にか、本っ当にいつの間にかよっ、母様と月兎が歌劇団の推し活仲間になっていたからよおぉ~~っ。
一体どこにあの2人の接点が・・・?って思ったけど、気付いたときにはもう推し活仲間になってた。
ある日、突然、月兎に「アンタのママとは気が合うわぁ~」って言われたときには、一瞬、私の頭はフリーズしてたもんねえ。
まあ、2人ともゴージャスなのが好きって点では合うのかなあ。
ああ、大吉のことだった。
さすがに、月兎が劇場に見に来るのは無理だから大吉の目を通して自分のテレビの画面に映し出して見ることにしたらしいよ。そんなことができるって初めて知ったけどさ。
月兎、どうしても新作を見たかったらしいよ。いつもはビデオやDVDで見てるもんねえ。
大吉、お疲れ~。
「ねえ、ブラン~、兄様の方は、どうなったかなあ?」
「ンー、マダウゴキナイ。」
「そうなんだー。」
「ウン。アノオンナ、ヘンダケド、ナカ、ヨゴレテナカッタヨ。」
「あの女って美好ちゃんのこと?」
「ソウ。デモ、マロンガアッチハヤバイッテ。」
「そっかー。」
今回、私の傍にブランがいるように、兄様の傍にはマロンがいる。
蓮もいるけど、表面上は別行動をしているんだよ。
はぁ~、今晩、動きがあるといいけど。
桃香は、明日の午前中には帰れそうだし。
僕の方も早く終わらせて帰りたいよ。
僕の所に依頼が来たのは、一月ほど前だ。
今年採用された職員の1人が、少し怪しい行動をしていると・・・。
その男は、学園の事務系の職員として採用された。
龍頭領出身ではなく、この領にある学校で学んだこともない。他領から受験して採用されている(どうも縁者がこの領にいるようだ)。
そして、本人の希望で寮の管理棟で仕事をすることになったらしい。
彼は、最初の頃は、熱心に仕事に取り組む好青年と思われていたみたいだ。
管理棟での事務の仕事だけでなく、色々な仕事の内容を知らないと見えないモノもあるから、と他の仕事も進んで手伝っていたそうだから。
そのうちに寮監の仕事も見てみたいと言ってきた。
だから、寮監長の真壁さんが自ら案内して説明したみたいだ。生徒がいない棟を使ってね。
寮監長の真壁さんは夫婦で管理棟に住んでいる。
お祖母様がスカウトしてきたお二人だ。
3人の子供が独立した後、しばらく夫婦でのんびり過ごしていたらしいんだけど、お祖母様が奥さんと話している時に、彼女が「やっぱり何か物足りないわねえ」と言ったのを聞いてすぐに「じゃあ、子供たちの相手をする寮監やってみない?住み込みで」ってスカウトしたって。
その頃ちょうど、寮を任せられる人を探していたみたいなんだよ。
奥さんが、その話を夫にすると、彼の方も「いいんじゃない」って。
で、今は夫婦で男子寮と女子寮の寮監長をしてくれている。
奥さんの方は、僕も桃香もよく知っていた。
だって、長い間、雷和神社の境内にある保育園で保育士として働いていたから。
ダンナさんの方も多分見たことはあった。
昔は農機具の会社で働いていて、なんでか時々庭師の源じいの所に来てたんだよねえ。
で、この夫婦の3人の子供は全員養子なんだよ(僕も最近まで知らなかったけど)。
奥さんは、若い頃(学生の時?)に病気して子供を産めなくなったらしい。子供好きだったのに。
それでも、子供と関わりたいと保育士になったんだって。
ダンナさんは、奥さんの病気のことも知っていて、それでもいいって結婚したんだって。夫婦2人で楽しく暮らせばいいさ、って。
そんなある時、保育園に来ていた子の両親が、急に事故で亡くなったんだ。
その両親は2人とも他領から来ていた。
結婚を反対されて、この領に来たみたいだ。
だからなのか、親戚は子供を引き取ろうとしなかった。
子供は2人。小学部に通っていた男の子(陽太君)と保育園に来ていた女の子(風花ちゃん)だ。
陽太君の方は小学部に入っているから、そのまま寮に入れば高等部まで過ごせる。
でも、風花ちゃんの方は小学部に入るまでは、乳児院で過ごすことになる。兄妹が別々になってしまう。
兄妹仲が良かった2人は泣いていやがった(当然だろう。僕だって桃香と離れるのは絶対にイヤだ)。
そのことを聞いた奥さんは、ダンナさんに「あの子たちを家の子にしてもいい?」って相談したんだって。
奥さんは、陽太君も保育園に通っていたから知っていたからね。
それと、子供たちのお父さんは、ダンナさんと同じ会社に勤めていたから、ダンナさんもよく知っていたんだって。
だから、ダンナさんは奥さんに言ったんだ。
子供たちが、わが家に来てもいいって言ったら、「いいよ」って。
そして、子供たちは「うん。2人一緒ならいいよ。」って答えた。
その数年後。ある日の夕方、小学生になった風花ちゃんが3才くらいの女の子を連れて帰ってきた。
道を1人で歩いてたって。
どこの子か調べても分からず、おそらく他領から来て置いていったんだろう、ってことになった。
その女の子も、それまで預かってくれていた真壁家で引き取られることになった。
子供たちが離れたがらなかったのと、真壁夫妻も手放しがたいと思うようになっていたからだ。
その子は、名前が分からなかったから風花ちゃんが呼んでいた「さやちゃん」から「清」と名付けられた(3人とも僕より年上だ。もう皆、社会人だもんね)。
こうして3人の子供と真壁夫妻は家族になっていった。
お祖母様は、「あそこの親子は血のつながりはないが、愛情でつながった立派な家族だよ。」と言っていた。
お祖母様によると、「同じ家で暮らし、血がつながっていても愛情を感じられない家もある。あんなに冷ややかな家なら一緒にいない方がお互いに幸せだろうに。一緒にいるのは体裁を気にしてかねえ。家族も親子も、ちゃんとそう『なろう』としないとダメなのにねえ。」だってさ。
真壁夫妻の、3人の子供たちに対する接し方、一緒に家族になっていこうとする姿を見ていたからこそ、寮を2人に任せたいと思ったそうだ。
ああ、そうだった。
僕たちは真壁夫妻のことを、普段は、ダンナさんのことは真壁さん(寮では真壁先生だね)、奥さんのことは良子先生って呼んでる。保育園の頃からそうだったからね。
その真壁先生から、生徒との距離感が気になる職員がいる、って言われたんだ。
だから、宿泊研修の時にでも様子を見ようかな、って。
勿論、その前にコッソリ調査はしているよ。
で、蓮に囮になってもらうことにした。
蓮には、後期から転入予定の生徒になってもらった。一応、転入の前に宿泊研修の体験をしたい、って体でね。
これは、実際にあることだからね。
他の学校にはないから、特に他領から来る場合は抵抗があるって子もいる。
だから、希望すれば体験できるようになっているんだ。
さて、蓮だね。
当然、名前も変えるけど、見た目だね。
顔立ちの整った、おとなしそうな少年って感じだ。
変わった蓮の様子を見た桃香の反応は、「へえぇ~~、新鮮な感じー。(ププッ)」だった。
多分、心の中では、「(俺様、腹黒、美青年の役ならピッタリなのに~、残念っ)」とか思って笑ってるんだろう。まあ、気持ちはわかるけど(「ちょっと、柊。それ、ヒドくな~い」)。おおっと、マズい。
で、今回の僕は、宿泊研修を体験する転入予定の子(蓮)のお世話係。
だから、大体彼に付き添っている形になる。
予想したとおり、この宿泊棟の寮監に、例の男が希望してなっていた。
まあ、今回はこの棟の寮長は僕だからね。
彼の動きはわかるし、必要に応じて邪魔もするよ。
でも、今回の宿泊研修で一緒になった遙君にはちょっと驚いたね。
「ねえ、柊君。知ってる?
あの寮監、寮生たちから密かに警戒されてるって。
ボクの今までの経験からだけど、アイツは要注意人物だね。」
遙君は、寮生である後輩から話を聞いていたらしい。
時々、寮監の補佐としてやって来る職員が、一緒に大浴場(各寮の地下1階には温泉の大浴場がある)に入ってくるのはいいとしても、特定の生徒をジッと見たり、「背中を流そうか」と声をかけたりするとか、廊下で会った時に馴れ馴れしく体に触れてこようとするとか。それも、どうもおとなしそうな子を狙って。
確かに、距離感がオカシイね。
その話が、各棟の寮長から寮監、寮監長に来たってことか。
まあ、今回はわざとあの男を寮監にしてもらっているんだけどね。
どうも、あの男は自分の希望通りになった、ぐらいにしか思ってないようだけどね。
一応、証拠も手に入ったから、もう動けるけどねえ。
さてと、点呼して報告に行くかな。
「先生、神代です。点呼終了しました。」
「ああ、ありがとう。神代君。
私は、宿泊研修棟の寮監をするのは初めてだから、参考に聞きたいんだけど、消灯は22時でも皆すぐには寝ないだろ。
生徒は大体何時ぐらいには全員寝るのかな?」
「そうですね。遅くとも24時過ぎには寝ると思いますよ。
規則正しい生活、って面からもですが、明日、試験がある者もいますから。」
「そうなのか。ありがとう。」
「いえ。では、失礼します。」
僕は自室に戻って待機した。
多分、彼は24時過ぎに動くだろう。
それで、終了だな。
ブーッ、ブーッ。
「・・・はい。」
「ああ、もしかして寝てたかな?
寮監だけど、急に連絡することができたから今から部屋に行くから、寝ずに待つように。
夜中だからノックは1回だけするよ。」
「・・・はい。」
コン。 ・・・ キーッ。
「何でしょうか?」
「中に入れてもらっていいかな?」
「寮監でもダメですよね?」
「まあ、堅いことは言わずに入れてよ。」
「先生、それは規律に反する行為ですよ。」
「えっ?神代君・・・」
「先生、一緒に寮監室までお願いします。今頃、寮監長も来られてますよ。」
「えっ? ・・・ 」
その後の話は寮監室で行われた。
周囲に話が漏れないように、部屋の外には蓮がいる(コッソリと)。
実は、学園の駐車場では、(夜中に働くのは年寄りの身には辛いのう、とお祖父様が言ったので)領主代理の父様と北斗さん、桐葉が車の中で待機している。
この境出という職員には教えられていなかったが、寮のバス・トイレや大浴場のような場所では、携帯や録画機器等は使用できないようになっている。使おうとしても使えないようになっているのだ。
寮の規則として使用禁止にもなっている。
もし、使用しようとした場合は、その履歴が寮監長のタブレットと中央区にあるコンピューターG・Dに伝えられるようになっている。
勿論、この情報を知るのは領の一部の人間のみ。
今回は、僕が宿泊する棟の一部のみ機器の使用可となるように操作されているのだ。
で、境出の携帯に残っていた映像。
蓮が大浴場に入ったとき(僕も一緒だった)の脱衣所での姿。上半身裸のと裸の後ろ姿。蓮自身は、どんな姿を撮られようが気にしない(もともとは実体がないから、どんな姿にもなれるからね)が、見る側は気になるよねえ。
それ以外は、わざと電波障害が起こったようにしている。フリーズしたり、映像が乱れたようになったりね。
当然、僕や他の生徒も写ってない。
(今回、この調整はマロンがやってくれた。蓮は、他にも色々とやることがあったからね。)
まあ、これだけでも十分だったんだけど、もっと欲を出すだろうと思ったら、予想通りだったね。
夜中に生徒の部屋まで行こうとするんだもん。
もっと過激な動画でも欲しかったんだろう。
職員は、寮には自分個人の携帯等は持ち込めない。
だから、職場で配付された携帯で撮って、自分の携帯に移してネットにでも上げるつもりだったんだろう。
職場の携帯だったから、確認するのも楽だったよ。まだ移し替えてないのは、わかってたからね。
また、生徒の部屋に立会いなしで入ってはならない。
もうここまでで、解雇間違いなしだね。
コン、コン、コン。
「失礼するよ。」
父様たちが部屋に入ってきた。蓮から連絡が行ったんだろう。
「柊、後はこちらで引き受けるよ。もう、お休み。」
「はい。おやすみなさい。」
あの職員は父様たちが中央区に連れて行き、明日(もう今日か?)から余罪についても確認するんだろう。
この棟の寮監代理は桐葉がするんだろう。
部屋に戻って寝るかな。ホント長い1日だったよ。
桃香が先日言ってたねえ。
「人の趣味や嗜好にどうこう言うつもりはないけど、他人に迷惑をかけたり危害を加える場合は別だね。許すつもりはないよ。」
って。僕も同感だよ。




