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44.訳あって恋敵?と二人で話をしています

マリリンは、婚約取り消し計画を再び実行しようと考えた翌日から行動を開始した。


リードとの手紙のやり取りは変わらずに続けた。

しかし、リードが会えないかなどと尋ねてきた際は失礼のない様、予定が合わない事を理由に断っていた。


薬草を採りに行く際も、護衛代わりに男性を連れて行くという事はリードとの約束であった為にマリリンは、兄のキースや弟のアースの予定が合う時に付き添いしてもらったのだった。


マリリンが、出来る事ならリードと顔を合わせない様にと思いながら自分の考えを行動に移していたある日…


マリリンは、どうしても一人で王都で暮らしている平民の者達がどのように暮らしているのかを、見てみたいと思っていたのだった。

それを見ることで、平民の者の生活水準や状況を把握し、今後どの様に自分の作った物を販売していくのが一番いいのかを考える為であった。


この日、マリリンはアリスの家に行くと言って一人王都へと向かった。


マリリンは、お忍び服を身にまとい平民を装っていた。


マリリンは、歩きながら色々と見て回った。

化粧水を販売している店などが二軒ほどあったが、どちらも簡単に手を出せる様な額の物ではないし成分なども肌の悩みを抱えている人向けではなさそうだった。


他にも、平民の者の暮らしがどの様なものかを見て回った。


(んん……想像をしていたよりも、平民の方々の暮らしは全ての方々が安定しているとはやはり言えない様ですわね…わたくしよりも歳の若い子達が働いてるのも珍しくはない事の様ですしね…そうなればやはりお肌の悩みがあったとしても簡単には、化粧水や薬などは買えそうにもありませんものね…ストラム公爵家の業務功績にはかなり影響があるかもしれませんが、長く沢山の方に使って頂きたいと思うのであれば今よりも販売価格は下げるべきでしょうね…)


マリリンは、歩きながら周りの様子を見ながらそんな事を考えていた。


すると…


「お嬢さん…一人かい?」


見知らぬ男二人組が、マリリンへ声をかけてきた。


「??私ですか?」


マリリンは、自分の事なのかわからず男達へと尋ねた。


「あぁ。お嬢さんだよ。お嬢さんはこの辺では見ない顔だね。えらく別嬪さんだな…一人で暇なら俺達と酒でも飲みにいかないか?」


男の一人が、ニヤニヤとしながらマリリンと声をかけた。


「いえ…私はまだやる事が残ってるので…遠慮しときますね…」


マリリンは、苦笑いをしながら断った。


「そんなの後でやればいいじゃないか…いいから、俺達と飲みに行こうぜ。」


男の一人がしつこくマリリンへ言ってきた。


「ですから、私は遠慮しておきます。」


マリリンは、少し表情を歪ませながら言った。


だが、男達はマリリンへとしつこく言ってきてマリリンの手を掴んだ。


「何するのですか?」


マリリンは、男達を睨みつけ言った。


「お嬢さんが、さっさと来ないからだよ…」


手を掴んだ男の一人がニヤりとしながら言った。

その時…


「その手を離してもらおうか?彼女は俺の連れなんでな…」


誰かが、間を割って入ってきた。


それは…

ルカだった。


「ルカさ…」


マリリンが、ルカを見て驚いて言おうとした。


「さぁ…お前たち…分かっただろ?俺の連れだと言ったんだ…分かったならさっさと行け…」


ルカが、低めのトーンで男達に言った。

男達は、ルカの顔を見るなり怯えた様に逃げていった。


(すごく怯えてらしたわね…ルカ様ったらどんな顔してたのかしら…)


マリリンは、先程までの威勢がなくなり怯えて逃げていった男達を見て不思議に思っていた。


すると…


「マリリン嬢、大丈夫か?怪我はないか?」


ルカが、心配そうにマリリンへ尋ねた。


「えっ?ええ…大丈夫ですわ。ルカ様が助けて下さったのでどこも怪我はしておりませんわ。助けて頂きありがとうございました。」


マリリンは、ルカに言われて驚いた様に応えてお礼を言った。


「怪我がないならよい…何故この様な所へ一人でいるのだ?待女のカミラはどうした?」


ルカは、マリリンが一人な事を不思議に思い尋ねた。


「えっと…ですね…それは…その…」


マリリンは、ルカに尋ねれられてしどろもどろしながら言った。


その様子を見たルカは、何かを察したのか…


「あちらに公園があった。そこで話を聞こう。」


ルカが、少し呆れた様にマリリンへ言った。


「はい…」


マリリンは、苦笑いしながら応えた。


そして、二人は公園へ来るとベンチへと腰をおろした。


「それで、何故あの様な場所に一人で居たのだ?」


ルカが、マリリンへ尋ねた。


ルカに尋ねられたマリリンは、諦めたのかここまでの経緯をルカへと説明したのだった。


「はぁ…そういう事か…どうりで一人な訳だな…しかし、無謀にも程があるのでは?もし…先程私が助けに入っていなければマリリン嬢一人でどうしていたのだ…男の力になど勝てないのだぞ?マリリン嬢の気持ちは分からない事はないが、マリリン嬢が危険な目に遭う事で周りにも迷惑がかかるのだ…それをよく肝に銘じておくといい…こんな事をリードが知ったら…」


ルカは、真剣な表情でマリリンへと忠告をした。


「はい…今回この様な状況になり思い知りました。軽率な行動だったと思います…申し訳ありません…以後、きちんと考えて行動しますわ…それと…この事はリード様には内緒にしておいて下さい…お願いします…」


マリリンは、しょんぼりした表情で申し訳なさそうにルカへと言いつつお願いをした。


「分かってくれればよい…して…何故リードには知られたくないのだ?」


ルカは、不思議そうな表情でマリリンへ尋ねた。


「それは…そのですね…」


マリリンは、言いにくそうな表情で言った。


その様子を見たルカは…


「はぁ…わかったよ。今回の事はリードには黙っていてやるさ…だが、次にこの様な事があればリードだけではなくストラム公爵にも伝えるのらな。」


ルカは、ため息つきながらマリリンへと言った。


「本当でございますか?ありがとうございます。本当に助かりますわ。ありがとうございます。はい…承知しておりますわ。次にわたくしがこの様に軽率な行動をした際にはどうぞ、リード様にもお父様にもお伝え下さいませ。」


マリリンは、ルカの言葉を聞きつい先程までしどろもどろしていたのが嘘みたいな笑顔でお礼を言った。


「現金な奴だな…ふっ…」


ルカは、マリリンの言葉に思わずふっ…と笑いながら言ったのだ。


(あらっ、ルカ様…今ほんの少し笑われた?気のせいかしら?でも、本当に良かったわ。今はリード様とはなるべくお顔を合わせたくはないしお父様達に知られても困りますしね…内緒にして下さるルカ様に感謝しなくては…それにしても…ルカ様は、リード様が想い合っておられる方なのにこの様にこんな話をしているなんて不思議ですわね…言い方を変えたら恋敵?ですのに…ふふ…あまりにも不思議な状況におかしくなってしまいますわ…ここ最近は、リード様への恋心に気づいた事で悩む事が多かったですが、何だかこの状況は可笑しくなってしまいますわね…ふふ…)


マリリンは、ルカと話ながらその様な事を思っていた。


その後、ルカが妹のアリスとマリリンの兄のキースの話をしてきたのでマリリンは驚いたが、お互いの兄妹の話なのもあり話を続けていたのだった…


そんな二人の事を、遠くから見ていた人物が居るなど二人は気づく由もなかった…

※誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

助かっております……


よろしければ…

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