壁ドン
俺は「一葉」と呼んだ瞬間胸が苦しくなっていた。
発作の苦しさじゃない。
懐かしいような、悲しいような、嬉しいような、そんな感情からくる苦しさだった。
俺が胸を抑えてこの感情と現象に戸惑っていると女性が俺に近づいて来た。
「確かに私は一葉だけどあなたを知らない。見たところまだ未成年でしょう?
まさかストーカー的なのじゃないでしょうね?私は未成年でも容赦なく警察に突き出すわよ!」
女性に睨まれた。ウゥ怖い。どぉなってんだこの状況!?
「なんで私より泣きそうな顔してんのよ!?」
「俺にもよくわかんないんですけど、一葉さん?
・・・必ず行こうって言った約束、守れなくてごめん。俺には約束した記憶がぼんやりとしか無いんだけど、確かに約束しましたよね?何でか一葉さんの顔を見た時から胸が苦しいんです・・・。」
そう言うと一葉さんは目を見開いた。
驚きと疑いが混ざったような顔をしている。
「ちょっと付いてきて!」
そう言うと俺の腕を引いて歩き出した。
俺より10センチ以上小さい身長で結構力が強い。
ちょっ!?どこ行くの?初めて腕組んだ相手が年上とか、どうしようおれ。
ってかこの状況について行けないって言うか!
駅の端、トイレまで来ると多目的トイレに押し込められ一葉さんも入って鍵をかけられた。
ちょっと!ここ多目的ですよ目的が多いところですよここ!!パニックですね、わかります!
一葉さんは俺に向き直ると俺に向かって詰め寄ってきた。
《まって、怖い怖い》
そして・・・
ドンっ!!
壁ドンされました。




