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初めての彼女

ローファンタジーゾンビ小説。読んでくれてありがとう、みんな大好きだよ。

午後もかなり遅い時間だった。


太陽が大学の中庭全体を温かい赤と金色に染めていた…実に美しい光景だと思った。


背後では強い風が勢いよく吹いていた。


右手の爪をぎゅっと握りしめ、脇で力強く拳を握りしめた。自分の心臓の鼓動が耳元でどんどん大きくなり、呼吸音よりも大きくなっていくのを感じた。


「葵さん…」私はかろうじて聞こえる声で話し始めた。彼女は少し顔をこちらに向けて、さらに身を乗り出し、その両目は私の臆病な表情を不思議そうに捉えていた。


「葵さん…」


喉が少し詰まったけれど、なんとか言葉を絞り出した。「本当に、あなたのことが好きです。お願い…付き合ってください。」


私は頭を低く下げ、うつむき加減で、彼女の顔を見ることができなかった。どんな表情を目にするか怖かったのだ…。私たち二人の間の空気は重苦しく、一秒一秒が永遠のように長く感じられた。


その後数分間は、最初は全く何もなかった。彼女からの返事もなく、動きもなく、ただ激しく吹きつける風の音と、私の緊張した、不安定な呼吸音だけが響いていた。


そして…足音が聞こえた。


彼女が一歩ずつ近づいてくるたびに、胸が締め付けられるような緊張感が走った。指はさらに強く握りしめられ、汗ばんだ手のひらに爪が食い込んだ。それでも、私は…


「ねえ」彼女は私に短く呼びかけた。その声はとても女性らしく、優しく、そして同時にからかうような響きがあった。「どうして私の方を見ないの?」


私は思わず唾を飲み込んだ。「だって…怖いんだもん。」


彼女の唇から小さく可愛らしい笑い声が漏れ、そして温かさが広がった。彼女の指が、ためらいがちに、しかし確かに、私の手のひらに触れた。


私がようやく顔を上げると、彼女の目は今まで見たこともないほど潤んでいて、口角は小さく、誠実で可愛らしい笑みを浮かべていた。


「あんたって本当にバカね…わかってる?」彼女はそう言って、少し左に首を振った。「でも…」彼女は言葉を途切れさせ、私の心臓が期待で止まりそうになるほど間を置いた。


ほんの一瞬、呼吸の仕方を忘れてしまった……。彼女の言葉が頭の中で何度も何度も繰り返された。「私もあなたが好きよ。」


「……本当に?」喜びのあまり声が震え、たちまち恥ずかしくなった。


彼女の頬はゆっくりと赤くなったが、視線をそらさなかった。「もう一度言わせないでね?」


彼女は私の手を少しの間離した。一瞬、心臓がドキッとしたが、すぐに彼女が小さなピンクのバッグに手を伸ばしているのに気づいた。


彼女は中から携帯電話を取り出した。赤と青のiPhone 17 Proだ。そして、少し微笑みながら私の前に差し出した。


「はい」彼女はさりげなく言ったが、頬のほんのりとした赤みが、平静を装おうとする彼女の努力を裏切っていた。「電話番号を教えて。これから付き合うんだから、知っておくべきでしょ。」


私の脳は瞬時にショートした…「デート…私たちは本当に…デートしているの?!」


私は後ろポケットから携帯電話を取り出そうと必死に手探りしたが、認めたくないほど手が震えていた。「あ、ああ。もちろん。ほら、私が…」


私が電話番号を入力する際に指が滑ってしまい、バックスペースキーを押さざるを得なかったため、私の不器用さに彼女は可愛らしくクスクス笑った。ようやく彼女に携帯電話を返すと、彼女は画面を2回タップし、そしてそれを私の方に傾けた。


「ほらね?『私の彼氏』って名前で保存してあるでしょ。」


その言葉はスクールバスに轢かれたように、私に大きな衝撃を与えた。私の顔は真っ赤になった。「彼氏?! そんなにすぐに救わなくてもよかったのに!」


彼女は一瞬、笑みを浮かべた。「いいじゃない?本当のことだもの、そうでしょ?」


私は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆い、うめき声をあげた。すると彼女は私の隣で、優しく可愛らしく笑った…。


しかし、私が何か別のことを言おうとしたまさにその時、彼女の電話が2回鳴った。彼女は画面をちらりと見て、表情が一変した。


「すみません、電話に出なくちゃ。」彼女は電話を耳に当てたまま反対側へ歩いて行き、電話の相手である謎の人物と話すにつれて声のトーンを落とした。


私は脇でじっと待ち、彼女の会話を聞き逃さないように努めた。ついさっき起こった出来事のせいで、心臓はまだドキドキしていた。数分後、彼女は戻ってきて、携帯電話をそっと置いた 彼女のバッグに戻した。


「すみません」と彼女は言い、申し訳なさそうな笑顔で頭を下げた。「これから歴史の授業に行かなきゃ。また後でね」


彼女は私に軽く手を振ってから、中庭から続く小道を歩き出し、その女性らしい姿はゆっくりと大学の通りに消えていった。


そして、私はそこに一人取り残され、自分が片思いの相手に告白し、しかも彼女がイエスと答えたという事実を、まだ理解しようとしていた…。


きっと皆さんは、どうしてこんなことになったのか、私のような人間がどうしてこんな状況に陥ってしまったのか、不思議に思っていることでしょう。


では…ご説明しましょう。


佐藤悠斗です。20歳です。そして…ええ、まだ童貞です。


そうです。20歳にして童貞です。


すべてはルームメイトと遊んだくだらないゲームから始まった。ちょっとふざけて遊んでいたら、結局賭けに負けてしまったんだ。

私の罰?大学で一番美しくて人気のある女の子、鈴木葵を「いじめる」ことだ。


正直に言うと、そんなことありえないと思っていました。だって、僕が?よりによって僕が?でも驚いたことに…彼女も僕のことを好きになってくれたんです。


信じられないでしょ?僕みたいな何者でもない、20歳の童貞が、キャンパスの女神を笑顔にさせることができたなんて。


自分は世界で一番幸運な男だと思っていた。


少なくとも…当時の私はそう信じていた。



【速報】


「皆さん、こんばんは。渋谷中心部からの緊急ニュースをお伝えするため、番組を一時中断いたします。」


ほんの数時間前、市の中心部でホームレスの男が白昼堂々と高校生を激しく襲撃する事件が発生し、大混乱が巻き起こった。


目撃者の証言によると、男は「異常なほど攻撃的」で、制止しようとするあらゆる試みを無視し、激しいもみ合いの中で学生の手を噛んだという。


幸いにも、近くにいた警備員が迅速に介入した。襲撃者は取り押さえられ、警察が現場に到着するまで身動きが取れない状態だった。負傷した学生は、緊急治療のため病院に搬送された。


現時点で当局は襲撃者の健康状態に関する詳細を公表していないが、目撃者らは彼の行動を「野蛮」で「非人間的」と表現している。当局は市民に対し、その場にとどまるよう呼びかけている 捜査が進行中のため、冷静さを保ってください。



[終わり]



ユウトは大学の寮の部屋のドアをだるそうに押し開けた。重く、ためらいがちに、そして疲れたため息をつきながら、肩からカバンを滑り落とし、床に落とした。


部屋のテレビはすでに点いていて、ニュースキャスターの声が部屋中に響き渡っていた。彼女の声はかなり真剣で、「攻撃」「噛まれた」「非人道的な行為」といった言葉が背景に大きくこだましていた。


しかし、ほんの一瞬、ユウトの視線はテレビ画面のニュース報道に釘付けになった。揺れる映像が繰り返し再生され、正気を失ったホームレスの男が警備員に押さえつけられながら激しく暴れ回る様子が映し出されていた。それは不気味で、まるで動物のようだった。


「…変だな」と、ユウトは小声で呟いた。


ニュースキャスターの言葉は、彼の頭にも胸の熱にも届かなかった。彼は相変わらず馬鹿みたいにニヤニヤしながら、葵さんの言葉を頭の中で何度も反芻していた。「これから付き合うことになるから」


彼は首を振り、テレビの映像を振り払った。ニュースで見た、どこかの気味の悪い男のせいで、この雰囲気を台無しにするわけにはいかない。


彼はベッドに飛び降り、携帯電話を取り出して、画面に光る新しい連絡先をじっと見つめた。「彼女」。それを見ただけで、彼の心臓はまたもや高鳴った。


「外の世界が崩壊しようと、俺には関係ない」と彼はつぶやき、顔を枕に深く埋めた。



コメント、いいね、そして他の章も読んでください。みんな大好きです。

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