【12話目】過保護な海斗と陸の元カノの登場で波乱の予感?
「コンビニ行ってくるとは聞いてたけど、公園で食べてるって聞いてなかったじゃん、だから遅いなって心配したんだ」
「海斗にGPSつけられてんのかって思ったよ」
良く公園にいるってわかったなって聞いたら、コンビニからの道中を探し回ったって言うからさ
「海斗くんって、過保護!」
珠里に言われてた。
あ、いま夜ご飯終わってみんなでリビング。
テレビ見たり話したり、くつろぎタイムなんだけど、さっきの公園に来た海斗の話に戻っててさ、みんなで笑ってて
「翠まで一緒とは思ってなくて、それも想定外だったな」
翠は何も答えない、自分に言われてるって気づいてないのか、それとも無視?
だから代わりに答えておく。
「偶然だろ、帰り道なら、そんなびっくりすることもない」
テレビついてるのに、翠と珠里は、イヤホンで何か聴いてる。
公園にいるときも、翠はイヤホンつけてた。
有線のやつ。
無線のだとすぐ落とすからあえての有線だってさっき聞いたんだ。
それにふたりで有線イヤホンするのって、距離が近くなっていいんだって。
そっか、そうだよなって、いま目の前にいるふたりを見てて思った。
聴きながらなにかひそひそ話してて、ときどき笑ってる。
いい雰囲気、仲良し、うらやましい。
と内心思ってるけど、口に出さないんだ。
なんでかっていうと、海斗がマネしそうだから。
男同士でイヤホンつけて、うふふって笑いあってたら気持ち悪いだろ?
海斗はテレビ見てるし、翠と珠里はなにか聴いてるし、なんとなく俺はスマホを開いてみた。
「あれ、LINEきてる」
見ると、さっき、本当にさっき翠と話をしてたあの子。
無理やりキスして3日で嫌われたっていう…
え、今頃なんだ?
LINE開いてみたら、
『お久しぶりです』
とだけ書いてある。
えーとこれって、返信必要なやつ?
ひとつ年下だから、まだ中学3年生。
高校入ってから、全然会ってもないし連絡もしてなかったのに、なんで今更って思ったんだけど、こっちから嫌ったわけじゃなかったし、むしろ後悔してたこともあったしなって思って、返信することにした。
リビングの床に寝転がって、ぽちぽちやり取りしてたんだけど、要するにまた会ってみたいって話。
これって復縁要請みたいなやつ?
またつきあえる?
これ、海斗に言ったら、絶対なんか言われるよな?
そう思って、みんなに内緒で会うことにしたんだ。
土日とかだと、いちいち海斗に言わなきゃならないから、いきなりだったけど翌日の放課後に待ち合わせた。
「あ、陸先輩!!」
「わ、愛菜久しぶり~」
あんまり変わってなかった。
俺より小さくてかわいいままでホッとした。
コンビニで何か買って公園で話そうということになった。
「まだ歌舞伎揚げ好きなの?」
愛菜に聞いたら、うん好き! だって。
だから歌舞伎揚げと紙パックのいちごオレを買ってあげた。
俺はジャスミンティとポテト。
愛菜が、かりかり、ぽりぽりって音たてて食べてるの、リスみたい。
「この、歌舞伎揚げといちごオレって、無限ループできるんだよ」
美味しくて、だって。
喉に詰まりやすいから、ちょこっとずつ食べるのが大事だって、前から言ってたっけ。
「で、なんでまた急に会う気になったんだって、それ聞きたい」
「ああ、それ、えっと…」
愛菜がもぐもぐ、ごっくんするまでしばらく待った。
「わたし、先輩の高校、受験するから、それで思い出して」
「あ、そうなんだ、なるほど。でもなんでうちの高校?」
偏差値低いのに、愛菜ならもっと上、狙えそうなのに?
「わたし、あのとき子どもすぎる反応しちゃって、それで、なにもあんなに怒ることなかったなって後悔してたんで、それでその、またやり直せたらなって、一緒にいたくて」
おわ、これって告白じゃん! やっぱり復縁。
だけどすぐ返事するのは、どうしよう?
つきあったら、海斗なんていうかな?
翠も珠里とつきあって、俺も愛菜とつきあったら、海斗ひとりぽつーん。
今日は内緒で愛菜と会ったけど、やっぱり海斗に相談しようかな。
だってさ、秘密でつきあうのは無理。
いつかバレるだろうし、そしたら「なんで言わないんだ」って絶対言われそうだし、そうなるとめんどくさいことになる。
言い訳するとか、したくない。
「愛菜って夜ご飯、家で食うんだよな?」
「え、あ、うんそのつもり、だけど」
告白の返事をせず、いきなり夜ご飯の話しちゃった。
戸惑わせてしまった。
「じゃあさ、今週末、うちにおいでよ、流しそうめんでもしよう」
誘っちゃった。
「いま、4人でルームシェアしててさ」
みんなにも紹介したいって言ったら、愛菜
「え、いいんですか? わたしなんか行っても」
と、遠慮がちに言うけど、そこクリアしてくれないと進めないんだよな。
いまの俺って、一人暮らしじゃないし、いろいろ気をつかうんだ。
帰ってから、海斗に愛菜のことを話したら、明らかに表情が曇って、あ、やっぱりヤバかったかなって思ったんだけど
「わかったよ、土曜の昼、流しそうめん? しよう」
にこって笑ったぞ、笑ったけど、微妙にひきつってね?
そう感じたけど、スルーすることにした。
土曜が楽しみかっていうと、そうでもなくて、ちょっとだけ気が重かった。




