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未確認来訪者  作者: 1N0R1
第四章
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心臓

怪物の動きが一瞬にして収まった。

「カル!」

うずくまるカルに近づく。

静かな怪物の体内に自分の声だけが響く。

カルは血を流しながらなんとか息をしている。

「キョウ……心臓を…」

少し遠くに転がる心臓に目を向ける。

そうだ…トドメを刺さないと。

でも、

「心臓を……持ってきて…」

意外な言葉が出てきた。

心臓まで駆け足で向かう。

片手に収まる位の大きさの心臓を拾い上げる。

心臓にしてはかなり小さい。

まだ確かに脈を打っている。

「持ってきました。」

「ありがと……」

そういうとカルは心臓を自らの口に運んだ。

噛み砕くこともなく飲み込むように。

咽せながらも口の中に無理矢理詰め込んでいく。

咳に応じてカルの口から血が出る。

そして、ついにその全てを飲み込んだ。

カルがより息を荒くしながら私に頼み込むように口を開く。

「もし……私が怪物になったら……その時はお願い。」

そんな言葉でやっと理解した。

でも、

そんな決断なんてできるはずがない。

だから、今はカルが怪物にならないように望むことしかできない。

カルの傷口が少しずつ塞がっていく。

「ねぇ……」

「なんですか。」

少しずつ目を閉じならもカルはなんとか言葉を紡ぐ。

「これが最期なら……みんなに伝えて……」

目を閉じて呟くように言葉を溢す。

「ごめんね」

しばらくは寝息と鼓動だけが聞こえた。

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