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辺境の守備隊たる少年士官、アスカ&翼  作者: 油揚げ


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3/3

動く山を動かす者

 辺境守備隊、アスカと翼は今日も詰め所で警備する。翼は本部への通信に用いる無線機を整備する。

「わかってはいたが、ここは日常だな」

 外を見ながらアスカがつぶやく。かつて先輩から言われた【常在戦場】という格言を思い出す。帝国士官たる者は常に厳しい戦場にいるように自らを律せよ。という教えだが、この重要度の低いこの地域では大して敵も来ない。

「昨日の宴な一番の思い出だったねえ」

 翼は無線機の整備を終えてボルトを締める。そのとたんに通信が入ってきた。叫び声で自動的に音量が調整された。

“山が動いている!”

「ねえ、キミは村の自警団の人でしょ? 落ちついて、状況を説明して」

 翼は真面目な顔をして冷静に説明することを求める。ゆっくりした声に相手も落ち着いたようだ。

“え、えーと……ノキーラ山の近く、バカでっかいヤツがでかいオノを振り回してるんだ!”

「それはオーク軍団の兵士じゃないかな? 詳しく教えて」

 通話する翼の後ろでアスカは戦闘準備を整える。

「装備は斧だけ? それなら弓や投石器で対処できそうだね、命中しなくても足止めはできるはず」


 アスカと翼は出撃。先頭を歩くアスカが双眼鏡で敵を確認する。

「自警団が弱体化させてくれたな、オレがトドメを刺してやる」

 アスカはレイピアの柄を握り、翼に目配せする。その翼は魔法銃を構える。

「攻撃範囲内に入り、一瞬で仕留める」

 ふたりは草むらをほふく前進で進む、小柄な少年士官であるふたりは巨大なオークに気づかれずに接近できた。


 アスカが跳躍し抜刀する音が響く、オーク戦士がそちらを見上げる、翼の魔法銃が発砲、ヘッドショットで打撃を与え、直後にアスカのレイピアが貫いた。

「片付いたとはいえ、これは本部へ臨時報告するべきだね」

「……村への報告が先だ、あの慌て者の連中に教えてやれ」

「うん!」

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