迷宮
いろいろあって更新がものすっごく遅れてしまいました…(pc壊れた)
いつものあらすじ
隊長を見送る→迷宮に向かう→変な魔物が襲ってくる→蹴ちらす→迷宮見つける&入る←イマココ
ろりこんって良いよね!
迷宮の中は思った通り壁から地面から天井まで一面中魔鉱石だった。あの隊長が拾ったものは、多分さっきの魔物と一緒に転がってきたものだろう。
「うわぁー!すっごーい!」
迷宮の中で大はしゃぎしているヘラ。そんなに見るところはないはずなんだが、迷宮に初めて入れたから感動しているのだろう。幸い道は一本道だった。
「これならすぐにたどり着きそうだな。」
「そのようですね。」
「だけどこのまっすぐ行ったとこにすごい魔力を感じるよー!」
入った瞬間3人とも感じていた気配。魔物か宝か。距離がわからないが、入り口からでも感じるほどの魔力を発しているのだ。魔物だったら相当強い。
「様子見もかねて慎重に進もうか。」
アイギスは二人を率いて歩き始めた。
しばらくすると少し開けた広場に出た。魔鉱石がゴロゴロ転がっている。道中魔物とは一切遭遇しなかった。
「アイギス様っ!あの魔鉱石持って帰っていいですか!?」
「もちろん、全部持って帰っていいんだぞ。」
わーい!と走って拾いに行くヘラ。というか道具袋も何も持っていないのに、あの量は全部無理があるだろうと思われる。それに行動が軽い。魔物の気配がしないからだろうか。それでも少しくらいは警戒しとけよ…と思うアイギスであった。まぁ楽しいなら良いんだけどさ。問題はこのすぐ先にいるであろう何かだ。
「まぁ魔物だったらすぐに消せば良いだけのことだしな…」
アイギスはボソッとつぶやいた。
「アイギス様ー!全部取ったよ〜!」
おいおい、あの量を全部取れるわけないだろ。笑顔で走ってくるヘラ。しかしその両手は空っぽだった。どこにもしまえるはずはない。しかし現にこの部屋にあった魔鉱石は全部なくなっていた。
「倉庫にできる空間を私とヘラで作っておいたのです。お店に直送しても良いのですが、後々在庫との区別をつけられるようにとこうしました。」
腕を組みながら説明するヘル。やっぱりこいつは先まで考えてくれている。
「そこまで考えるなんてさすがヘル!頼りになるぅ!」
アイギスも同じようなことを思っていた。それがヘラの口から出されたので、少々気恥ずかしい気持ちになったが、すぐに切り替えた。
「よし、んじゃ進むか。」
三人は最後の部屋へと向かって歩き出した。しかし魔物がいないのはおかしい。迷宮に入る前は、あんなに飛び出てきたのに、今じゃ気配すら感じない。感じるのは魔力だけだ。
となると考えられるのはあれだけか…面倒臭いな…。顔をしかめながら進んでいく。
ドドドドドドドド!!!
ものすごい数の魔物が一斉に何処からともなく現れた。迷宮前で遭遇した魔物だ。
「やっぱりか。」
「はい。敵は召喚型、或いは創造型のようです。」
「そんなことよりどうするの!?」
「まぁ落ち着け。もう手は打ってある。」
そのまま歩きつづけるアイギス。すごい雄叫びをあげながら突っ込んでくる魔物。その距離が零になろうとした瞬間に、魔物は全て小さな黒い玉となり、地面に転がった。
「ふむ、敵は召喚型だな。」
転がった何かを踏み潰しながら進んでいくアイギス。
「え?え?何が起こったの?」
おどおどするヘラ。その問いに応えようとするとヘルが口を先に開いた。
「圧縮の魔法ですよ。それも結構強力な。玉は魔物の塊です。これが創造型だった場合、魔物は消えてしまうでしょうね。アイギス様は自身に危害が及びそうになると発動する罠を仕掛けておいたのです。多分この迷宮に入った時からでしょうね。」
んん?と首をかしげるヘラ。
「なんで創造型は消えちゃうの?」
アイギスが軽く咳払いして口を開いた瞬間またもヘルに遮られた。
「魔力を使って魔物を生み出していれば、それは当然魔力の塊となるでしょう。だから圧縮と同時に魔力を打ち消す罠も仕掛けておいたのでしょう。二重に仕掛けられたこの罠で相手の型を知ることができるのです。」
ふむふむ…と頷くヘラ。本当にわかっているのだろうか?
「んじゃもしその二つのうちどちらもハズレだった場合は?」
「それは…」
「それはだな!圧縮の魔法が発動するだけだ!しかしいきなり目の前に現れるのならば、召喚ということしか考えられない!俺にも解説させろ!!」
大声で語るアイギス。目の前にその敵がいるっていうのに全てをバラす。
「あははははっ!!面白いね君たち!確かに僕が今使ったものは召喚だ。」
いきなり聞き覚えのない声に戸惑う一行。その声は目の前に浮かんでいる謎の杖みたいな物から聞こえてくる。
「そこの浮いているもの!お前はなんなんだ!?」
ヘラが子供みたいに問う。アイギスはそれがなんなのか大体わかっていた。
「んー僕かい?いろんな呼び方されたからなぁ〜魔具とか神具とか杖とか痛いとか。」
「痛いってなんだ!痛いって!」
「ヘラ、多分そこは突っ込んではいけませんよ。」
「さて、君たちは僕のことをこうして見つけてしまったわけだが、どうする?僕の力が欲しいかい?生憎僕は本調子では無いのでね。戦いは避けたいんだ。それに強そうな奴ばっかりだしね。」
杖はユラユラと空中に浮かんでいる。
「一つ良いか?」
アイギスが口を開く。
「ほいほい、なんでもどうぞ。」
ん?今なんでもって…と脳裏をよぎったが、脱線しまいと踏みとどまる。
「お前らは確か前の大戦で封印されたはずだろ?なんでこんな見つかりやすい場所に居るんだよ?しかも自力で出ようと思えば出れるんじゃ無いのか?」
杖は関心したように「おお〜」と声を上げた。
「まさか前の大戦のことを知っている奴がまだこの世にいるとはねぇ。まぁでも生憎僕も気づいたらここにいる状態でさ、封印前後の事も全然覚えてないのよね。目が覚めたのもさっきだし。というかこの姿嫌いだからちょっと姿変えるよ。」
そう言うと頭のテッペンがヘルの胸あたりの小さな少女が現れた。
「アイギス様、さりげなく「ウッヒョー!ロリだー!」とか思わないでください。」
「いや言わないで!なんでこの子の痛いっていうところは触れないであげてるのになんで俺のは心まで読んで抉ってくるの!?」
「ほほう。君は最近急増中の「ろりーたこんぷれっくす」通称ろりこんとかいうやつなのか!」
「ねぇどっから仕入れてくるのその情報!?さっき目が覚めたんじゃ無いの!?」
パニックに陥るアイギス。終いにはヘラに「ろりこんってなに?」と聞かれる始末だ。
「お前ら全員なんなの!?もう泣くよ!?」
「話を戻しますけれども杖…さん?」
ヘルが少女に話しかける。アイギスは部屋の端っこに行って拗ね始めた。
「そうだねぇ、この姿だと杖っていうのも変だから、ジュナって呼んでよ。」
「それではジュナさん、あなたと戦わなくても迷宮はクリアしたことになるのですか?」
それならば、穏便に済ませられるであろう選択だ。
「ん〜そもそもここがどこなのかも僕はよくわかってないからなぁ〜。あっちに出口っぽいのあるからあそこから出ればクリアになるんじゃない?あ、それと僕は君たちについていくことに決めたから。」
なんとも適当な発言である。こんなのが本来の力を取り戻せば、崇められるほどのもので良いのだろうか?いや良いはずがないっ!とアイギスは心の中で突っ込んだ。
「それでは一緒に行きましょうか。アイギス様、いつまで拗ねているんですか、行きますよ。」
いやお前のせいだろ!アイギスはヘルを思いっきり睨んだが、スルーされた。
「はっ!?お話終わった!?あれ?あの変な杖は?」
ヘラ…お前立ったまま寝てたのかよ…というか杖が変身した時お前起きてたよな…?
「まぁなんでも良いか。よし出るか。」
そう言うとアイギスは三人を率いて迷宮を後にした。
読んでいただき有難うございます。
いつも通り感想を受け付けておりますので、なんでもどうぞ!
ではまたー