見られてはマズイもの
俺は「はぁ。」と生返事を返し、部屋から出て行く一葉さんの後を付いて部屋から出た。
リビングのソファに座りなおし、話を聞く事にした。
「あの、おれ・・・
わけがわからないっていうか・・・」
「・・・そうね、まず、私は光永一葉。舞とは友達でさっきも言ったけど部屋をシェアしてたの。就職した会社から通勤圏内だったからね。
舞とは大学からの付き合いで親友だったの。
・・半年前、交通事故に巻き込まれて、脳死判定を受けたのよ。」
俺は何も言えずただ聴いていた。分かっているつもりだった。心臓を移植するということは脳死、又は死亡した人がいるということ。
でも直接、そのドナーの知り合いや家族に会って何て言って良いかなんて俺は考えてもなかった。臓器は生きていても本人はなくなっているんだから。
「舞は保険証の裏に臓器提供の意思表示があるでしょ?そこに臓器提供をする様に丸が付いてたの。
舞の家族さんも迷いながらも舞の意思を尊重した。
それで心臓。心臓が君に移植されたんだよ。翼君だったね。
君は舞の心臓で今生きてるんだね。」
俺は泣きそうになりながら大きくうなづいた。
「舞が交通事故にあったって聞いた瞬間から舞のものを私の部屋に移す作業が始まったわ。」
ん?
「本当に葬式をすっぽかすところだったもの。」
んん?
「一葉さん?」
「舞はね、腐女子だったの。」
腐女子?ちょっと待って。聞き間違え?ん?
「ふ女子って・・・?」
「君は・・・知らないか。そうだよね。
何ていうか〜?言いにくいんだけど、ほら。BLって知ってる?わかる?」
知っている。ゲイってやつね。俺はうなづいた。
ネットとかで見たことある。
「それよ。舞は腐女子、BL大好きな子だったの」
何ていうか。さっきまでの悲しい様な切ない様な雰囲気どこいったの?泣きそうになったのはさっきより今の方が強いのは気のせいだよね?
「それでね、部屋にはとてもじゃ無いけど舞がなくなったご両親に見せれる様な感じではなかったのよ。
ちなみに私も同類よ。コスプレもしてイベントなんかに行ってたわ。
お互いとても両親には見せれない。それがさっきの約束よ。」
・・・・・・・えっと?




