第7話 小鬼、装備をつける。
ポケットベルト以外にも、偶に装備をつけていた個体にも遭遇し、(骨という骨をばらし)色々もらってきた。
全部ばらばら(いろんな意味で)だが、まとめるとライトアーマー1着が揃えてきた。
俺はおそらく生まれて間もないので、ボロ布で股間を遮っただけで装備をつけてもらえなかった。
装備のほとんどが黒くて意外と丈夫以外に変わる点もないので、体を守れる防具を揃えるのは大変に嬉しく感じる。
そして、剣を背負うソードベルトのようなものもあるので、手で持たずに移動できるのは大変楽である。
そんな装備で第四階に降りると、すぐにスケルトンの群れを発見できた。ガラガラと聞きなれたスケルトンの笑い声の方に向けると、今までにないタワーシールドや槍を持っているスケルトンがいる。
そして、シュッと音がして気がついたら右頬に何かが掠れて、血が出た。
生まれて初めて傷つけられたが、意外と痛くはない。改めてスケルトンたちを確認すると、どうやら後方には弓を持つスケルトンがいるようだ。そして前衛にはタワーシールドを持つスケルトンが2体鎮座し、中衛らしき槍持ちスケルトンは5体もいるようだ。
同じく8体なのに、段階1段降りたのにこうも練度が違うとなると、強くなっても調子に乗らないほうが良さそうだ。
8体のスケルトンもおそらくソードマンと同じランクの魔物だろう。
格上ではないとはいえ、数と質の暴力には時に叶えそうにないものだ。
しかし、スケルトンは所詮スケルトン。
俺は右のタワーシールド持ちスケルトンの右側に向けてあらん限りの筋力を使い、フルスイングした。
そして、予想通りの結果が出た。
タワーシールドの重量に耐えられずにスケルトンが隣にいるもう一体のスケルトンを巻き込んで倒れ込んでいた。タワーシールドに押さえられて起きられないスケルトンをタワーシールドの上にジャンプし、スケルトンたちを押し潰した。
そして中衛のスケルトンに向けてタワーシールドを投げて、タワーシールドにやられたスケルトンは2体だけだったが、残り3体は棒でばらばらにしてから、スケルトンアーチャーを片付いた。
完全に力押しの戦い方だったが、勝った。
勝利品を貰いにスケルトンに近付く。
取った魔石は小石に分類されているが、今まで一番大きめである。そして身長をも超えるタワーシールドと槍2本を拝借して、迷宮を進んでいく。