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訓練1

「で、お君は何ができるんだ?」


中庭に出てさっそくウィドが聞いてきた。

ココは冒険家ギルドに手続きに向かった。


「どうやら相手の技をまねできるようで…。」


「…なるほど、だからレッグさんは僕に任せたのか…。」


「え?」


「じゃあ、どこからでもかかって来てよ。」


手加減なく戦うと言ってたけど先に攻撃させてくれるんだ…。

剣をウィドに対して構えた。


「では、行きます。」


剣に魔力を込めた、5感が澄み渡るのを感じる。

ウィドの方を見るといくつかのバリアが張られているのに気付いた。

なるほど、もう向こうは戦闘体勢を整えていたのか。

バリアを避けながらウィドに斬りかかった。


すると、ウィドの近くで剣が何かにぶつかり、

勢いそのまま跳ね返ってきた。

見るといつのまにか新しいバリアが張ってあった。


「おっと…。」


すぐさま離れて体勢を整える。


「バリア見えちゃってるじゃん…。

記憶失ってて本調子じゃないんじゃなかったの⁉︎」


「たまたま戦う機会があったんで…、

この戦い方は体が覚えてました。」


「流魔派ねー、やっかいだなー。」


さっきのバリアには体が反応しきれなかった。

不意を打つ攻撃じゃないと当たらないかもしれない。


「あっ、そうか。

僕の技もまねされるかもしれないから待ってたら面倒なことになるか…。」


突然ウィドが走って来た。

剣を構えるとウィドは飛び上がって来た。


「よっと…。」


突然視界から消えた。

いや、空中からさらに上に飛び上がっている。


「このスピードもついて来れるんだ。」


空から2個の小石を投げて来た…というよりも落とした。

石は空中で不自然に曲がりスピードを増しながら飛んでくる。


「くっ…。」


こう言ったらなんだがエリーネと戦ってて良かった。

早いが動きが直線的でなんとか対応できる。

小石をなんとか避けると…、


「うりゃー!」


声のする方を見るとウィドが…凄い勢いで飛んできている。


「えっ?」


避けようにも飛んでくるもの(ウィド)が大きすぎで避けられない。

仕方なく剣で受けようと構えた。


次の瞬間体が浮く。

ウィドと剣がぶつかったと思いきや、

はね飛ばされ地面にぶつかり、

今度は空に飛ばされた。

痛みはないがスピードは増していっている。


「これで僕の勝ちだね。

どんどんスピードを上げるよ!」


理解できてきた。

どうやらウィドはバリア(?)を張ってオレをぶつけて、

はね返るときには速度が速くなっている。

はね返る瞬間は痛みはないが空中で放り出されて何もできない。


「はい、とどめ。」


地面にはね飛ばされた、やばい…!

衝撃を吸収しようと剣を構えた。

が、地面に当たったかと思うと衝撃を受けることなくすっと止まった。


「何が起こったか分かってないね。

さすがに怪我を負わすわけにはいかないから衝撃をなくしてあげたのさ。」


魔力の集中が切れていたためもう一度集中させた。

すると、地面にバリアが張られていることが分かった。

バリアは2種類あるということだろうか?


「だいたい分かったかもしれないけど僕は速度をあげて跳ね返すバリア"リフレクター"と、速度をなくすバリア"アブソーバー"を使える。

職としてはディフェンダーなんだけど、

まぁいろいろ使い道はあるんだ。

今回は地面にぶつけたけどあのままスピードを上げ続けたらどうなったか分かる?

空気の刃に切り裂かれて終わりだね。」


「…なんでそんなに強いのに怖がっているんですか?」


「だって痛いのは嫌じゃないか!

もし君の能力が恐ろしいものだったらレッグが帰ってくるまでひたすら自分の身を守ってたさ。」


なるほど…。


「まぁ、君の能力がものまねだと分かったら剣にさえ気をつけていれば痛くないからね。

僕の能力をいきなり使えて、あんなことをやろうと思わないだろうし。」


「確かに人そのものを跳ね返したり宙に放り投げたりはしないでしょうね…。

よくこんなこと思い付きましたね…。」


「よ、よくだとー!」


ウィドが凄い速度で近づいてきて…、

あっという間にパンチを腹に喰らわされた。


オレはそのまま吹き飛び後ろの木に当たった。


「うっ…。」


「全ておまえの父親のせいじゃないかー!

勝手に人の能力に目付けて、

こいつはしごけば強くなるとか言って特殊訓練と名してダンジョンの最下層に放置されたりしたんだからな!」


なるほど…それで父を恨んでいるのか。


「まぁそれはさておき、

君の能力だけど人の技を真似するのはいいけど、

その技の応用をどれだけ引き出せるかな?

大技ドーンならいいだろうけど僕みたいな小技使いは厳しいんじゃない?」


確かにそうかもしれない…。


「それもあって戦い方の基本を教えるために僕と訓練させようと思ったんだろうね。

まぁ、ダンジョン潜る上でバリア使いが二人いたら安全って思ってるだけかもしれないけど。

ところで、今のでどのくらい僕の技を使えるようになったの?」


試しにバリアを張ろうと試みる。

すると目の前にバリアができた。


「ん…、なるほど。

バリアを張るとき僕の魔力を使って張ってるね。

だからどんな技でもまねできるんだろう。

魔力上限の魔法を出した相手はその魔法使えないし、

その魔法で襲ってこられるし散々だね。

まぁ、僕のはそんなに消費は悪くないから問題なしだけど。」


試しに小石をバリアに投げてみるとスピードを上げて跳ね返った。

次に魔力の込め方を変えて小石を投げると小石はその場で止まった。


「なんですぐできてるの!?腹立たしいくらい器用だよ!

もう…、じゃあ今度はそれを使ってもいいから僕と戦ってみて。」


そういうとウィドはまた凄いスピードで突進してきた。

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