答(こたえ)を
壬生の狼、沖田&吉田視点です!!
夕刻、僕は仕事が終わりいつも通り雪さんのいる甘味処に行こうとした。本当はもっと早くに行こうとしたが斎藤さんに捕まりそれは叶わなかった。
「雪さ~ん、遊びに来ましたよ!!」
何故だろうか、その場にいた客が固まっている
「お、壬生浪の美少女!!」
どうして?
(どうして知っている?)
僕は雪さんにばれないように細心の注意を払い、この周辺は新八さんや左之さんに任せていたはずだ。
「………………!!僕は壬生浪じゃありません!!」
つい大声を出してしまった。
僕は雪さんがきになってはちらちら雪さんを見た。
わかってた、きっと僕が壬生浪だとバレれば彼女に嫌われることなんてわかっていた。わかった上で、覚悟の上で僕は彼女と一緒にいた………筈だった。
「総郎、総郎は一体何?」
(ああほら、来た)
わかっているのに、わかってはいるのにどうしてだろう、胸が痛いーーーーーー。
「………僕はただの沖田総一郎です」
平静を装わなければ
「違うよ」
ああ、胸が痛い。
「………!!」
彼女は関係無しに続ける。
「ここの常連客で私の大事な友達、でしょう?例えどんな名前であれ総郎は総郎さ」
何をいってる?彼女は僕が何を言ってるのかわかってるのだろうか?
でももしもその言葉が僕が壬生浪士組の沖田総司だとわかった上で向けられた言葉だったのならーーーーー
(どれだけ幸せだったか)
「総郎、ここは、この甘味処は思想なんて関係無い。ここはみんなが楽しくやっていく場所だよ。ここでは誰も貴方をーーーー沖田総一郎を拒絶しない」
(近藤さんの為、それが僕が刀を握る意味、此処に在る理由。それだけでいい。なのになぜ貴女は僕の心に入り込んでくる?お願いだからどうかこれ以上僕の心に入り込んで来ないで!!)
でも彼女に嫌われることの方が怖いのはどうして?
「でも、僕は……僕は……!!」
「それじゃあここで独り言。私は壬生浪のことを嫌ってはいない。寧ろ感謝しているよ。例え町の人に嫌われても、それでも汚れ仕事を被ってまで平和を守ってくれているんだから」
「そうだな、寧ろ美少女歓迎!!こんな可愛い子がいるなんて知らなかった!」
「おまえ奥さんいなかったけ?」
「ちょ、それは黙っといて」
そこで甘味処に笑いが溢れた。ここの人達は皆、彼女の影響のせいか僕らを毛嫌いしているものがいないようだ。
「…………どうして…どうして貴女は!!」
人の懐にいとも簡単に入り込んで来るのか
「友達だから、それ以外に何か?」
どうして僕が欲しい言葉をくれるのか
「…………………うわぁぁぁぁ!!」
僕はその場に崩れて泣いた。
彼女は僕をただただ抱き締めた。
~~~~~~~~
そのあと僕は彼女に全てを話した。自分が壬生浪であること、本当の名前が沖田総司であるということを。彼女はそれを打ち明けている最中でも何時もと変わらぬ顔でいた。ちなみに彼女の思想は特になくただ生活に不満を持っているだけだ。
(ああ、彼女は何も変わらない)
僕は何を恐れていたのだろうか?だけども、嬉しくて堪らない。
「僕今日は帰りますね、でもまた絶対来ますから」
僕は彼女にそう告げ甘味処を出た。
(最初は来なければよかったなんて思ってたけどやっぱり来てよかったかもしれない)
僕は軽い足取りで屯所へと帰っていった。
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時刻は夕刻。俺は甘味処……甘味処に来た筈だ。多分。騒がしいけど。ここは人がたくさん集まり、情報もたくさん流れる。
ちなみにここ、夜は家の誰かが起きているとき、食料全て持参と言う条件で甘味処を貸し出している。但し台所で水を使いたければ自分で井戸から汲んでこいという鬼畜仕様である。
「お待たせ!!」
「お、ありがとよ!なぁなぁ雪ちゃん」
「なあに?」
「この間も見たんだよ!壬生浪の美少女!!」
「あれだろ?あの黒髪の!!」
酔っぱらってから来た客が語り出す
沖田総司………少し考えればわかる筈だ。
「雪さ~ん、遊びに来ましたよ!!」
噂をすればなんとやら。本人のご登場である。
「お、壬生浪の美少女!!」
「………………!!僕は壬生浪じゃありません!!」
彼は焦っている、やはり壬生浪の人間だとバレるのはまずいのだろう。京の人間は壬生浪を嫌っているから
「総郎、総郎は一体何?」
どうやら始まったらしい。
「………僕はただの沖田総一郎です」
「違うよ」
「………!!」
沖田は一瞬哀しそうな顔をした。
(そのまま拒絶されればいいのに)
「ここの常連客で私の大事な友達、でしょう?例えどんな名前であれ総郎は総郎さ」
沖田は目を見張ったかと思うと泣き出した。
「総郎、ここは、この甘味処は思想なんて関係無い。ここはみんなが楽しくやっていく場所だよ。ここでは誰も貴方をーーーー沖田総一郎を拒絶しない」
「でも、僕は……僕は……!!」
「それじゃあここで独り言。私は壬生浪のことを嫌ってはいない。寧ろ感謝しているよ。例え町の人に嫌われても、それでも汚れ仕事を被ってまで平和を守ってくれているんだから」
「そうだな、寧ろ美少女歓迎!!こんな可愛い子がいるなんて知らなかった!」
「おまえ奥さんいなかったけ?」
「ちょ、それは黙っといて」
そこで甘味処に笑いが溢れた。
なぜ?京の人間は皆、長州の味方のはずなのにーーーー
(ああ、そういうことかーーー)
この町の人間は、いや、『千藤白雪』という少女に関わった人間の中に彼女の考えが、彼女と言う人間が生きている。つまり彼女が生きた証のようなものだ。死んではいないが。
「…………どうして…どうして貴女は!!」
「友達だから、それ以外に何か?」
「…………………うわぁぁぁぁ!!」
沖田は、その場に崩れて泣き出した。
彼女はただただ抱き締めた。
やはり彼女が気になる。まずは彼女の懐に入ることから始めなくては
その後
「~~♪」
「遅いぞ総司!!」
「ごめんなさい土方さん」
「総司が謝った!?」
「平助は失礼ですね、僕だって謝ることあります!!」
「…………総司、何をしていた」
「別に何も~」
沖田はそう、嬉しそうに語る。そしてそれがまた白雪のフラグを建てることになった。
沖田はまだ気持ちには気づいていません!!雪ちゃんは誰か困っていたらついつい手を伸ばしちゃうタイプ、
アンケートまだまだよろしくお願いします!目次、もしくは小説を見ている最中に下に表示されているタッチしてもリンクされていないURLです。最初の二問だけでもいいので、作者も回答します!!